コミュニティマーケティングで大切なことはコミュニティじゃない
先日、toCでビジネスをしている企業内でコミュニティマーケティングを担当されている方の勉強会「CMC Meetup B2C」を開催いたしました。
元々、AWS(アマゾンのクラウドサーバーサービス)でコミュニティマーケティングを実践されていた小島さんが立ち上げた「CMC_Meetup」(コミュニティマーケターのためのコミュニティ)の分科会として実施いたしました。
というのも、小島さんがtoB向けのコミュニティマーケティングをされていたため、CMC_MeetupもtoBに偏った内容がイベントで語られがちだったんですね。
なので「toC向けのビジネスをやっている人同士でも情報交換がしたい!」と思い、今回の勉強会をやる流れになりました。
私は言い出しっぺだったのですが、結局ミヤモトマサナオさんにほとんど企画から運営までやっていただきました。本当にありがとうございました!
コミュニティと現場で向き合う方々のお話はどれも「コミュニティ愛」に溢れていたし、エピソードを各々語ると「わかるわ〜」の連続で、共感度や熱量がすごかったですw
参加者にお話頂いたコミュニティ活用の具体例や、小島さんのアドバイス及び議論を通して今回気づいたのは、タイトルの通り「コミュニティマーケティングで大切なことはコミュニティではない」ということでした。
B2BとB2Cにおける違い
そもそもコミュニティマーケティングにおいて、B2BとB2Cではどのような違いがあるのでしょうか?
今回の勉強会では「コミュニティの規模」が特に違いとして大きいのでは?という仮説に行き着きました。
B2Bですと顧客数が少ないため、まずはコミュニティを作り、そこを起点にマーケティングをしていくことができます。
しかし、B2Cですと顧客を一気に獲得し、巨大な顧客コミュニティがまず最初にできていたり、あまり設計をせずに急いで「コミュニティ」を作ったりルールを制定するパターンが多かったんですね。
なので同質性を担保しづらくなり、同じ「コミュニティ」と呼んでいるけれども、その規模の違いが結果的にコミュニティの性質の違いに繋がっているのではないか、というわけです。
どのように「コミュニティ」を作るべきか?
ではどのようにコミュニティを作ると、コミュニティマーケティングとして成功するのでしょうか。
今回の勉強会では「ファンのコミュニティを作る」という話が焦点になりました。
規模が大きいコミュニティだと、顧客がコミュニティに存在する理由がバラバラです。
そうすると、コミュニティに参加する顧客の利害が一致せずに、運営会社としては望まない方向にコミュニティが進んでしまったり、コミュニティが壊れてしまう恐れもあります。
その結果、コミュニティマーケティングの目的である「マーケティング」ではなく、コミュニティの「マネジメント(維持)」にリソースが過剰に割かれてしまい、マーケティングまで至らなくなってしまう。
なので、同じ方向を向いた「ファン」のコミュニティを作ることで、マネジメント以上にマーケティングを意識した施策に集中ができ、マーケティングが成功しやすくなるのでは、ということです。
「ファン」にも2種類ある
また「ファン」にも2種類いるのでは、という話でも盛り上がりました。
それは
・プロダクト、及びプロダクトを生み出した企業・組織のファン
・プロダクトの副産物(コミュニケーションや場)のファン
の2つです。
これは小島さんが数々の企業の事例を見て感じたそうなのですが、プロダクトの副産物である「場」のファンが、「場」において影響力を持つと、「場」を消費する存在になってしまい、お山の大将化する。
しかし、マーケティングにおいては消費する存在ではなく、外に発信し拡散していく存在が重要になります。
なので、先程あげた2種類のファンのうち、前者のプロダクト、及びプロダクトを生み出した企業・組織のファンと向き合うべきなのかなと。
そうするとファンが「お客様」ではなく対等なポジションになり、自発的な協力者になって下さる可能性も高くなる。
そういったファンの分類がコミュニティマーケティングでは重要なのではないか……そんな議論も盛り上がりました。
コミュニティ以上に「ファン」が大切
冒頭の話に戻りますと、今回の勉強会では
コミュニティマーケティングにおいて大切なことは「ファン」である
という結論に至りました。
特にtoCだと「コミュニティ」という言葉に隠れて、「ファン」が見えなくなってしまいやすいので、このことを強く意識する必要があります。
今、toC向けビジネスをされている企業のコミュニティマーケティングで悩まれている方は、この視点で「今、どんな人がいるコミュニティと向き合っているのか?」を考えてみると、突破口があるかもしれません。
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★CMC_Meetupの小島さんの「コミュニティマーケティング論」を知るなら、こちらのマンガがおすすめです!
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