ジャンプ力向上の基礎理論と実験データを基にしたトレーニング処方。(基礎)
ぜひこの記事は学生トレーナーさんや、アスリートさんに読んでいただければと思います。ですので、専門的な方からしたら少し物足りないかな、と感じてしまうかもしれませんが、ご了承ください。
今回は実験データをもとにしてその人はどのようなトレーニング、エクササイズを行うことでジャンプ力が向上するかということを考えるということをしていきたいと思います。
今回は反動を用いないスクワットジャンプをフォースプレート上で行ったデータをもとに要素に分けてトレーニング、エクササイズを考えます。
ジャンプを考える上での物理基礎
跳躍高は何で決まるのかということをご存知ですか?
跳躍高は
という式で求めることができます。
重力加速度は地球上では9.8m/s^2で一定なので、跳躍高は右辺の分子である離地の瞬間の速度によって決まるということになります。
跳躍高の定義は身体重心の移動距離とします。
では次にニュートンの運動法則を見ていきましょう。
F=maの式は高校の物理で一番最初にやるのではないでしょうか。
このF=maの右辺と左辺に一旦、時間をかけます。
このようにすると先程の式は
力×時間=質量×速度
と変化します。
そしてそれは何を意味するかというと
跳躍に限定すると、速度は0m/sからスタートですので右辺は質量×速度となります。
今回の跳躍を考える上では、質量は一定です。
つまり、速度は何で決まるかというと
1〜2の間に稼いだ力積
ということになります。
つまりは、離地までにどれだけの力積を稼げるかということが重要になるということです。また、この後の実験のデータから考える時にも出てきますが、力積をどうやって稼ぐかということも大切になります。
ここまでのまとめとして、
ということをおさえておきましょう。
力積・地面反力のグラフ
上で力積をどれだけ稼げるかと書きましたが、力積は先程の式にもあるように、力積=力×時間です。
この式を見ればわかる通り、力積を多く稼ぐのであれば、力が大きくなれば良いということになります。
では、力が大きくなるとどうなるのか。
皆さんはこう想像すると思います。
下のグラフはフォースプレートを用いて、地面反力を測定したものとなります。0.00秒のところが上の跳躍の図の1の状態になります。そして右端の0.32あたりの部分が踏み切った図の2の状態になります。
縦軸が地面反力、横軸が時間になります。
ですので、その面積が力積になるわけです。
力が大きくなるんだから縦軸(地面反力)が大きくなるんだと考えますよね。実際地面反力は大きくなるで正解なんです。
しかし、そうすなるとどうなるか。
脚の長さは一定なまま、より強く押せるようになるわけです。
ということは離地までの時間が短くなるわけですね。
なので正解の波形は(少し雑にはなりますが)
こうなります。
離地までの時間が短くなり、そのうえ力積を稼ぐということになります。
なので先ほど述べたように力積の稼ぎ方という問題になってきます。
ではここから先は実際に実験したデータをもっと深く掘り下げて、さらによくない点にどのようにアプローチをするかを考えていきます。
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