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平和の担い手へ―どう伝える 戦争の歴史―

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平和の担い手へ―どう伝える 戦争の歴史―〈4・終〉「インパール作戦」と平和資料館

平和の担い手へ―どう伝える 戦争の歴史―〈4・終〉「インパール作戦」と平和資料館

 1944(昭和19)年、ビルマ(現ミャンマー)からインド北東部にかけて繰り広げられた「インパール作戦」。インド北東部、マニプール州インパールのレッドヒルに6月、日本財団(東京都)が支援して平和資料館が完成した。

◇戦争の記憶と向き合う

 妙高市出身で同財団の和田真さん(39)は、プロジェクトのメンバーの一人。「現地の団体に資金提供し、完成を待つはずだった。しかし、先方の構想は現地で掘り当てた

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平和の担い手へ―どう伝える 戦争の歴史―〈3〉 上越市の「平和展」事業

平和の担い手へ―どう伝える 戦争の歴史―〈3〉 上越市の「平和展」事業

◇時勢にあったテーマ設定 大半は個人所有物

 太平洋戦争当時の上越市の様子を、当時の資料や遺品などで伝えている「平和展」。広島平和記念式典派遣事業と同じく平成8年から、映画鑑賞会と平和に関するポスター展として始まり、同20年から平和展に名称変更。同28年からは出征や当時の遊びなど、テーマを決めて展示を行っている。

 市共生まちづくり課の古川浩子共生係長は、「興味を持ってもらうため、時勢に合った

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平和の担い手へ―どう伝える 戦争の歴史―〈2〉 上越ゆかりの識者に聞く

平和の担い手へ―どう伝える 戦争の歴史―〈2〉 上越ゆかりの識者に聞く

 太平洋戦争を実体験した世代が高齢となり、当時をリアルに知ることは難しくなってきた。次世代の平和の担い手を育てる教育現場では、体験者の孫世代が教壇に立つようになり、戦争は遠いものになりつつある。

◇議論・熟議の場が必要

 上越教育大大学院の中平一義准教授(社会科教育)は、平和教育について「平和をどう守るか、について子どもたちの議論・熟議の場が必要」と話す。

 子どもと太平洋戦争は時間的に大き

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平和の担い手へ―どう伝える 戦争の歴史―〈1〉 中学生広島平和記念式典派遣

平和の担い手へ―どう伝える 戦争の歴史―〈1〉 中学生広島平和記念式典派遣

 太平洋戦争終結から74年―。日本では平成年間は「平和な時代」と呼ばれた一方で、戦争体験者は高齢となり、今後実体験をどう語り継ぎ、次世代に恒久平和の願いを伝えていくかが課題となっている。教育の視点や若者の活動を通し、戦争とどう向き合い、どう学ぶべきかを考える。

 上越市で戦後50年の平成7年、戦争の記憶を風化させず後世に語り継ぐため、恒久平和に向けて、たゆみない努力を続けることを誓い、「非核平和

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