『天理で働くということ』 【前編:「デジタル技術を活用して地方で働く」 "天理市企業×天理市長×ジョイゾー" トークセッション】
2023年2月27日に天理市で開催された『【出張J Camp】天理地域の魅了発信!「デジタル技術を活用して地方で働く」 "天理市企業×市長×東京IT企業"』のトークセッションを書き起こしたものです。
noteは3つのパートに分かれていますので、それぞれご覧ください。
本noteは前編です。
動画も是非ご覧ください!
セッションの概要と登壇者
本トークセッションについて
登壇者
並河健:天理市 市長
上田創大:株式会社大一電化社 専務取締役
四宮琴絵:株式会社ジョイゾー 取締役COO
大一電化社と天理市
四宮琴絵 氏(以下、琴絵):はい、お待たせしました。すいません、ちょっと機器トラブルで最初スタートが遅くなりましたけれども、今日はお二人にお越しいただいて「天理の地域の魅力を発信 デジタル技術を活用して地域で働く」というタイトルでトークセッションを進めていきたいと思います。
どうぞよろしくお願いします。
琴絵:今日はですね。お越しいただきましたと言いつつ、実は私がこちらに来させていただいてるんです。けれど、こちらおしゃれな場所が画面で映ってるかなと思うんですけれども、やまのべ焙煎所でお送りしております。ここは、上田さんの大一電化社で運営している焙煎所です。
上田創大 氏(以下、上田):専務の上田と申します、どうぞよろしくお願いします。
琴絵:すいません、この後自己紹介タイムと思っていたんですが、ここ(やまのべ焙煎所)をちょっと紹介しなきゃと思ったら一気に自己紹介になっちゃいました笑 ありがとうございます。
では続いて市長からも、自己紹介よろしくお願いします 。
並河健 氏(以下、並河):並河と言います、よろしくお願いします。
琴絵:はい、よろしくお願いします。私ですけれども、株式会社ジョイゾーというITの会社をやっている四宮琴絵と申します。本日は私がちょっと ファシリテートをさせていただきながら、今日お二人といろんなトークをしていきたいと思います。
活躍は天理からイタリア大使館まで
琴絵:早速なんですが、名前の自己紹介だけではなくて、お二人のことについてもう少し詳しく聞いていきたいなと思います。
まず先に上田さんから、上田さんの企業のことやとこの天理という土地でどんなことをされてるか、というお話を聞いてもよろしいですか?
上田:はい、元々この株式会社大一電化社という会社は、祖父の代で街の電気屋さんとしてリヤカーでテレビを引いて売ってたと伺っております。そこから大きく会社の方向性が変わりまして、今映っているようなコーヒーの器具の販売であったり、コーヒー豆の焙煎を通してですね、コーヒーに関わるいろいろな課題を解決させていただくような会社ということで事業をやっております。
天理での活動としましても、青年会議所であったり、商工会青年部であったり街をどのように盛り上げていくかということで、いろいろな活動をさせていただいております。
琴絵:なるほど。ここに置いてあるエスプレッソマシンなど、やっぱり業界の中では有名な”大一電化社さん”という感じで見られているんでしょうか?
上田:そうですね(笑) 「奈良の田舎にちょっと尖った会社あるぞ」みたいな感じで世間でご評価いただいてることも多いです。大きな展示会にも積極的に参加をしようって天理を代表する会社として、背伸びをしてチャレンジをさせていただいております。
並河:確か、イタリアの大使館と前にイベントやってましたよね?
上田:そうですね、イタリアン大使館であったり、フランスの領事館であったりのパーティーで振る舞ったりと、そういう大きなイベントでも裏方としてウェルカムドリンクのお手伝いなんかもさせていただいております。
琴絵:今日、画面の向こう側には伝わらないんですけど、さっきまで焙煎をしていたのですごくいいコーヒーの香りがしていて、私もいただきながらここにいるんですけれど、コーヒー好きとしてはたまらない場所ですよね。
上田:ありがとうございます!
天理市の課題
琴絵:それでは市長からも市長の活動、ここ最近力を入れられてることとかも含めて、もう一度お話いただけますでしょうか?
並河:はい 、コロナもやっと落ち着いてきて5類への変更も見えてきたからという中で、早く日常が戻ったらな、という思いでみんないたと思うんですけれども。この3年間を振り返ると完全に元には戻らない、という思いです。
地方はやはり人口の減少と少子高齢化っていうのは、この3年でますます拍車がかかってますし、だけども物価高だったり世の中が受けてる影響にはものすごく左右されている中で、天理市ってご存知の方がどれだけいらっしゃるかなっていうのはわからないんですが、奈良盆地の一番東の端にあるんですよね。
並河:市の半分は盆地部分で、東半分は山なんです。だからちょうどあの平野の部分と山の部分が混じってる感じで、車だと大阪の中心部から1時間で来られるんですが、電車は支線ばっかりなんでなかなか大阪だったり京都に通勤するには不便だなっていう中で。
今、奈良県ではあの大阪に通いやすい一番西側のあたりは人口が少し増えているんですけども、東の遠いあたりは人口が減っちゃってる。そういった中で、じゃあ天理って何があるんですかというのをしっかりPRしながら進む、皆さんにとっても魅力があり、あるいはここで事業やってる皆さんにも天理でとどまり続けたいと思えるにはどうしたらいいんだと、これが一番の課題になってます。
コロナ以前からテレワークを着目した天理市
琴絵:ありがとうございます。
そしてここで、初めましての皆さんにはわからない、私が天理に来させていただけたご縁についてもお伝えしたいなと思います。
私達もテレワークという形で会社自体が取り組み始めていて、テレワークの賞であるテレワーク先駆百選というのに選んでいただくことになったとき、総務省主催のテレワークでのイベントでご一緒したのが始まりでした。
2016年あたりですかね、天理市さんはテレワークセンターを開設されていました。私はただの一般参加者だったんですけども、市長はパネリストとして登壇されていました。
テレワークセンターを開設されてそういった形で登壇されてたんですけど、その取り組みに対して「あ、すごいな」と思い、すぐお声掛けをさせてもらって。この図々しさが今日に繋がってるんですね(笑)
並河:もうそんなに経ちますか。
今さっき通勤が不便だって言いましたけど、当時はテレワークすれば別に通勤しなくてもいいじゃないっていうことで、女性で妊娠していて大阪まで長い時間かけて通うのはしんどいですという方に、うちのテレワークセンター使っていただいたり。あるいは都市部で障害者雇用率を確保するのがすごく大変という背景がある中で、テレワークで障害者の皆さんに働けるスキルをつけていただいて、都市部の会社で採用いただけるようにする、そんな取り組みをやっておったわけです。
琴絵:市長はこういう風にテレワークセンターを活用されてる方達の話をその当時もお話されていました。テレワークって2016年あたりだと今ほど主流じゃなかったので、よく覚えています。
並河:そうですよね、コロナでなんか一気に使われましたけれども、それ以前は「何それ」っていうような感じがどこでも、特に奈良の中では多かったですね。「電話で仕事するの?」みたいな感じで笑
琴絵:そのタイミングで知り合わせていただいて、1回お会いした後も、市長はSNSの活用がすごくお上手なので発信をずっと続けられていたので、天理市の取り組みっていうのも目に触れることがすごく多かったです。
並河:直接会ってはいないのですが、すごくよく会わせていただいてる気を勝手にしてるんです笑。
ジョイゾーとワーケーション
琴絵:SNS上のいいねも含めて、すごく発信が上手なのでコメントもしやすいですよね。市民の方たちもコメントされてるなって感じています。そういう繋がりもあって、一昨年になりますがたまたまこの近隣に来た時にご挨拶したいなと思ってご連絡させてもらって、改めてテレワークセンターの活用の話をお聞きしました。
並河:この時、ワーケーションを進めていくにはどうしたらいいかなっていうご相談をしましてね。
琴絵:私達の会社もワーケーションには力を入れていまして、今月(2023年2月)ですね、社員全員がワーケーションを経験するっていうのをもう達成できました。なので、結構ワーケーションに関しては上位な会社だと思っています。
並河:ちなみにどこに行かれたの?
琴絵:結構あるんですが、私が釧路市が出身という縁もあってワーケーションスポットを開設した釧路市、あとは秩父市や妙高市、別府、と言って天理が来てないですけど笑
並河:笑
琴絵:いろんなところに行かせていただいていて、もう社員にとってはワーケーションがチームビルディングだったりとかそういう目的でも使わせてもらっています。
並河:ワーケーションも、ワークとバケーションの割合って結構様々かなと思うんですけど、やっぱり関西で最初の頃に強かったのは白浜さん(和歌山県白浜町)とかね、温泉あり、海ありみたいな。奈良県だと曽爾村(奈良県曽爾村)っていうところは、曽爾高原というすごく自然豊かなところで地ビールがあったりしてですね。
琴絵:いいですね!
並河:そう言うとね、「いいですね!」ってなるんですけどね、そういう中でじゃあうち(天理)みたいなのは、あの悪く言えば中途半端になりかねないわけなんで。どこをコンテンツにしてやっていったらいいんだろうな、っていうのを当時ご相談したのが、今日の流れにつながっていると思っています。
東京と天理 2拠点生活の価値
琴絵:一方で、地元の方とワーケーションの文脈もそうなんですが、やっぱり地元の方とつながりたいっていうのがあると思います。うちも一応東京の企業なんですけれど、東京の企業でありながらワーケーションとか いろんなところに行った時に、やはりそこの土地のことを知りたいって思うことがあって。
今回の企画の中で、どなたかそういう方をご紹介いただけませんかと聞いた時に、大一電化社さんはすごく面白い取り組みされてる、というのでご紹介いただいて。上田さんとは事前の打ち合わせをさせてもらったんですけど、現在2拠点という形で活動されてるそうで。
上田:そうですね、拠点は東京都と天理ということで。
並河:東京でしょ、逃げられるかなと思っていて(笑)
琴絵:逃げないからここにいるんですよね (笑)
一同:笑
上田:やっぱりこのなんて言うんですかね、もともと東京に営業所があるということが、会社の価値として見られやすい業界なんですね。
ですので大手と取引をする時に、昔だったらいざ話をすると『どこでやっておられるんですか』「奈良県天理です」『都内は?』「ないんです」『なるほど…』で終わっちゃったんですね。
でも一方で、東京に出すことで「あ、東京にもあるんですね。じゃあ大丈夫ですね」と、大手のそういう取引をスムーズにする意味でもすごく強くなったので、そういう意味でチャレンジとして東京に出店したというところがあります。
並河:まだまだリアルな場所どりが大事だと。
上田:いやいや(笑)ただ一方で例えば大きなマシンの出荷であったり、いろんなことを決める本社としては天理に重きを置いております。あくまでも営業所ですから、ショールームとして東京を持っているというやり方で進めてます。
並河:でもね、東京からすごい人材をいっぱい引き抜いておられるので、その辺もちょっとご紹介いただけたら。
上田:そうですね、例えばバーの大会で日本チャンピオンになってる子であったり、すごく有名店の大きな焙煎所でずっとコーヒー豆を焙煎してる子であったり。いろんな人とのつながりというのは、やはり東京で集めてくることは多いんですが、ただ彼らも故郷があったりとか自分の生活の中でちょっと静かなところで働きたいっていう思いがあったので、そんな中で自分がいるこの本社でそういう実力を発揮してみないかということで、自分のスキルを活用できるフィールドを作ってあげることが今のところうまいことできています。
天理で働く魅力について
並河:日本でトップクラスで働いておられる方だから多分どこでもいいんだと思うんです。 東京で働き続けるのも、地方もまあ選びたい放題というか。その中であえてね、こちらに来ていただけるというのはやっぱり働く環境だったり周りのチームが魅力があるからってことなんですかね?
上田:そう言ってもらえると嬉しいです。会社としても目指すべきものであったり可能性なんかの話をしっかりして、じゃあ僕そこで活躍したいです、ということでついてきてくれる子が多いのでそれは本当にありがたいことなんですけども。
琴絵:その魅力の発信って上田さん的にはこの天理という土地からどんな感じで発信をされてるんですか?私や並河さんもそうなんですけれど、お二人ともやっぱりデジタルという意味でいくとSNS活用もめちゃくちゃされてるんじゃないかなってすごく思っているんですけれど。
上田:あの東京の支店を立ち上げたのが2018年、それから2年いてコロナでちょっと帰ってきて、今本社の方が多いっていう状況なんですが、東京に住んでみて初めて逆に天理の良さとか、ちょっと都会の便利やけど実は不便な感覚っていうのをすごく感じて。
自分が一生働いていくのは東京は多分きついな、っていうのは自分の中で出てきたので、今ついてきてる子たちもそういう意味で共感して来てくれてる子が多いとは思うんですけれども。
田舎に住む良さ、その例えば人当たりもそうでしょうし、僕がすごく感じたのはやっぱり食事にかかるコストだったり。
琴絵:そこはありますね笑
並河:この値段でこのカツ丼は食えん!とかね笑
上田:天理で1000円出したら死ぬほど美味いもの食えるわけで。 そこが僕はこのスポーツツーリズムとかに通じると思うんですけど、やっぱりスポーツ選手が活躍するので、安くて美味しいものがあるっていうのも天理のまちの魅力だと思いますし。なんかそういった部分をいくつか僕からプレゼンをして、それなら天理でいいじゃないかと。
◆中編と後編もご覧ください
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