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査読という闇仕事

論文を投稿しないと知らない仕事

査読(peer review): 研究者が学術雑誌に投稿した論文を、同分野の研究者や専門家による評価や検証すること。

学術雑誌の質を担保するのに必要で、でたらめを書いてたら世の中に出せない。

論文をsubmitする時に多くの雑誌ではreviewerを二人推薦しないといけない。しかもメールアドレスの入力まで。first authorは論文にメールアドレスが載っているのでそれを書いたらいいが、所属先が変わってメールアドレス使ってなかったらどうするんだろう、といつも思う。

論文を投稿する側にとっては、査読者の辛辣なお返事は悲しくなる。
えーおっしゃる通りですよ、だからlimitationにそれ書いてるじゃん、とか思う。

しかし、査読という仕事

無償で、しかも誰がやったかわからないようになってるので、誰にも評価されないのだ。いわば『闇の仕事』だ。

留学している時にも来たかもしれないが、留学が終わって、私はちらほら査読の依頼がくるようになった。
依頼される内容は、私が以前に論文を書いたことのある分野・特によく知っている分野だ。

どうやってこのjournalは私に辿りついたのだろうか?
誰かが私を推薦したのだろうか?
以前投稿したことのある有名journalからオファーも来たりした。
あの時、すぐrejectにしたくせに、と思いながらもオファーを受ける。
そのjournalは査読をしたことがORCID idに入力でき、研究業績の一部にできるようだ。


また専門医の更新に査読をポイントとして認めてくれる場合もある。

私なんかが査読をしていいんだろうか、と思いながら、依頼のメールを読み進める。断る場合は、reviewerを2人推薦することだって。
タイトルとabstractがついており、それを見て、できそうか判断する。
もう大学病院も辞めたし、なんの得になるのかわからないが、できそうな内容だったら、やることにしている。
Agreed/Declinedを押して、後は自動でメールの返信がくる。期限は2週間。

今まで何回かやったが、2週間経つのは本当にあっという間である。
大体1週間のリマインドがくるまでは論文を開きもせず放置。
ヤバイ、そろそろやらなきゃと思い、印刷して数日経ち、大体締め切りか締め切りの前日に返事を送る。
総評を書き、項目ごとにstructured review 何ページの何行目と詳しく書く。
そして最後に

・reject
・major revision
・minor revision
・accept

を選ぶのだ。

しかし、私は日本人。
英語で他人の論文の評価をするのは困難を伴う。

しかも、査読の仕方など、誰も教えてくれない。
基本的に一人前の研究者と認められた後の仕事なので、査読のチェックを他の先生に頼むというのは確かに変だ。

そんな人のために時々学会で査読の仕方やポイントなどを説明するセミナーがあったりする。ありがたい。

この記事を書くにあたり、"査読"をググって見たところ、日本産婦人科医会の『査読を依頼されたらどうするか』というページを見つけた。

多くの研究者は
『論文を投稿する側の立場から、査読する側の立場に』
突然なる
なってみて初めて気がついた気持ちを
#査読者になって気がついたこと
というハッシュタグでTwitterでの投稿が多くみられる。

見てみたら結構面白いよ!


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