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漂流教室 No.53 「『源氏物語』から『誕生』」

ゴールデンウイークです。
お勤めしていないので、平日か休日かにはあまり頓着しないのですが、
それでも家族が休みかどうかで生活は変わります。
4月からはミイちゃんもお勤めするようになったのでなおさら。

で、私はゴールデンウイーク中は何をしているかというと、
いつもの日曜と同じく、お馬さんを見たり
(天皇賞・春、単勝をとったぜ!)、
ヒロミさんのおともでコンサート(またまた小田和正さん)に行ったりします。

その合間に、塾で来週以降の授業の準備です。
もうすぐ中間テストなんで、その対策もしとかなきゃ。
定期テスト対策なんかしても本当の学力は身につかんだろう、
というお考えもあるでしょうが、
いやいや、定期テストのように範囲のある分野の勉強を積み重ねてこそ、
大きな意味での学力が身に付きます。
と、私は信じています。

さて、源氏物語。

前の世にも御契りや深かりけむ、世になく清らなる玉の男御子さへ生まれ給ひぬ。
いつしかと心もとながらせ給ひて、急ぎ参らせて御覧ずるに、めづらかなるちごの御かたちなり。

前世においてもご因縁が深かったのであろうか、世に類がないくらいの清らかで美しい玉のような男皇子までもお生まれになった。
帝は早く早くと、待ち遠しくお思いになって、急いで参内させてご覧になると、めったにないほど美しいお顔立ちである。
(訳…私)

前世の因縁というのは、現代人は悪い因果を想像しがちです。
でも平安時代人にとっては、なんでもかんでも前世の因縁。
恋愛も結婚もお友達も敵も、前世の因縁。

前世での因縁があまりにも深かったので(前世でも夫婦だったのかな?)、
桐壺帝と桐壺更衣はやたら仲良しになっただけでなく、男の子さえ授かったのです。

この子が生まれた時から美しい。
「世になく清らなる玉の男御子」です。
「清らなり」は「清らか」ともとれますし、「華美なほどの美しさ」ともとれる。
どちらでしょうね?
私は訳には「清らか」を使いましたが、「華美」でもおもしろいかもしれません。

「めづらかなるちごの御かたち」とも表現されています。
「めずらしいほど」うつくしいのでしょうね、やっぱり。
「めずらしい顔」とは訳してはいけない。

さて、「玉のような」はボールではありません。
ボールみたいにコロコロしたあかちゃんもかわいいと言えばかわいいでしょうが、
この「玉」は宝石です。

「璧」ですね。
「完璧」の「璧」。
「完璧」とは欠けることなき完全な円形の宝石のことです。
「宝玉」っていうでしょ?

「カンペキ」とは、欠けることなきかんぜんなる壁(カベ)ではありません。

つまりは、宝玉のように美しいお顔立ちのあかちゃんだったんです。

で、この子が「光源氏」。
やっと生まれました。

お誕生おめでとう。

さて、お誕生後の帝と更衣はどうなる?
ということを次回以降やります。

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定期テストで高得点、目指せますよ。
なんたって、ついこの間までテスト作ってたんですから。
採点者の心理も熟知しています。
小松市および周辺にお住いの中高生の皆さん、
「ひふみ塾」で、お待ちしています。

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