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宗教や信仰についての雑記 #59

◯エリート宗教?

前回、お釈迦様の教えが難しいと書きましたが、その昔、お釈迦様は悟りを開いたときに、その教えを誰にも伝えることなく、一生胸の中に秘めておこうと思ったそうです。
その教えがあまりにも難しく誰にも理解されそうにもなく、また、中途半端な理解はその人を害してしまうからです。

しかしそのとき梵天がお釈迦様に、苦しむ人々のためにその教えを説いてほしいと依頼したそうです。
そこでお釈迦様が目の前にあった池に目をやると、そこには蓮が生えていて、あるものは茎を水面の上に伸ばして見事な花を咲かせていて、あるものは茎を水面まで伸ばせずに、蕾は開くことなく朽ち果ててしまっていました。
しかしその中には水面ギリギリのところまで茎を伸ばしていて、あとほんと少し伸ばせば花を咲かせられるものもありました。
それを見てお釈迦様は、人々の中にもこの教えを理解できるものがいるだろうと思い、説法をすることにしたそうです。

ですからそもそも仏教の教えとは、相当の修行を積んで、悟る直前のレベルにまで到達している人を対象とした、言わばエリート宗教だったのだと思います。
ですから、当時の原始仏教教団は、祭司階級であるバラモンと武士・王族階級であるクシャトリヤとがその大部分を占めていて、平民階級のヴァイシャや奴隷階級のシュードラはごく僅かだったそうです。

一方イエスは、取税人や売春婦や癩病患者など、当時のユダヤ社会で蔑まれたり虐げられたりしていた人々の中へ自ら進んで入ってゆきました。
その点、原始仏教とは非常に対象的な感じがします。

こうして観ると、仏教は智慧を、キリスト教は愛を重視しているかのように見えますが、それでついてはまた次回にしたいと思います。

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