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1月22日【Planning&Intervention06】

今回はワークショップの最終日ということで、展示の準備を念頭に置いたインストール技術を講師の天野耕太さんに教えて頂きました。

パフォーマーでありインストーラーの天野さん

天野さんは13歳の頃、日本に来ていたスペインのサーカスを見て感動し、その場で入団を直談判し3ヶ月後には入団を果たしたという特殊な経験をお持ちの方です。
サーカス巡業というのは場所を転々としますが、その滞在先では住居を整える作業(建築作業だけでなく水道管配備や電気配線など全て!)もサーカス団の方が自ら行うそうです。
その経験で培った施工技術を活かし、日本に戻ってからは瀬戸内国際芸術祭の作品設営や大地の芸術祭で『絵本と木の実の美術館』https://ehontokinomi-museum.jp/ の施工にも携わりました。このHPをご覧になれば天井から無数に吊り下げられたカラフルな流木の作品が目に入ると思いますが、天野さんは体育館の高所で足場を組めない場所にも単身で入り込み、不可能といわれた展示を可能にしてきたという実績があります。

手放しで大きな脚立を上り下りする天野さん

吊り下げる作業を得意とする天野さんですが、本ワークショップでは地下倉庫で発見した『米の看板』を作品と想定してワイヤーで吊るす技術を学びました。

使用する金具の種類、付け方を教わりました。
天井に穴を開ける際に屑が霧散するのを防ぐためペットボトルで受け皿をつくるワザ

アーティストからよく「いいかんじに展示してくれ」という要望も受けたりするそうですが、その"いい感じ"を探るのもインストーラーの仕事。
アーティストと二人三脚でつくりあげていくため、設営の際もギリギリまで微調整できる余白や余裕を残しておくのも大事なんだそうです。

そのほかにも6コアの自治会が保管している獅子舞を作品と想定して、照明の当て方を学びました。獅子舞のストーリーを板井さんから聞きつつ、参加者の皆さんと「ここから当てたら歯がギラっとしてかっこいいのではないか」「観客と目が合うように置いてみるのはどうか」「布のボリュームを持たせたら躍動感があるのではないか」…という風に獅子舞に抱いたイメージと展示ビジュアルのすり合わせが行われました。
観客がこの場に立った際のことを想像する力が、インストーラーにはとても重要なのだそうです。

最後はインストーラーとして活躍している天野さんが20分程度フリートークを行い、HACHの掲げるメディエーター育成というキーワードとも絡めてこの仕事における身の振る舞いを話して頂きました。


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