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読書 9割の社会問題はビジネスで解決できる

ボーダレスジャパン田口社長の著作。
コテンラジオ番外編で初めてその存在を知り前々から気になっていた。私の顧客にソーシャルビジネス型のスタートアップが1社あり、彼らのコンセプトに大変共感している最中である。私は一般企業の一営業マンでしかない。だが私も社会貢献に関わりたいとの思いから、私なりの精一杯の仕事でその1社を応援している。
そんな関わりもあり社会課題解決型のビジネスに多いに興味が湧いていた。深く知りたいと思い拝読させていただく。

資本主義。
その言葉に私はなんとなく冷たい印象を抱いていた。その言葉から連想されるイメージは、コスト競争、弱肉強食、拝金主義、売上至上主義、リストラ、買収、などなど。おおよそマイナスなイメージであった。
どれだけ私が資本主義の恩恵に預かっているのか自覚していなかったのだ。

人間の歴史は奪い合いの歴史でもある。歴史を学んでそれがよく分かってきた。人間は半日もすれば腹が減る。飢えずに生きていきたいと誰もが願う。食べる為にはお金がいる。手元に無ければ他所から持ってくるしかない。他所って何処?隣にいる他人である。奪えばいい。
仲良く共生出来た時代ももちろんあるが、目立つのはやはり戦争と搾取の時代。そんな時代と場所に生まれなかった私の運命にとにかく感謝である。

そんな殺伐とした人間の一面。それを封じ込め、理性的に他人と他人とが手を結び合えるようにした仕組みの一つが資本主義だと理解している。
そもそも考えればいま私が1日満足に活動出来ているのはお金で繋がっている他人様のおかげである。またそんな私も他人様のために自分の力を惜しげもなく使えている。お金でつながる他人同士のミックスアップ。人類は凄い発明をしたものだ。

そんな活動をビジネスと呼ぶ。ビジネスの持つ力は皆さんご存知の通り。アイデアと行動力で巨万の富を生み出す人はたくさんいる。その富をどの方向に活用するか。それを社会課題の解決に活用するのがソーシャルビジネスと呼ばれるビジネスモデル。自分の富の為には使わない。この社会がより良いものに成長していくために使うのだ。なんと素晴らしい考え方であろうか。

当然ビジネスとしての難易度は格段に上がる。社会的困窮者をスキームに入れ込んだり、仕入先が安定した生活ができるようあえて高い価格で購入したり、構造的に安く売ると言う戦略は描きにくい。高い販売価格を成立させれるように、とても狭いであろう市場のニッチなニーズを狙いうつ。言葉で言うのは簡単だが、それはとてもとても大変なこと。頭が下がる思いである。

この本にはそのモデルがいくつか紹介されていた。小売店がいくつかあるようなので今度お買い物に行ってみよう。楽しみである。

ボーダレスジャパンの特筆すべきはそのソーシャルビジネスを志す起業家たちのバックアップを仕組み化されていること。ちょっとびっくりした。

たった1人でソーシャルビジネスを起業するなんて少々無謀。どれだけの熱量が必要なのか… 失敗したら人生破綻するリスクは相当高い。そんな孤高な人はやっぱり稀だ。でもこの仕組みに乗っかればたった1人で孤独に戦ういうことにはならない。チャレンジできるハードルが格段に下がる。これなら起業家がたくさん生まれ、より多くの社会課題の解決にアプローチできるという訳だ。本当に脱帽です。

ビジネスって面白い。若い頃はそういう考えには至らなかった。無理無茶を聞くのが仕事。だからお給料をもらえている。そう考えていた。
でも違いますね!アイデアを出し、考え抜いて、新たな価値をこの世に生み出す。それができるのがビジネス。もっともっと楽しみたい。

私は営業職。新たな取引先は自分で探せるし、探さなければならないのが責務。もっとたくさんのソーシャルビジネス企業にアプローチしてみよう。私の力が役立てるかもしれない。
ますますこの思いが強くなった一冊でした。

ありがとうございました。
応援しています。

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