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インバウンド対応 お客様満足度管理システム「旅パレット」の開発ストーリー

中小・ベンチャー企業向け経営コンサルティングとインターネットサービスの開発を行なっている当社ですが、構想5ヶ月、開発に約5ヶ月かけて進めてきた、ホテル・旅館向けのインバウンド対策ソリューションであるお客様満足度管理システム「旅パレット」をようやくβリリースできるところまで辿り着きました。
(ご協力いただいた皆さん、本当にありがとうございました!!)

が、ご存知のコロナショックでインバウンドマーケットは蒸発し、国内旅行需要も大打撃。宿泊業の事業者はどこも売上が激減している状況で、観光業が元に戻るまで2〜3年はかかると予想しています。

そうした状況で、新サービスの立ち上げをやり続けられるかというと、逆風下では茨の道ということで、ここまで創ってきて大変辛いのですが、止む無く「旅パレット」は一旦休眠させることにして、新規事業はピボットすることにしました。

今回は、一つの区切りというわけで、独立してからのファーストプロダクトである「旅パレット」の開発ストーリーを振り返ってみたいと思います。

事業アイデアの着想

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事業アイデアは、2019年8月から役員の鈴木と二人で考え始めました。
基本的には、2週間に1回のペースで、事業アイデアのブレストからはじまり、アイデアを評価して、マーケットリサーチして、絞り込んでいきました。当初から、マーケットとして「教育」か「観光」に目をつけていたので、それぞれで海外の成功事例のリサーチ含めて、事業アイデアの探索をしました。

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「教育」か「観光」それぞれについてリサーチを進める上で、EdTech領域に可能性は感じたものの、観光の市場の大きさ、今後の成長性を重視して、「観光市場」を選択しました。

市場調査とサービスコンセプトづくり

では、観光市場において、どういうプロダクト(サービス)を開発するのか。B2Cなのか、B2Bなのか。チョイスすべきビジネスアイデアは何なのか。このあたりの判断を行うために、市場調査を行いました。

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その中で、決め手になったのは、今後10年先を見据えて、観光市場の成長を牽引するのはインバウンド(訪日外国人)であること。そして、インバウンドマーケットで最もパイが大きいのが、訪日中国人であることの2つでした。

そこで、訪日中国人に対するWEBアンケートを行い、彼らが旅行するときに、どのように行動し、日本旅行の何に満足し・満足していないかを把握しました。

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その結果、いくつか興味深いことを発見できたのですが、中でも重要なFINDINGSは、訪日中国人の口コミ率の高さです。調査結果では、なんと98%の人が、日本旅行後何かしらの口コミ行動をとっていました。つまり、最もパイが大きい中国人旅行者の高満足を獲得できれば、それが高い確率で他の新規訪問客につながる可能性があるのです。

加えて、国内のホテル・旅館事業者にも、現状の宿泊業の運営における経営課題と求めているサービスについて調査を行いました。

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その結果、客室稼働率を高めるニーズが極めて高いこと、そして、訪日外国人の満足度調査を軸にした品質改善サービスに一定のニーズがありそうであることを把握できました。

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ここでようやく、「お客様満足度調査システムを軸にホテル・旅館の稼働率アップにつなげるサービス」というコンセプトが見えてきたのです。

ビジネスモデル構築と事業計画づくり

では、ビジネスモデルをどうするか。「アマゾンのくるくる」みたいな、分かりやすいポンチ絵が必要だなと思い、、、つくったのがこちら↓

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左側は、旅パレットというお客様満足度管理システムを使って、CS改善によりリピート率を高めていく循環。右側は、集まったカスタマーレビューを旅クル(モックはこちら)というレビューサイトに掲載し、新規宿泊客を集めていくという稼働率UPの循環。この2つを成立させることで、「お客様満足度調査システムを軸にホテル・旅館の稼働率アップにつなげるサービス」を実現することを目指しました。

知人からの紹介や、ビザスクを使って、ホテル・旅館の事業者に旅パレットのコンセプトとビジネスモデルについて、インタビューで反応を確認していったのですが、「ぜひ使ってみたい」という声を含めて、好意的な意見が多く集まったので自信につながりました。

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単にCS調査をやってサービス品質改善しますだけではなく、レビューをマーケティングに活用して、新規顧客も集めちゃうというのがミソです。

で、ここからせっせと事業計画をつくり、プロダクト開発のマイルストーンを設定していきました。2020年12月時点の目標として、契約顧客数200と設定しました。

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仲間集め

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ここからは、実際にプロダクトを開発してくれるエンジニア・デザイナーを見つけなければいけません。エンジニアの採用、オフショア開発なども含めて悩みましたが、フリーランスで働くエンジニア・デザイナーを中心に、開発チームを組成することを選びました。

知人からの紹介、知人の知人に依頼、クラウドソーシングで探すなど、いくつかのアプローチを経て、エンジニア4名、デザイナー1名、開発ディレクション1名(鈴木)、企画統括(安藤)という7名体制で開発を進めていくことになりました。

最終的にはもちろん数百万円の開発費にはなっているのですが、それでもコスト的には無理言って、安めのFEE水準で請けてくれまして、大変助かりましたmm

プロダクト開発

プロダクト開発は、マイルストーンを設定し、エンジニアごとに開発範囲を分けて、進めていきました。

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2020年1月は機能要件定義を中心に行い、実際にコーディングが動き出したのは2月からで、2月〜4月の3ヶ月間がメインの開発期間。5月がステージング環境での受入試験と修正作業という感じで、5月末時点でベータ版(無課金でトライアルユーザーを集めるレベルのプロダクト)が完成しました。

当初計画では4月にベータ版のリリースをするのが目標だったので、開発スピードとしては2ヶ月後ろにずれ込んだ形です。フルコミットのエンジニアが一人もいない状態での開発だったので、まずまず妥当なスピード感だったかもなのですが、開発スピードをどうやって上げていくのかという所は、チームの作り方含めて、もっと模索していかないといけないと感じた点でした。

とはいえ、実際に動くプロダクトができたわけです!

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これからと我々のビジョン

旅パレットは一旦休眠させるのですが、放棄するわけではありません。長期でみた場合に、日本の観光市場、そして、インバウンドは、いずれ戻ってきます。その時期をみて、再チャレンジできればと思っています。

そして、足元の新規事業は、スゴロクでいう「ふりだしに戻る」状態となったので、もう一度ゼロからビジネスアイデアの創出をやります(汗)。。

で、どうやるか!?なんですが、前回の反省を踏まえつつ、新たな学びを増やしたいので、今回は敢えて前回とは違うアプローチで挑戦してみようと考えています。

◆新規事業開発のアプローチ
・スコープを広げる→自分たちが知らない、気づいていない社会課題を見つける
・マーケットサイズや成長性よりも、特定少数の強いニーズ(N1)の発見にこだわってみる
・事業計画(収益モデル)にはこだわらずに、まずは、良いプロダクトを作ることにこだわる
・現有リソースにこだわらない。プロダクト開始前のジョイベン(合同会社設立)、資金調達、協業など、小さくまとまらない。仲間集めをもっと積極的にやろう。
・自分たちがコミットできるか、情熱を捧げられるか、プロダクトを愛せるかは、もちろん大切にする。

ここに「小さくまとまらない。仲間集めをもっと積極的にやろう。」とあるとおり、いろんな人を巻き込みながら、事業を創っていったほうが楽しいんだろうなと思っています。

では、何に向かって事業を創っていくかというと、ビジョンが大切になりますよね。

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我々は「世の中にポジティブな変化を生み出す会社」になりたいと考えています。そのためには、もっと仲間(特にエンジニア)が必要!ということで、当社の創業メンバーとして一緒に新規事業立ち上げていたいという気持ちをお持ちの方がいれば、是非こちらからお問い合わせくださいー。

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