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自衛隊の哨戒機への韓国のレーダー照射に未だ微妙な気持ちになってる件

いや、お前、引きずりすぎだろと思うかもしれない。しかしこれは飛行機オタク(超超超ライト層)にとっては重大インシデントなのだ。

今日2023/9/9日羽田発のハワイアン航空HA864便(エアバスA330-200型機、登録記号N370HA)の乱気流に巻き込まれた事に起因する緊急着陸があり、いろいろ思い出してしまったので緊急でこれを書いている。

ちなみにこれは日韓の間における憎悪を助長する意図はないし、大韓航空に問題があると言いたいわけでも一切ない。しかし、これから飛行機を利用する方は念の為読んでいただいた方がいい内容かもしれない。


国際法とかのルールや外交関係とかはさておき個人的に2018年にレーダー照射のニュースを聞いた時「怖いなー…」と思ったのは、実はレーダー照射そのものでもなければ、瀬戸り疑惑でもない。レスポンスがなかったことなのだ。

実は大韓航空は撃墜事件を2度も経験している。しかも原因が原因なのだ。

①大韓航空902便(ORY→ANC→GMP) 

これは1978年と大昔の事件でまだソビエト連邦が存在していた時代の話しである。あの時代、韓国は民主化しておらず国連には未加入で、国交もソ連とは無く、北朝鮮とはあった時代である。

大韓航空902便は大気が不安定で地上と交信できなくなり、針路の計算ミスで航路を外れた。慣性航法装置(INS)は装備されておらず、極地のためコンパスが使用不可だった。後に職務怠慢説が有力になった事件である。
この時ソビエトで領空侵犯をし、威嚇射撃を受けてしまう。

後に902便は「交信を試みたができなかった」と主張し、ソ連軍「交信を無視された」と主張した。

当便はそれでもそのまま内陸に向けて飛行した。するとソ連軍から再びミサイル攻撃を受け、客室の窓が破損。乗客計15人が死傷した。2時間後、ムルマンスク郊外の凍結したイマンダラ湖に不時着した。ソ連は乗務員を取り調べ、スパイ活動でないことを確認した。
余談だが民間機がスパイである可能性はある。(民航空運公司という中華民国の航空会社設立には現CIAが深く関わっていた。)

時代が時代なので撃墜自体はあまり不思議じゃない。他にもソ連に撃墜された民間の航空機は複数存在する。

②大韓航空007便(JFK→ANC→GMP) 

こちらもまたソビエト関連の1983の事件である。この事件でも大韓航空はミスか機器の故障かで航路を逸れてソビエトで領空侵してしまう。
近くを飛行していた米軍機と誤認したソ連空軍から警告射撃、接近されるも乗務員、乗客誰一人気付かずなかったと言われている。そのためレスポンスは一切せず飛行を続けた。その結果KE007便にミサイル2本が当たり、乗員乗客全員が死亡した。

トランスポンダの識別信号がなかったなど、他にも問題はいろいろあったようではある。
尚、ソ連はこの事件を無視しようとしたが、日本領海内にも遺体が流されてきて隠しきれない雰囲気になり、日米協力で傍受テープを公開した結果、ソ連は撃墜したことを認めることとなった。
この事件をきっかけにシカゴ条約が改定され、平たくいうと、不審な民間航空機を見つけたら各国は強制着陸指示などを出しましょう、そして航空機はその指示に従いましょう、民間航空機を迎え撃つ時、なるべく武器の使用を控えましょうという内容が追記された。他にも、これがきっかけで軍事目的で使用されてきたGPSが民間に解放される流ようになったとも言われている。

上記の二つの事件どちらも軍機(しかもソ連)相手だが、
「無線に応答しない」とはそういうことで、つまりそこが一番怖い気がするし、個人的に航空無線は好きでたまに聞くけど、本当に色々やっててすごい。航路から外れた機体にATC+別の航空機から呼びかけたり、航路に戻るまで軍用機がアシストしたり、他機の異変(出火等)をATC(管制塔)に報告したり。

軍事・民間問わず適切な協力関係が事故を防いでいるはずだと思うのだ。
レーダー照射の話に戻ると、日本は韓国を同盟国と認識しているから呼びかけで終わったのであって、相手がソ連なら打たれていただろうと思う。

※米中の軍同士は"アリバイ作り"してるだけで会話してない感は有ったけど敵なので…

③おまけ:大韓航空85便SQUAK7500誤報事件

これは誰もが覚えている2001年9月11日に起きた事件である。現場はアメリカ。そう、同時多発テロが起こっていた裏で地味にこんなことが起きていたのである。

SQUAKとは日本語で「スコーク」と読み、航空機識別のためにトランスポンダという機会に操縦者、つまりパイロット達航空管制官の指示を受けて設定する数値なのだが、番号によって航空機がどのような状況にあるかを知らせることができる。パイロットは設定できる数値の意味について教育を受けている。

旅客機のハイジャック事件が起きていたため、全てのアメリカに向かう航空機は全て出発地に引き返すか、燃料が足りない場合はカナダへ着陸するよう指示されていた。
そんな頃、大韓航空85便のパイロットは大韓航空との業務連絡にあたり「HJK」というハイジャックを示唆する文字列を送っており、それを検知した米国はアラスカの管制塔経由で当該の便に対しスコーク7500を入力するよう指示した。7500はハイジャックされていることを意味する値である。
ハイジャックされていなければこの命令を聞いて違和感を抱くはずなのだから、何かしら応答があるだろうと予測しこの指示を出した。しかし大韓航空85便は応答なく、トランスポンダにSQUAK7500を入力し、ハイジャックされていると知らせた。
しかしこの便はハイジャックなどされていなかったのだ。ただ考えなしに、応答もなく、管制塔の指示だからとSQUAK7500を設定した。

米軍は85便が密集地帯へ突入するような場合は撃墜することを視野に入れていた。それを知らされたアンカレッジ管制塔は85便に人口の多い場所を避けホワイトホースへ向かうことを命じた。現地の滑走路で武装したカナダ騎馬警察が待機しており、最終的にはハイジャックは誤解だったことが明らかになったのだ。

これで大韓航空機が管制塔のいうことを聞かず航路をそれていれば米軍からの撃墜を受けていただろう。

危ない目にあうのは誰なのか

結局のところ、ちゃんと会話しないと無視した方が危ない目に合うのだ。

レーダー照射事件を知った時、上記の3つの事件を思い出し、むしろ韓国ってその辺雑なのか?と圧倒的に心配になった。民間とはいえ、他国の無線に反応せず打たれた、あるいは撃墜未遂にあった過去がありながら、韓国軍は本当にこれでいいのか?何がキツいって軍が他国の無線の呼びかけを無視した時の危険性を理解してない、しかも過去から学んでないのがなかなかキツい。

もし秘密の作戦実行中だったら嘘でもいいから返事用意しなよ…下手かよ…と思ってしまった。

私の同級生にも韓国人はいたし、大学でも留学生が来ていたが、彼らがまともな軍事教育を受けられているのか心配だ。特に男子は徴兵があるから気が気じゃない。

日本が抗議した当時韓国ではいつも通り怒りの声も上がったが、みんな自分たちの息子が危ない目に合うのではと気にならないのだろうか。もともと韓国軍が事故率が高いという噂はあるけどどうなのだろうか。そして民間航空会社はさすがに学んでいると信じたい。

とりあえず韓国のみんな、生きて…。

大韓航空の安全性について

大韓航空が巻き込まれた事件をつらつらと書いてしまった。これで大韓航空に乗りたくなくなるかもしれないが大丈夫。
アメリカのFAA(連邦航空局)は韓国の航空安全管理体制の評価を一定期間ごとに更新しているのだが、2023.6.23現在はカテゴリー1に認定しているので安心してほしい。

サービスも評判がとてもいいので是非乗ってみてほしい。機内食も韓国料理が出るようになり、チューブでくれるコチュジャンが美味しくて有名だそう。お土産として機内販売もしているんだとか。

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