【短編小説】この感情に名前をつけないで〜1〜(5話完結済)
みーたんに出会った日
これはわたしが小学生になったばかりの頃の記憶―。
珍しく父と買い物に出かけた。
行き先は地元のスーパー。
母とはよく来ていたが、父がカートを引く姿は見慣れない。
なんでも好きな物を買っていいと言うので、
カラフルなチョコレートをひょいと買い物カゴに放り込んだ。
着色料が…と母にボヤかれるかとよぎったが、
「だってパパがなんでもいいって言ったもん!」
自信満々に胸を張った。
帰り道、家の近くの公園を横切る。
寂れた公園で、まだ子供が遊んでいてもおかしく