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【7年目のブランドマーケターがまとめた】ブランディングの教科書

2020年8月20日「7、ブランディングする時に「ストーリー」が大事って聞いたけどどういうこと?」を追加

今回は6年前マーケティングの仕事に携わった
けれど何も分からなかったあの時に自分がお金出しても知りたかった
ブランディング理論や方法を20分位で読めるボリュームで教科書のようにまとめたものです。
これは自分の所属している企業のブランディング論を晒すようなものでなく、これまで本業・副業でやってきたブランディングの成功・失敗の体験から学んだノウハウです。

なので、このnoteは
・ブランディングを学びたい人
・モノやサービスを売る企業から飲食店など経営している個人事業主
・そしてこれから自分ブランディングしたい人
に読んでもらえたら嬉しいです!


簡単に自己紹介させてください!

私ですが、現在に至るまで約6年、お店に売っている商品のブランディングをやってきました。
ブランドマーケティングが好き。仕事に恋する人間です。

ブランドマーケティングが好きすぎて、
本業とは別で企業や飲食店などのブランディング・マーケティングのサポートもやっています。(安心してください、会社公認です!)

ちなみにブランディングのセミナーをしたら約50人に受講頂きました!
#ありがとうございます


では、始めていきます。

1、「ブランド」とは何か説明できますか?

友人やブランディングで困っている人と話しているとこんな質問が来ます。

・SNSでブランディングをしたい
・ブランド力を高めたいけれど何からすればいいかわからない
・ブランディングって広告を出さなきゃいけないからお金がかかる

話を聞いていると、
ブランド力=「認知の高さ、イメージの良さ」みたいな感で捉えているなと感じることがよくあります。(決して間違っているわけではないです!)

6年前の僕もそうでした。
ブランド力ってLOUIS VUITTONのようなイメージの高さみたいな感じと答えていたでしょう。

ただ、ブランディングの仕事をするにあたってはそんな言葉にきちんとできない”こんな感じ”的な物ではダメでした。。。

じゃあ、ブランドとは何なのか?

ブランドとは、「製品・サービスに結び付いた感情を伴う価値」マーケティングというプロセスによって製品・サービスに結び付けられる価値。


なんとなくしっくり来ませんか?もっと分かりやすく具体例を用いて説明します。

LOUIS VUITTONの財布だと、革の財布にデザインや品質、そのブランドのストーリーから得られる「高級・エレガント・洗練されている」という感情を伴う価値が結びついている。

つまり、「LOUIS VUITTON」という文字に感情が結びついているんです。



コカ・コーラだと、ジュースというものに「ワクワク」「楽しい」感情が紐づいています。



これらがブランドです。

実はモノじゃなく、人も同じです。
芸能人の石田ゆりこさんと言えば「動物愛に溢れるステキな女性」
これも人という個体に紐づいた感情です。

2、「ブランディング」できてないとやばいってなぜ?

ブランドとは、「製品・サービスに結び付いた感情や価値」
と先程お伝えしました。

ブランディングは、
「製品・サービスに結び付いた感情や価値」ing(行っていく)、
つまり価値形成なんです。

価値があるものと、ないものとでは変わってきますよね?
価値があるものと、ないものでどう変わるのかマーケティングの4Pに沿ってまとめてみました。

全然違いますよね。
ブランディング(価値形成)ってモノやサービスを販売していくうえでとても大事なんです。

価値あるもの / ないもので、売上がどう変わっていくのか算数で表してみます。


売上 = 購入人数 x 販売価格  ×購入量
※購入人数 =  新規顧客 + リピート顧客

つまり、
売上 = (新規顧客 + リピート顧客) x 販売価格  ×購入量 

つまりブランディングは、売上の構成要素全てが直結するとても大事な要素なんです。
そして、ブランドは資産です。一回築くと一夜にして無くなることのないもの。資産は持っているだけでお金になります。
#個人的には不労所得のようなイメージ


3、ブランド力の強さってどう測ればいいの?

ブランド力の強さって判断できないと思いがちですよね。
Aという商品があった場合、ある人はブランド力があると言い、もう片方はブランド力は無いという。

要は人によって判断軸が異なり、その中でブランディングをしたいと言っても何をすべきか分からない。。。

ブランディングをしたいとなった時、あるべきブランド力(目標)と現状があって、その乖離を埋めるのがブランディング。

目標と現状を把握するにはどうすれば良いか?

ブランド力の高さを判断する指標は以下6つ

・認知
・好意
・推奨
・高価格購入意向
・イメージ第一想起の統一度
・今後使用意向

具体例。iPhone信者にとってのiPhoneはこうなります。



iPhoneってすごくないですか???

今iPhoneはコモディティ化してしまって下火になってると言えども、
スマホの中ではブランド力(資産)を持っている状態です。

皆さんも自分がブランド力が高いなと思う商品やサービスを上記6つの指標に当てはめるとブランド力が高い理由がクリアになります。

ちなみに、、、、、
あなたがブランド力が高いなと思ったもの5つ挙げてみたときに日本のものって入ってますか?

僕は全然入っていなくって、、、
自身が感じる危機感として日本のメーカーってここがとても弱いと思います。
「安くて良いものを売る」
つまり、感情や価値に重きを置かず、
機能に重きを置き続けた結果、技術も真似しやすくなり機能で差はつかず、結果価格競争の渦中に入ってしまうという繰り返しになっています。

一方で上手なのは欧州・米州の企業。
実際私が思い浮かぶものも、海外のものです。

近年、アウトドアブランドのsnowpeak、家電のバルミューダなど
日本でもブランド力が高いメーカーが出てきました。



負けてられないですね!!!

4、「ブランディング」ってどういうステップでできるの?

結論、「認知→使用→好意」のステップです。

<認知>
まずはそのブランドを知るところからすべて始まります。
今、私たちが使っている商品も買うときには「知っている」状態だったかと思います。

<使用(信用)>
結構な人が見落としがちな部分です。
商品やサービスを使用して、その機能価値に信用している状態ということです。

例えば、LOUIS VUITTONでも
CMや高級ショッピングモールでいくらお店を見たり、そのブランドの世界観を感じても知識だけ持っている状態で、本当にその知識が正しいのかどうか分からない状態になります。
そのLOUIS VUITTONの商品を使って初めて、そのブランドに信用を持てます。

対人も同じことが言えます。
喋ったこともない人を最初から信用はできません。
第三者から噂話でその人のことを聞いても実際に話したこともないので「へぇーそうなんだ」で終わりますよね。
ただ、その人といざ話して共感を持てたとき初めて信用できる様になります。

そして、もう一つ注意。

ただ、商品やサービスを使うだけでは信用はできません。
その商品やサービスが提供している"機能を中心とした価値"を味わえってもらうことが重要です

どういうことか?

たとえば、先述したLOUIS VUITTONの財布がすぐチャックが壊れたり、革が傷んだりしたらどうでしょう?

「え?何これ?思っていたのと違うじゃん」

ってなりますよね。思っていたのというのは、そのブランドや商品が謳っている価値のことです。その価値は、その商品自体の機能やその機能が故に○○ができるという機能価値です。価値の強さは価格から来ます。(高価格のものほど品質が高い、つまり高機能と思う傾向があります)

つまり、その商品の機能や機能価値が使う人にとって満足するレベルのものでないと信用が生まれないということです。

<好意(感情>
最後にその商品を使う中での体験によって感情が芽生えます。

使ってみて芽生える「このブランド好きだな。〇〇という気持ちになるな」

この感情がブランドであり、感情が芽生えるまでの過程をデザインすることこそブランディングです。

5、SNSで「ブランディング」をやりたい!注意することを教えて!


SNSブランディングってよく聞きますよね。誰でもできる気がしますよね。

変に期待を持たすとよくないのではっきり言います。
誰でも簡単にできるわけではないです。そして、膨大な時間がかかります。

世の中がSNSブランディングに目を向けたのはこの2,3年前のとあるブランドの成功事例。SNSから注目を浴びて有名になったブランドがあるからです。

元祖SNSブランディングで成功事例のBOTANIST

BOTANISTは、I-neという会社の商品です。

2015年から人気が出てきて、入荷待ちとなったBOTANIST。
最初からドラッグストアなどの店頭で置かれていたわけではありません。

Instagramを中心に評判を生み、芸能人もSNSで投稿したことによって一気に人気が爆発。
ECでランキング1位になるとそこからバラエティショップ、そしてドラッグストアに進出した商品。
当時は一部でヘアケア会の黒船とも言われました。

大企業じゃなくともSNSを活用してブランディングすれば売れる時代になったと証明した最初の商品です。

じゃあなんで成功したか?成功事例を紐解いていきます。

今や一億層発信時代と言われるほど誰もが発信者となっていますが、
2014、2015年当時は「閲覧者数>発信者」の時代

BOTANISTは、当時あまり普及していなかったInsta映え写真を投稿していました。
その写真は、商品の写真のみならず、BOTANISTの世界観を表す写真です。
つまり、文字ではなく絵で商品のこと世界観のことを伝えてました。
見る人にとっては、イメージ形成になります。

そして、何といっても「 モノにあふれ、 目まぐるしく変化する現代に 植物と共に生きること。 それは、本当に必要なものと シンプルに生きること。 植物を育てるように、心と身体をいたわり、 毎日をほんの少していねいに過ごすこと。」というライフスタイルの提案をInstagramの画像で伝えてました。

ただこれは、当時の発信者が少なかった環境と写真のクオリティを気にしていなかった環境だからこそ成功したもので、今同じように映える写真を投稿しても「ふぅ~ん」で終わります。
なぜなら、みんな同じクオリティの写真なので。

ここから少しタメになる話。
今の時代、目立ちたいならちょっと下手くそな初心者感のある写真、なんだとこれ?となる違和感のある写真のほうが目に留まるんです。
youtubeの動画も企業が作ったお金がかかってそうな動画よりもyoutuberの手作り動画の方が頭に残りませんか?

ヒトの脳は刺激になれていくので、綺麗な動画・画像がありふれたこの時代い綺麗なものには脳が刺激されないのです。

6、SNSで「ブランディング」をやる方法・秘訣を教えて!

結論先に言っちゃいます。
①量をこなす②1to1コミュニケーション①量をこなす(露出面積を増やす)
Instagramで言えば、ストーリーズやフィードで量をこなすということです。

え、嘘でしょ?と思うじゃないですか。
ここから信じれなくなる人が多いですが、もう少しお付き合いください!

エンゲージメントが高い、つまり質の高い投稿のコツを皆求めていますが
確かにコツはあります。
(機能商品の場合、Before,Afterが一目でわかるもの。飲食やサービスなら、商品とスタッフの写真。お客様の声効果あり etc...)

ただ、今の時代何が反応が高くなるか分からなくなってきてます。

あと、覚えてもらいたいのは過去の流行った成功法は、今は通用しません。SNSのトレンドや成功法はすぐ変わっていきます。

なので質の高い投稿を求めるよりも、まずは投稿してください。
その中で、反応を分析しながら投稿をリメイクしていきます。

今インスタグラムもTwitterもYoutubeもすべて無料の分析機能がついてます。ここをさぼる人は成功しません。量をこなして露出を高めつつ、トライ&エラーで分析を行い質を高めていくこと。ここが大事なんです。


②1to1コミュニケーション
多くの人が間違いますので覚えてもらいたいことがあります。SNSは発信を多くの人に見てもらう場では無くなったということ。

「これまでつながりのなかった人とつながれる場所」に変化してきました。

最近よく見るのが、フォロワーをむやみやたら増やし、
数が増えていくこと=リーチの数、つまり拡散面積ととらえる人が多くなってきています。

でも振り返ってください、自分の知っている有名人以外で
フォロワー数多いからって影響受けることって少なくないですか?

一方で、フォロワー1桁でも仲の良いの友人の声って耳を傾けますよね。

つまり、何が大事かというと
SNSで新しいつながりをつくり、そこから絆を深めていくこと。

例を使ってみましょう。
Instagramをやっているとします。
Aというブランドアカウントは、自分の投稿にコメントしてくれる。
Bというブランドアカウントは、何もしない。

どっちが距離が近いですか?好きになりますか?

Aだと思います。

つまり、つながった一人一人を人として見なし、きちんと向き合うこと。
これによって、認知もされれば好意形成もされます。

こう考えると、SNSでターゲットに対してできることってたくさんあります。

SNSブランディング時の立ち振る舞いで気を付けること7つをまとめておきます。

1,キャラクターをはっきりさせる
2.難解な言葉を使わない
3.自分のことばかり話さない
4.心にささやきかける
5.一貫性を持つ(発信しないものを決める)
6.退屈にさせない
7.真面目になりすぎない

7、ブランディングする時に「ストーリー」が大事って聞いたけどどういうこと?

ストーリーマーケティングのことで、ブランド力を高める手段です。商品を消費者に使ってもらう時に置き換えた時に、ストーリーは「商品」、先ほどのSNSというのは届けるまでの「流通」みたいなものです。

なので、SNSなどのオンラインで発信したとしていても、届ける元の内容が良くなければいけません。その届ける内容で効果のあるものがその商品・サービスにまつわる「ストーリー」です。ここも説明するとかなりのボリュームになるので、まとめてみました。

8、最後に:ブランディングに答えってあるの?

ブランディングに答えなんてない。

ここまで見てきた人ならうすうす感じていると思いますがブランドは個性。
人がみな同じ人間じゃないように、ブランドもまた1つ1つが別物。

だから、自分の持つブランドをわが子のように感じ、個性を見出してあげる。
そして、皆に信用してもらい、価値を感じてもらう。特別な感情を持ってもらう。

ブランドマーケターは、理論で動くのではなく、それぞれのブランドのあるべき姿と現状を加味して、戦略を立てる。実践する。動いて、失敗して、修正してまた動く。頭と体を動かさないといけない。

幸いにも今や誰もが発信できる時代。
中小企業でも小さな団体でも、はたまた個人でも発信できる時代。

そんな今だからこそ、今までやっていなかったブランディングと向き合いやってみる。やれば、自分の首を絞める価格競争に巻き込まれないどころか資産形成ができる。

僕はいちブランドマーケターとして日本が誇れるモノづくりで世界に誇れるブランドを創りたい。願わくば、ブランドマーケティングで日本のGDPを上げたい!そんな一心で毎日走り続けてます。

ブランディング・マーケティングに興味ある方、ぜひ繋がりましょう!語らいましょう!

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