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【短編小説】この感情に名前をつけないで〜5〜(5話完結済)
みーたんに出会った日→〜1〜
みーたんと月を見た日→〜2〜
みーたんのいない日①→〜3〜
みーたんのいない日②→〜4〜
みーたんに再会した日
みーたんに再会した―。
いや、確証はない。みーたんと会ったのは11年も前だし、場所も全然違う。もっと大きく、身体の縞模様ももっとはっきりしていた気がする。
絵梨花たちとカラオケに向かう途中、
茶色の縞模様の猫がキョロキョロと警戒しながら、
こちらに
【短編小説】この感情に名前をつけないで〜4〜(5話完結済)
みーたんに出会った日→〜1〜
みーたんと月を見た日→〜2〜
みーたんのいない日①→〜3〜
みーたんのいない日②
いつもの教室。いつもの朝。
登校すると絵梨花たちがいつものように談笑していた。
「卒業式か…絵梨花、絶対泣くでしょ?」
「うん!だってサニーと毎日会えなくなるなんて、辛すぎるもん!」
「ちょっとウチらはどうなのよ」
「うーん!フツーかな!笑」
「あんたね―!笑」
「あっサニーおはよ
【短編小説】この感情に名前をつけないで〜3〜(5話完結済)
みーたんに出会った日→〜1〜
みーたんと月を見た日→〜2〜
みーたんのいない日①
高校3年、3月ー。
わたしは大舞台を前に緊張していた。
卒業式。
わたしはその日をうまく演じ切らないといけない。
小学生2年生に祖母の家に移り住み、田舎の学校で過ごした後、3年後に母が再婚。新しい父親は転勤族と呼ばれる職業で、わたしはころころと転校することとなった。
わたしはひどく臆病な性格だった。
どうせ来る
【短編小説】この感情に名前をつけないで〜2〜(5話完結済)
みーたんに出会った日→〜1〜へ
みーたんと月を見た日
いなくなったのはみーたんじゃなくて、パパだった―。
ひどいじゃないか。
パパと言う名前があるのに、どっかに行ってしまうなんてなんて。
あれから父の話をすると母はひどく機嫌を悪くした。
だから父がどこへ行ったのか知らない。
父はいつも仕事仕事で、家にいることがとても少なかったので、いなくなってもあまり生活が変わることはなかった。初めは出張か何
【短編小説】この感情に名前をつけないで〜1〜(5話完結済)
みーたんに出会った日
これはわたしが小学生になったばかりの頃の記憶―。
珍しく父と買い物に出かけた。
行き先は地元のスーパー。
母とはよく来ていたが、父がカートを引く姿は見慣れない。
なんでも好きな物を買っていいと言うので、
カラフルなチョコレートをひょいと買い物カゴに放り込んだ。
着色料が…と母にボヤかれるかとよぎったが、
「だってパパがなんでもいいって言ったもん!」
自信満々に胸を張った。