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おすすめの本~人間関係に必要な知恵はすべて類人猿に学んだ~

学年が上がるにつれ、チームをまとめたり後輩を指導したりする役割を担う機会が増えてきました。しかし、自分の意図が思うように相手に伝わらなかったり、相手のためにフィードバックをしたつもりでも心に響かなかったり、自分自身悩むこともありました。
そんなとき、「声の掛け方の参考になるかもしれない」と紹介してもらったのがこちらの本です。

類人猿分類は元々、食の総合プロデュースを行う株式会社エブリイグループの人財教育・研修部門で研究・研修活動が行われてきました。類人猿分類を用いた、スタッフ一人ひとりの個性を生かす人材活用術により、スーパーマーケット事業において「8期連続増益」などの成果を上げていることから複数のメディアで取り上げられ、注目されるようになりました。

医療とは関係ないのではないかと思われるかもしれませんが、人が集まれば円滑にチームが機能するためにコミュニケーションは必須です。どうしても自分を基準に物事を考えてしまうのは仕方ないですが、どのような声掛けをすれば相手が働きやすいのか、なぜそのような行動に出るのか、を理解するのに役立つ本です。

▼目次
大型類人猿とは
自分のタイプを知る
違うタイプの考え方を知る
自分の弱点を知る&相手への声掛けを意識する

大型類人猿とは

類人猿とは尾を持たない猿のことで、大型類人猿はボノボ、チンパンジー、ゴリラ、オラウータンの4種類のみです。ヒトも大型類人猿に分類する学者もいるようで、それくらいヒトと大型類人猿は分類学上近い種であることが分かります。
同じ大型類人猿ですが、それぞれに特徴がありその性格や行動は全く異なっています。ぴったりと当てはまらない部分もあるかもしれませんが、人間を4つのタイプに分類し、お互いを理解するツールとして使われるのが「類人猿分類」です。

自分のタイプを知る

本書ではまず2つの簡単な質問からどのタイプに当てはまるのかを調べる簡易診断があります。診断結果と自己評価と客観的な評価が一致していない可能性もありますが、自分自身や身近な他人のことを必ずしも客観的に評価できているとは限りません。そのため、3つのシチュエーション別診断により、ある状況の中でどのように行動するかを考えることでより正確に自己診断を行います。

違うタイプの考え方を知る

同じ物事に対しても人によって捉え方が違うのは当然ですが、無意識のうちにみんな自分と同じように感じて、同じように考えていると思い込んでしまいがちです。その結果、予想外の相手の言動にイラっとしてしまった経験は多くの人にあるのではないでしょうか。
本書では、タイプごとの考え方の違いを知るために3つの課題が用意されています。複数人でやっていればタイプごとに答えを発表し合うと実際に違いが見えて面白いでしょうし、一人で読んでいても自分の答えと違うタイプの答えの差に驚くと思います。

自分の弱点を知る&相手への声掛けを意識する

自分自身、ひいてはチームの成長のために、自分の弱点を自覚して克服する心構えが大切です。また、相手のタイプに応じて心に響く声掛けができれば円滑なコミュニケーション、そしてみんなが気持ちよく働ける職場環境の実現に繋がるでしょう。
本書にはタイプ別の嬉しい声掛け・嫌いな声掛けが具体的に記載されているため、実際に取り入れやすいと感じます。

感想

「●●占いに似てるな~」という印象を持たれた方もいらっしゃるかもしれませんが、分類学上人間と種が近い大型類人猿にあえて人間を当てはめて、性格や行動の傾向から分類されたもので、個人的には自分の意図をより正確に伝えるために人によって接し方を変えるきっかけとなった本でした。
1人で読むだけでも面白いですが、職場でレクリエーション的にやってみるのも良いかもしれませんね。興味のある方はぜひ読んでみてください。

文責:平山 果歩(自治医科大学附属病院 総合診療内科)

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