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土木学会選奨土木遺産

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土木学会選奨土木遺産の認定制度は、土木遺産の顕彰を通じて、歴史的土木構造物の保存に資することを目的として平成12年度に創設されました。 このマガジンでは「土木遺産」に触れた記事(…
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#旅行記

令和6年度土木学会選奨土木遺産

土木学会事務局です。 土木学会では2000(平成12)年度から、顕彰を通じて歴史的土木構造物の保存に資することを目的として、選奨土木遺産を認定しています。 本日、2024年9月24日に令和6年度選奨土木遺産14件を公表し、24年間の累計で認定した土木遺産は531件となりました。 選奨土木遺産には、大規模なものから小規模なものまで、また誰もが知っているような有名なものから、日常生活の中に溶け込んでいて気がつきにくいものまで、さまざまなものがあります。そこにある土木施設にどの

春は進む~十日町の棚田などを巡る~

棚田日没までの時間は、十日町を楽しむ時間。 ある日は、星峠、儀明、蒲生、田野倉で棚田のある風景を楽しみました。 桜が咲き始めた頃。 陽が傾き、光の変化が強く感じられる時間帯です。 雪も消えてなくなり、遠くの山は黄砂に霞んでいました。 人 再び自然に入る写真を撮り、持ち帰ってみるたびにふふふと笑みがあふれ出る好きな作品です。 雪のあった頃には葉っぱがなかった蔦が、緑色に変わっていました。 背面に見える斜面も、いかにも妻有って感じです。 背の低い送電塔もいいアクセントにな

残雪の残る棚田に吸い寄せられて~24年4月_新潟県・十日町市~

はじめに雪解けの新潟・十日町を巡りました。 少雪の冬とはいえ、3月にも降ったそうで、まだ通行できない道路も多くて、棚田への道には若干ですが苦労を伴いました。 浅河原調整池まずはわたしの定番、浅河原調整池を訪れます。 こちらは #土木学会選奨土木遺産 です。 昨年の秋には池に水を抜いて浚渫を行っていたのですが、今回訪れたところ越後三山をバックに、水面に移る土木構造物を見ることが出来ました。 宮中取水ダム宮中取水ダムでは、いつもとは少し違う角度からダムを見てみました。 も

青春18きっぷ旅行記 水戸編

青春18きっぷを買ったのでその旅行記を書きます。 青春18きっぷは5回使えるので5回分書きます。 現在(2024/3/24)そろそろ青春18きっぷの期限が短くなってきたので、 急いで使っていますw そしてnoteも期限中に書きたいので急いで書いていますw なので文章がかなり雑ですが、許していただけると幸いです。 ただの中学生に12050円は高かったので観光地でお店に入っての食事はほぼしてないです。 ひたすらに歩いて、みたいところを巡る旅をしました。 それも学生旅行の醍醐

万内川砂防堰堤群を訪れました~新潟県妙高市・土木学会選奨土木遺産~

土木学会選奨土木遺産としては、万内川砂防堰堤群・日影沢床固工群として登録されていますが、今回は時間の都合で万内川砂防堰堤群を見るに留まりました。 新潟の歴史は、雪との闘いの歴史です。 この万内川で起きた災害も、死者を1名に留めたことは、集落の結束の強さの証かもしれません。 石碑に書かれていた言葉が、ココロに刺さりました。 県の事業で行われたわけですが、大正の時代。 人力での施工で、集落の方々が人夫として作業にあたったそうです。 石工が割った石やセメント袋を「石背負い」「

土木学会選奨土木遺産を訪れました~東海道線大井川橋りょう・静岡県島田市~

令和5年度に土木学会選奨土木遺産になった、東海道本線大井川橋りょうを訪れました。 完成したのは1915(大正4)年だそうです。 リベットによる剛結合の曲弦プラットトラス桁。 知らないひとには、もはや暗号のような。 わたしは上手く説明する自信はないので、他人のチカラを借りることにします。 剛結合とは、「部材同士を一体化する接合方法」です。 プラットトラスとは、斜材が「逆ハの字」に配置され、上弦材、下弦材、鉛直材で構成されるトラスです。 なんとなくわかっていただけたでし

長生橋を訪ねました~新潟県長岡市・土木学会選奨土木遺産~

長生橋一度見てみたいと思っていた長生橋。 新潟県長岡市にあり、信濃川に架けられた橋梁です。 土木学会選奨土木遺産に選奨されています。 【諸元】 橋長:850.8m 幅員:7.0m 形式:下路式ゲルバー鋼ワーレントラス橋 構造などについて、新潟県のホームページでわかりやすく書かれています。 また、「長生橋を愛する会」も組織されていて、多くの方から愛されているんですね。 ライトアップされていたり、長岡花火でもナイアガラがかかる橋だそうです。 短い時間でしたが、長生橋の全景

宇津ノ谷隧道群(明治・大正・昭和)【土木学会選奨土木遺産】を訪れました~静岡県静岡市・藤枝市~

静岡県静岡市と藤枝市の市境付近に、明治・大正・昭和の三世代の隧道があります。 先日この隧道群を訪れました。 明治の隧道は、明治9年に開通しました。 国の史跡、国の登録有形文化財に指定されるほか、土木学会選奨土木遺産でもあります。 徒歩、自転車での通行が可能です。 煉瓦積の隧道を歩いて通ってみてはどうでしょうか。 大正の隧道は、県道として供用されています。 こちらも徒歩、自転車での通行が可能ですが、歩道はありません。 自動車なども通行しますので、周囲に注意して通ってください

安部川橋を訪れました【土木学会選奨土木遺産】~静岡市~

静岡県葵区にある安部川橋。 その名のとおり、静岡市を流れる安部川に架かけられた橋梁です。 土木学会選奨土木遺産です。 今年、2023年の8月7日には、登録有形文化財に登録されたとのことです。 これからも永く大切にされますように。 諸元等は、土木学会のホームページを参考にしました。 わたしが訪れた日、天気は良かったものの、逆光が心配な時間。 こんな写真になりました。 綺麗に撮るのは、なかなか難しいですね。 土木遺産は、もっとじっくりと楽しまなくてはいけないかな。 細かく

中山隧道を訪れました~土木学会選奨土木遺産~

手掘りしたトンネル。 信じられますか。 それも集落のひとたちによって。 新潟県の山古志にある中山隧道を訪れました。 詳細は新潟県のリンク先が詳しいです。 #土木学会選奨土木遺産 選奨されています。 長岡市の山古志は2度目です。 前回は震災遺構をメインに見ましたが、今回のメインは、前回断念した #土木学会選奨土木遺産 の中山隧道がメインです。 隧道は手掘りによる掘削で行われ、16年もの歳月を要したといいます。 それほどまでして、このトンネルが必要だったのは、トンネル近くに

駿府御囲堤(薩摩土手)【土木学会選奨土木遺産】を訪れました~静岡市~

静岡市内、静岡駅からそれほど遠くない位置に土手があります。 薩摩土手。 名前に出てくる薩摩。 薩摩藩がかかわったかどうかは、わかっていないそうです。 駿府城を守るために、大がかりな規模の土手(堤)を築いたんですね。 現存する部分は、今でも国土交通省が管理していて、もしものための堤としての役割があるそうです。 中部地方の選奨土木遺産【駿府御囲堤(薩摩土手)】 限られた時間で、横切ることしかできなかった今回の訪問ですが、いずれ堤を歩いてみたいなと思いました。 それにして

大源太川第1号砂防堰堤【土木学会選奨土木遺産】を訪れました~新潟県湯沢町~

新潟県南魚沼郡湯沢町の大源太川にある、大源太川第1号砂防堰堤を訪れました。 竣工:1939年(昭和14年) 高さ:18m 長さ:33m 形式:アーチ式堰堤 平成23年度の選奨土木遺産であり、登録有形文化財(平成15年)でもあります。 近年、長らく補強工事が行われていたようですね。 昭和10年に発生した魚野大水害ののちに建設された堰堤のひとつで、割石を積み上げ、内部に中詰め石として転石を入れ、隙間にコンクリートを詰める構造採用されているそうです。 堰堤の表面部分は、矢羽

大井川橋を訪れる~選奨土木遺産~

静岡県道381号島田岡部線の大井川橋。 旧国道1号線で、全長1,026.4m(トラスは17連)の橋梁です。 2013年(平成15年)に土木学会の選奨土木遺産に選出されました。 元々は川越制度により、人足による徒歩、輦台(れんだい、蓮台)、馬越などで渡っていた大井川ですが、1870年(明治4年)に廃止されたそう。 その後、渡船が運航されたそうですが、1883年(明治16年)に木製の橋が完成したものの、1895年(明治29年)には増水により流失してしまいます。 その後、現在のト