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土木技術者が読んでおきたい書籍 ~委員によるビブリオバトル~ vol.7


こんにちは、こんばんは。土木学会 教育小委員会の大根田です。

土木技術者として読んでおきたい本を紹介します。ビブリオバトル、第7回目はこの本です!

「土木のこころ」

この本について、仕事が出来るのはもちろんのこと、言葉のチョイスも美的センスも素晴らしい、濱委員のコメントです
※各巻のヘッダーも濱委員が作成しています!

目次を開くと、田辺朔朗、廣井勇、八田與一・・・といった、土木の大偉人やスーパースターの名前が並びます。まず最初の田辺朔朗から読んでみるか、とページを開くと・・・
「・・・イケメンかよ!!」
田辺朔朗、言わずと知れた琵琶湖疏水を建設した技術者です。やはりイケメンが造る構造物は美しいのだなぁ、と妙に納得してしまいましたが、もちろん顔パスで琵琶湖から水を引けたわけではなく、明治時代の技術的に未熟な日本で、使命感、向上心、リーダーシップでとにかくプロジェクトを最後までやり遂げるんだ、という情熱に感動しました。

と、前置きが長くなりましたが、先日幸いにも、こちらの書籍に紹介されているスーパースターのお一人、小野辰雄さんに実際にお目にかかり、お話しする機会をいただきました。
小野さんは「安全な足場づくり」によって労働災害を根絶することに人生を懸け、今も安全事業を遂行し続けていらっしゃいます。小野さんのキャリアについては本書が詳しいのでぜひお読みいただきたいのですが、現在まで一貫して取り組んでいらっしゃる事業の根底には、「命が軽々しく扱われることはおかしい」「誰の命も平等だ」という、働く人たちへの愛情が感じられました。働く人や立場の弱い人の命や生活を守るために声を上げ、知恵を働かせ、手を動かす、類まれなるリーダーシップを発揮していらっしゃいます。
小野さんとの対談で印象的だったやり取りを紹介します。

ーー小野さんにとっての「土木のこころ」とは何ですか?
ーー人を愛することです。何事も、人間中心に考えることです。

本当におっしゃるとおり。日々の仕事に追われていると、目の前の数字を追いかけることに一生懸命になってしまいますが、私の仕事の先にある建設現場では、何人の人が私の出す数字を根拠に動いているのか・・・数字が仕事をしているのではなく、実際の構造物は人の手から生み出されるということを改めて心に刻みました。
当日は、小野さんの大きな愛情に包まれて、和やかにお話をお聞きすることができました。小野会長、また、お忙しい中対応していただいた日綜産業の皆さま、誠にありがとうございました。「土木のこころ」では、イケメンの田辺朔朗、大きな愛情の小野辰雄さんをはじめ、20名の土木のこころが紹介されています。また明日もかっこいい仕事をしよう!と思わせてくれる良書です。

以下のリンクには著者と、書籍の紹介が掲載されています。


今の時代で推奨されている【働き方】とは、リンクされてこないかもしれませんが、【働く姿勢】は、今の時代にも変わらないように感じます。

人のために動く。と書いて、働く。

人のために、世の中のために動いてこそ、働くことになるんですね。
常に人のために動けているか少し自信がありませんが、本で紹介されていた先人たちや、これからを担う後輩たちに恥じないよう、【働く姿勢】を
みせて、伝えていきたいですね。

次回もお楽しみに。

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