見出し画像

トレードオフ

片付けられるようになってきた、と書いたら、「裏切り者〜」と言われました。

言っておきますが、裏切り者の名に相応しいほどは片付いておりません。

万一インスタみたいな部屋になったら、写真を載せて、正々堂々と「全片付けられない界の裏切り物」を名乗ろうと思います。「インスタみたいな」という漠然とした言葉が「完璧に片付いた部屋」の具体的なイメージが湧かないタイプの人間の性を表現しています。

人間の性、今なんて読みました?「サガ」って読んでいただけました?こういう「文脈からはこっちの読み方が有力だけど、別の読み方の方がメジャーすぎて、漢字で書いた時ちゃんと読んでもらえるか不安になる言葉」ありませんか。私の中でそういう言葉ランキング第1位は「件」です。ハイ読んで!


「くだり」


正解です。

「○○のくだり」って私結構使うんですけど、「件」って書いたら「けん」って読まれちゃいそうで不安になります。「○○のけん」、自然だし。

どうですか、この話の逸れ方。家もそんな風にごちゃついてます。でもほら、こうやって取り繕うように本筋に戻ってきました。片付けレベルもその程度。(細かくなさすぎて伝わらない例え選手権)

私を裏切り者呼ばわりしたその方は、とんでもなく、それはもうとんでもなく頭が良いので、片付けられないのは当たり前です。これで片付ける機能まで備わっていては、自然の摂理に反するというもの。とても優れた頭脳が何か別の能力とトレードオフの関係にある、という方が自然です。

何かができないけど、ある面が群を抜いて優れてる、という天才っぽさ、なんならちょっと憧れますよね。

私なんて、運動能力(※1)も、アートを解する心(※2)も、他にも色んな機能が備わってないわけですから、「中途半端に片付ける」くらいはできない訳がありません。

こんなに犠牲を払っているのですから、むしろ逆に「整理整頓カンペキのペキ!整理収納アドバイザーのいちごです⭐︎」と自己紹介するアイドルに生まれてきていないのが不思議なくらいです。流れに乗って、片付け能力のみならず、さりげなく顔と若さと人気も要求してみました。平日会社員いちごいろ苦労ババアZ、メンバー募集中です。

ただ(つまらないダジャレを言わなかったフリをして話を進めています。別に苦労もしてません。)仮に整理整頓が完璧だったとしても、ご存知のように総合的に美を鑑賞する感覚が備わっていない(※2)ので、結局「完璧に整理整頓されてるのにトータル微妙なセンスの家」になる可能性が残ってしまいます。「トータル壊滅的なセンスの家」ならまだインパクトくらいはあるのに、「微妙なセンス」ってところが、絶妙に微妙です。残念です。

何かにものすごく秀でた人になりたい、特別な存在でありたい、せめて何者かでありたい。

誰もが一度は思ったことがありますよね、きっと。一説によると子どもはみんなそうらしいですが。

私も子供の頃は割と賢かったので、多少は特別なんじゃないか…みたいに思ってた時期もありました。厳密に言えば「多少は特別なんじゃないか(と言ってもそこまでじゃないだろうけと)」くらい。

でも大人になってみたら、予想以上に何者にもなれませんでした。え、逆にこんなに何でもない人います?何者でもないの限界に挑戦?ってくらい。家族も少ないので「誰かにとっての特別な存在」というのもさほどありません。

もしかすると私は「何者でもないを極めた特別な存在」なのかもしれません。それ以外の「特別」を全て犠牲にするという、数々の難関をくぐり抜けたほんの一握りの人しか到達できない領域です。

SNSが普及して、誰もが「何者か」になれるチャンスを手にしましたが、実際は、結局ネットで何者かになれた人って、きっともともと「何者か」なんだと思います。頭脳や知識、技術、才能、あるいは容姿とか、セルフプロデュースの能力だとか、何かずば抜けたものを持っている気がします。そういう「特別な人たち」と、

「何者かになりたい」を際限なく拗らせたチーム承認欲求

「何者か」ではないけど、自分は自分のままで素晴らしい、「誰もが特別なオンリーワン」と気が付いたチーム自己肯定感

自分がどのくらいの存在か、成長と共にはっきりと見極めたチーム諦観

そのそもそんなことを意識して考えて生きていないチームシンプル

などの「何者でもない」人たち、

そしてその全ての「何者でもない」の頂点に君臨する私。

そんな感じで社会は構成されているのです。(トンデモ結論)

※1「運動能力がない」の件

※2「アートを解する心がなくて、美を鑑賞する感覚が備わってない」の件

この記事が参加している募集

スキしてみて

サポートしていただけると、幸せな気持ちになります。