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どうも、国際結婚したくない帰国子女です。

日本出身でないことを話すと、よく「やっぱり相手は外国人がいいの?」と聞かれることがよくある。親からも含めて。
正直にいうと、はっきり、嫌だ。

ハーフの同級生に囲まれて育った私だが、彼ら、彼女らの両親は決して夫婦円満とは言えない家庭が多かった。私たちが小学生くらいまではまだいいのだが、高校生近くなるにつれ、両親が別れる同級生は決して少なく無かった。

国際結婚が破綻する前兆みたいなものは明確にあって、私はその法則を幼いながらに見抜いていた。
その前兆や法則がなんなのかについては口外しないことにしている。人の不利益につながるからだ。
一方でそれを知ってしまっている私は国際結婚なんてすれば「この人とは仲良くやっていけない運命なんだ」と徐々に察してしまってやっていけないことは自明だ。


「人は同じ人種の相手に惹かれる割合が高い」という統計はどこかで聞き齧ったことがあるのだが、それとは別に国際結婚が難しい理由はたくさんある。

宗教の壁

これはもう語るまでもないと思う。ラマダンがある人とない人とで共同生活を送っていくのはシンプルに難しい。しかし無理ではない。折り合いをつける方法はいくらでもある。
とはいえ「結婚のために自分の宗教観に折り合いをつけるべきか」と聞かれると悩ましい。私は宗教は道徳観に密接に結びついていると思っていて、それを変えることを簡単に人に推奨したくはない。

キリスト教の教えと日本の道徳観で育った私が結婚するとしたら、キリスト教的考え方も許してくれて日本の道徳を共有できる人がいい。しかしそんな都合のいい人どこにいる?クリスマスの重要性を心の底から理解してくれる日本人がクリスチャンでもない限り難しいのと同じように、日本文化研究者でもない外国人に日本の道徳を理解して実践してもらうことは難しい。もちろん無理じゃない。しかし仮に子供を授かった時、どのように育てるべきかは議論に発展すると思っている。

倫理観の壁

倫理観は宗教観に近いものがあると思っているが、それとは全く別の観点で話をする。

そもそも「日本人女性と結婚したい外国人」がどういう人なのかをよく考えなければいけない。私は必ずしも「日本人女性は世界的に下に見られている」とは思わない。とはいえ結婚を足掛かりにして合法的に来日するだけしようと考えている人は先進国/途上国関係なく存在していて、それを理由に「この人は本当に私との将来を考えてくれているのか」と疑うのははっきり言ってしんどい。

日本人でも、話を聞くかぎりでは、シンプルに外国人と交際したり結婚することをステータスとしていたり、見た目がかわいいハーフの子供がほしいだけだったりする人はいて、外国人からしてもそういった人は避けたいだろう。逆に「日本人妻なら王様のようにちやほやしてくれるに違いない」と信じている外国人もいる。

余談だが、稼ぎ頭の夫の給料を妻が管理し一定額を夫に「お小遣い」と称して渡すのは国によっては経済DVと見られることもある点も注意されたい。ちなみに我が家は日本人家庭たが家計は父が管理している。

家族の在り方の壁

これはアジアの家に嫁いだ時に発生しやすい問題だと思っているのだが、国によって文化が違うように、社会的に「夫」と「妻」に求められる役割は地域によって異なる。特に夫が長男だった場合に話がややこしくなったりする。地方や場面によっては男女で同じテーブルで食事するなんてありえないとか、「そういう家庭」だと思ったら先方から共働きを強く希望されたり、逆に「子供はいらない」と言っていたのに向こうの親族が絡んでくると態度が豹変するとか、挙げたらキリがない。もっというとお金の問題もある。

西洋人からしたら、法事を含む、家族ぐるみの付き合いがこんなにあるなんて…と思うかもしれない。いわゆる「実家」という存在がなかなかややこしくて、「嫁ぐ」という概念がない国もあると思う。
一方でヨーロッパでは「嫁」や「母親」という役割に期待度が高く、明治時代の日本に「男尊女卑」を持ち込んだ本家本元であることから向こうに嫁に行くということも一筋縄ではいかないと思っている。

豆知識として:アジアでも夫婦別姓の国は少なくないが、それは個を尊重してではなく、血縁主義により「嫁いできたものは一族ではない」という側面が強く、あくまでも「外の人」であることの象徴だったりする。

言葉の壁

個人的にこれは結構切実だと思っている。
私は3か国語話すが、好き好んで話しているわけではないし、常に3か国語を自由に操る気分ではいられない。ある言語で話しやすいこともあれば、別の言語を用いた方が伝えやすいと感じる場面が多々ある。
となるとお互いのことを出来る限り理解しようと思えば思うほど、夫婦間のコミュニケーションを3か国語で行わなければならないことになり、これはよっぽどちょうどいい相手が見つからない限り無理だ。

いくら愛があるからって外国語を学ぶのは簡単な話ではないし、疲れていたり、本当にストレスに押しつぶされそうな時は外国語で話す余裕なんてない。そんな時に結婚相手と会話が成立しなくなれば関係も悪化してくるだろうし、それにより更に会話ができなくなるという悪循環に陥る。

老後の問題もあって、後から学習した言語を忘れてしまうご老人は少ないくないと聞く。海外に移り住み、老人ホーム生活になったはいいが、認知症などにより現地語を忘れてしまい、会話不能になってしまうケースがあるという。

もしお互いどちらかの身に何かがあって会話ができなくなってしまったら?
そう思うと国際結婚は少しだけ恐ろしいのだ。

#国際結婚 #結婚 #結婚観 #夫婦

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