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すでにコミュニティが存在している場合の悩みと解決法

長田(@SsfRn)さん宮本さん(@mmasanao)と進めているコミュニティマネージャーのための無料マガジン「コミュニティマネージャーズ」。

▼バックナンバー
第1回:マガジン「コミュニティマネージャーズ」を始めます(坂口)
第2回:コミュニティとは何なのか?コミュニティの定義について(坂口)
第3回:「コミュニティ」の分類とは?情報とつながりの2軸で考える(長田)
第4回:企業は"コミュニティ"という”熱狂ファンチーム”を持とう(宮本)
第5回:「飲めばわかる!」予算0円からのコミュニティの始め方(宮本)


第6回は「すでにコミュニティが存在している場合の悩み」についてです。


コミュニティマネージャーって、自分で0からコミュニティを設計することができるとも限らず、すでに存在するコミュニティを引き継いで運営することが多々あります。

すると「なんでこんなコミュニティ設計になってるんだよ!」みたいな不条理を感じがちです。

しかしそうなってしまったものはしょうがないので、対策をしていくしかありません。

今日はそんな「すでにコミュニティが存在している場合の悩み」を3つパターン化し、それぞれごとの解決方法について述べていきます。


▼目次
・ケース1:既存のコミュニティが全然盛り上がっていない
・ケース2:メンバーが固定化している
・ケース3:本来いて欲しくない人がいる
・まとめ


ケース1:既存のコミュニティが全然盛り上がっていない

悩み

会社の商品のファンコミュニティを作ろう!と社長が言い始め、とりあえずコミュニティをつくっていた。

しかしコミュニティマネージャーが退職し、今まで関わっていなかった私がコミュニティマネージャーを引き継いでフタを開けてみたら、そのコミュニティのFacebookグループが全然盛り上がっていない…。

会社に限らず、コミュニティを引き継いだ時あるあるです。

主な原因

コミュニティが盛り上がらない理由はいろいろありますが、主に下記の原因が考えられます。

▼オンラインで完結している

FacebookグループやSlackなどのオンラインコミュニティだけをつくって満足してしまい、オフラインでのイベントや交流などがほとんど行われていない場合に盛り上がらないことが多いです。

やはりオンラインは発信をしないと情報のやり取りができませんが、オフラインはある意味存在するだけで発信ができます(着ている洋服、表情等)。

そういったオフラインの情報がないと人はなかなか安心ができず、ゆえにオンラインでの発信を躊躇してしまいます。

▼人数が多すぎる

所属している人数が多すぎて、誰がいるか把握できず、発信をしない…。

そして人数が多すぎるのでオフラインのイベントも開催しづらく、なかなか盛り上がらない…。

イメージですが20名を超えるグループを作ると、コミュニティ内で発信するための精神的ハードルが結構上がるなぁという印象です。

▼手広く人を集めてしまった

コミュニティを招待制にすると、すでに仲間(招待者)がいる状態でコミュニティをスタートできるので、参加者のハードルがいくぶんか下がるのですが、例えば応募制だったりサービス側が直接誘って入って頂いた場合は、他の参加者のことを全く知らない状態なのでハードルが上がります。

そうするとなかなか発信が起きずに盛り上がらない…というのもあるあるです。

FacebookグループやSlackで自己紹介スレッドが用意されるのは当たり前になってきましたが、そこで自己紹介してもそれ以外の発信のハードルが高くて、自己紹介して終了……なんてコミュニティの話もよく聞きます。

解決方法

これらの解決方法は「濃い"フォロワー"をコミュニティ内に作る」ことです。

グループ初期に活発に活動していた方や、サービスへのファン度が高い人を特定し、3名程度でも良いのでチャットグループを作るなどして、とにかく「濃い」グループを作る。

そこから徐々に輪を広げていくようなアプローチが良いと考えます。

下に掲載しているのはリーダーシップについての動画です。

動画を見れない人向けに概要をお伝えすると、裸で踊っている1人の男性に、少人数の「フォロワー(一緒に踊る人)」がつくと、途端にムーブメントが起きて大人数で踊り始める様子が流れています。

人は1人しかやっていないことに対して不安を感じるものですが、そこにフォロワーがつくと、とたんに前向きに参加したくなる性質を持っています。

なので盛り上がっていないコミュニティを盛り上げる「フォロワー」が複数名つくと、途端に参加したくなる人が増える可能性が高まります。

そのフォロワーをつくることを意識してアクションをしていきましょう。


ケース2:メンバーが固定化している

悩み

コミュニティを見てみると、いつも同じ人しか発言をしていない。

その人達がいつも内輪ネタを言っていて、まったく輪に入れない…。

そのため発言する人が固定化し、新陳代謝が発生せずにコミュニティの盛り上がりが下がりつつある…。

これもあるあるな現象です。

主な原因

▼コミュニティの参加の仕方がよくわからない

コミュニティごとに理想的な参加の仕方があることって多いのですが、それが提示されていなかったり、ごく一部の人しか知らないために、新規の方がまったく入る余地がないというのもよく見られます。

▼コミュニティが細分化されていない

コミュニティの中に複数のコミュニティが存在するとうまくまわることって多いのですが、全体で1つのコミュニティになっていると参加の余地がなくて

▼気軽に発言できる場所がない

コミュニティ内で発言できる場所が限定的で、気軽に発言できる場所がないときも発言者が固定化しがちです。

解決方法

これらの解決方法は「小さなコミュニティを意図的につくる」ことです。

といっても無理やり人を集めてみてもうまくまわりません。

コミュニティマネージャーは参加者の深い理解が前提にあるので、それをやった上で「この2,3人はコミュニティにするとうまくまわるのでは?」という人をつなげてみましょう。

そしてつなげた結果発生した小さいコミュニティを盛り上げていく。

これを地道にやっていくことで、コミュニティの中で小さなコミュニティが発生していきやすくなります。

また「コミュニティ内でコミュニティ作るの面白そう!」とあこがれの対象にしていくことで、さきほどの動画同様にフォロワーをつくっていき、居場所となるコミュニティをつくる動きを加速させていきやすくなるでしょう。

特に新しく入って来た人たちでコミュニティにしていくのは非常に有効です。

メンバーが固定化した時に離脱しやすいのは、古参の独自のノリについていけなかったり参加の仕方がよくわからない新メンバーだったりするので、新しく入ったメンバーを時期に分けて「同期」として扱うなどして、今までの人たちとは別のくくりを作ると良いです。

ケース3:本来いて欲しくない人がいる

悩み

本来コミュニティにはあってほしくない発言をする人がいたり、ふさわしくない行動をしてしまう人がいる。

これもよく耳にする悩みの1つです。

主な原因

▼コミュニティの目的が途中で変わってしまった

コミュニティも最初からきれいに運営できることは少なく、途中で目的が変わるなんてこともよくあります。

そうすると初期に集めた人たちが目的が変わったことで適さなくなってしまい、上記の悩みが発生します。

▼どんな人がいるべきコミュニティなのか明示されていない

コミュニティ内ではどういう振る舞いをすべきなのか?

それを提示せずにいるために、参加者が自由に行動してしまい、不適切な行動をとってしまう場合もあります。

解決方法

これらの解決方法は「コミュニティガイドラインを作り、浸透させる」ことです。

コミュニティでどう振る舞うか明示されていると、不適切な行動をしている人に対して、そのガイドラインをベースに勧告を促すことができるようになります。

またコミュニティ内の他の人が不適切な行動をしている人に注意を促すといった行動が発生することもあり、より不適切な行動を取りづらくなります。

ガイドラインを一方的に作ると「勝手にルールを決めるな!」と大きな反発が起こることもあるので、なるべくガイドラインはコミュニティメンバーと一緒につくっていきましょう。

その時に「本来いて欲しくない人」とコミュニケーションをとり、自分たちの思いをしっかりと共有することが大切です。

そうすることで誠実さを示すことにもなりますし、発言力が強い人にガイドラインが寄っていく心配もなくなります。


まとめ

コミュニティがすでに存在する場合の悩みの解決方法をまとめると…

濃い"フォロワー"をコミュニティ内に作る
小さなコミュニティを意図的につくる
コミュニティガイドラインを作り、浸透させる

となります。

「前任者がつくったコミュニティがマジでイケてなくて辛い…」みたいな人は、ぜひこれらを意識してアクションしてみてください!

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文責:坂口淳一
監修:宮本昌尚長田涼


だいたいスターバックスで、あえてホットティーを飲みながらnoteを書いているので、ホットティー1杯くらいのサポートを頂けたら、こんなにうれしいことはありません。