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ミッション・ビジョン・バリューの大切さ

起業の本を読むと必ずと言って良いほど出てくるのが「ミッション・ビジョン・バリュー(以下、MVV)」の話だと思います。

MVVがある組織とない組織とでは、組織のまとまりが違う!成長速度が違う!という事を聞いて、起業前に一所懸命に考えようとします。

実際、当の私もそうだったので他人の事は言えません。

MVVを考えている時の自分は、なんだかスティーブ・ジョブズになったような気分にさせてくれますし、「俺ってカッコいいな」「俺がこれからの世界を変えていくんだ」って感じさせてくれるのです。

しかし、カッコよいMVVを決めて起業しても、殆どの人はこの3つを振り返る機会はほぼ無いかと思います。日々の業務に忙殺させられて忘れるか、そんな事気にしなくても事業を回す事が出来るからです。

私も長い間(2年くらい)MVVを強く意識する事はありませんでしたが、今回MVVを考え直そうという気になったのです。今回はそうなった背景と、どのようにMVVを決めるべきなのかについてを「自分への誓い」も込めて書き記したいと思います。

そもそもMVVってなんだっけ?

「ミッション・ビジョン・バリューだっけ?ビジョン・ミッション・バリューだっけ?」

「ミッションとビジョンの違いってなんだっけ?」

起業時は大事だと聞かされながらも、結局あまり意識せずに過ごしているのでうろ覚えになってしまうMVV。今回私もMVVの再策定にあたって、色んなWEBサイトを見漁ってみたので、それをまとめようと思います。

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一番わかりやすく説明してくれていたのが、こちらの企業が公開していたページでした。「ミッション」が根幹にあって、そこに「ビジョン」「バリュー」が違う切り口からくっ付くという関係にあります。

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尊敬する孫さん率いるソフトバンクグループでは、このようなMVVになっています。「情報革命で人々を幸せに」って孫さんは常に言い続けていますよね。

MVVが必要だなって思ったキッカケ

なんでMVVが必要だと思ったのか?

そのキッカケは「年末の忘年会」でした。

弊社では四半期に1度、全社員を集めての報告会を実施するようにしています。今回は12月に開催されるために、報告会のあとに「年末の忘年会」をやろうとなっています。

報告会は経営者がメンバーに対して、会社の向かっている方向性や経営者の想いを伝える大切な場です。

弊社の中心的な事業である『オコマリ』が本格的に稼働したのが、今年の7月。2019年12月はちょうど半年で節目に当たります。

この機会にMVVを再設定して、自分たちが向かうべき方向性をしっかりと決め、迷いなく最高速度で進めるようにしたいと思ったのです。

MVVを作るにあたっての注意点(自己流)

今回、MVVを再設定するにあたって、MVVの策定手順についてをググりまくりました。そうしたら期待通り、多くの本や記事やがヒットしました。

しかし、10個くらいの資料を読んで、どうしても納得がいかなかった点があったのです。

それは、経営者がMVVを作るのではなく、社員が作るのを推奨していたことでした。

私が尊敬して止まない識学では、「企業理念を正しく、正確に理解できるのは経営者のみである」としています。

実際企業理念は、「100mを6秒で走れ!」というように誰もが解釈が変わらないような形で示される事はなく、「情報革命で人々を幸せに(ソフトバンクの企業理念)」のような曖昧な形で示されます。

そうすると下記のような疑問が出てきてしまうのです。

「情報革命って何をもって情報革命というのか?」

「人々というのは、日本だけなのか?世界もなのか?」

「幸せの定義は何か?」

こうなってくると一人ひとりの解答が違うわけです。この企業理念を作った孫さんと取締役の中でも解釈が異なるはずです。

つまり、企業のDNAにもなり得るMVVを正確に理解できるのは、このMVVを作った当の本人だけ。だから、経営者がMVVを作り、それに沿って企業を運営するべきだという事なのです。

もし、社員がMVVを作ったとしても、経営者がそのMVVの意味・意義を正確に理解していないならば(正確には絶対に理解できないのですが)、そのMVVは経営者によって実行されないので形骸化するのです。

したがって、MVVを作るにあたっての注意点(自己流)は、経営者自らがMVVの策定にあたるという事になります。

経営者が決めるからこそ、迷いなく経営判断を出来るのです。

MVVをどう浸透させるのか?

MVVを頑張って作っても浸透しないと意味がありません。その浸透の為にはどうするべきなのでしょうか?

これも自己流なのですが、事あるごとに言い続けるしか無いと思っています。

GA Technologiesの樋口社長は、創業当初は営業マンしかいなかったにも関わらず「テクノロジーの会社だ!」と言い続けたと仰っていました。

最初のエンジニアが入社するまでに3年くらいかかったと言っていましたが、それまでは普通の営業の会社だったわけです。

それでも「テクノロジーの会社だ!」と言い続けた結果が、今を作っているという事でした。

したがって、自社でMVVを作ったら、それを経営者が常に言い続けて、聞き飽きたくらいにするしかないんだと思います。

僕らのMVV

弊社では、結果的に下記のMissionとPhilosophyを設定する事にしました。

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「あれ?VisionとValueが無いじゃん!」って思うかもしれないですが、それには深いわけがあります。

尊敬して止まないソフトバンクや、在籍していたファーストリテイリングでは、企業理念の他、ビジョンやステートメントなど様々なものが設定されています。

しかし、設定されていても覚えていないと意味がないし、意識できないなら無くても一緒だと感じたのです。

だったら、シンプルに3つだけ設定して、それを言い続けた方が意味があるなと考えたわけです。

今回、GoogleやFacebookといった外資系の超有名企業も調べてみたら、MissionはあってもVisionとValueが無い所も多く発見できました。

「ここまで語っておいてなんだよ!」と思うかもしれませんが、結局MVVは組織の方向性をしっかりと示し、メンバーが迷わないような状態を作る事を目的としているので、達成されれば何でも良いんだなと結論づけました

ちなみにGoogleでは、Missionを「Google の使命は、世界中の情報を整理し、世界中の人がアクセスできて使えるようにすることです。」としており、さらに10個のPhilosophyを設定しています。

Facebookは、「Give people the power to build community and bring the world closer together.」をMissionに設定して、Principlesとして5つを設けていました。

まとめ

今回は自分たちの経験をもとにして、MVVについてをお伝えしてきました。ポイントは「経営者が最終的には決める」「浸透には言い続ける」「覚えられてこそナンボ」という3点だと思います。

我々も形骸化したMissionとPhilosophyにならないよう、しっかりと運用していきたいと思います。

サポートに感謝の言葉しかありません(*´ω`*)