ミッション、ビジョン、バリューはどうやって作るべきか?
ミッション、ビジョン、バリューは、誰がどうやって作るのか?
ミッション、ビジョン、バリューともに、非常にパーソナル(その企業特有)なものであるはずで、企業内部で作られるべきであることは疑いようがありません。
また、創業ベンチャーであるマネーフォワードと、世代を超えてグローバルで戦う三井物産とでは、作り方は違って当たり前のはずで、企業のステージや規模によって、正しいプロセスも変わってくるでしょう。
その前提で、私が考える、こういう作り方がいいのではないかという案をご紹介します。
まず、ミッションですが、これは経営者(社長)個人の理念、哲学(思想)、エゴ(欲求)から生まれてくるものでいいと思います。社長本人が、その企業の器を使って、人生を通して何を達成したいかという究極目標が、その企業のミッションになるのでいいと思います。そう考えると、社長自身が自分自身の内面と向き合い、自己理解を深めていかないと、普遍性のある尖ったミッションは生まれてこないかもしれません。
次にビジョンですが、企業の将来は、経営者一人ではなく、チームで実行・実現していくべきものです。であれば、ビジョンは経営者(社長)一人で決めるよりも、経営チームで議論しながら形作っていったほうが、より骨太になるはずと考えています。社長発のビジョンであって勿論いいのですが、そこに役員クラスも議論に入り、会社の将来がどうあるべきか語り合い、ハイコンテキストなレベルでビジョンを共有することができれば、その後の経営方針でもズレがでることは少なくなるでしょう。
最後にバリューですが、これは組織全体に浸透し、根付くものにならなければなりません。古参の社員から、新入社員まで従業員全員が、バリューに対して理解・共感している状態が理想です。この目指すべき状態を踏まえると、バリューの作り方のプロセスが重要で、トップダウンだけで行うよりも、若手や中堅社員を巻き込んでボトムアップのプロセスで進めた方が、出来上がったバリューに”自分たちのバリュー感”が出やすくなり、その分組織への浸透がスムーズに進みます。
ミッション、ビジョン、バリューは、変えていいものなのか?
これは、「YES(変えてもいい)」なのですが、どれも簡単に変えていいものではないので、原則としては慎重に時間をかけながら、ということになるでしょう。
まずミッションですが、ミッションは企業が存在し続けるべき根源的理由と言えるので、一度定めたら長期(10年以上)に渡って不変であるべきものだと考えています。それくらいの覚悟を持って、定める。ということが大事でしょう。
次にビジョンは、達成しうるものなので、変わりえます。とはいえ、安易に変えるべきではなく、中期(5年〜程度)に渡って維持すべきものと考えておきましょう。自社が成長(成功)し、ビジョンの達成が近づいてきたら、さらなるビジョンを打ち立てるべきタイミングです。
最後にバリューですが、バリューは組織の成長や保有する事業とともに、変化していってよいものです。例えば、事業が多角化していき、働く人の属性も多様化していけば、最適なバリューは変わってくるはずです。とはいえ、新しいバリューが根付くのに(年単位で)時間がかかるので、安易に変えるべきではないでしょう。
ミッション、ビジョン、バリューは、実際のところ、どういう風に作られるのか?
べき論(理想)と実務(実際)は違うのでは?と思われる方もいらっしゃると思いますので、noteでみかけたミッション、ビジョン、バリューの作り方の記事リンクも置いておきます!
ピースオブケイク、ミッション・ビジョン・バリューの誕生、そして改定のウラ側
スタートアップのビジョン、ミッションのつくりかた ─ 社員全員が自ら判断し同じゴールに向かって走れる理由
※この記事はJSPコラムの転載です。
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