音楽旅行記⑦(ロンドン・グリニッジ天文台)Lily Seabird
8/14
ホテルから歩いてロンドンブリッジに行った。浅草の吾妻橋みたいなものだろうと思っていたが、全然違った。橋がお城みたいだった。
橋を渡るとバラ・マーケットに向かった。
バラ・マーケットは、ヨーロッパ各地の食べ物が集まっているマーケットで、美味しい食べ物がたくさんあって賑わっており楽しい。もちろんイギリスの食べ物もある。我々は、チキンのシチューが入ったパイを買って、持ち込みOKなパブでビール買って飲んだ。ビールは銘柄を忘れてしまったが、ペールエールとスタウトのクラフトビール。昼に飲むビールは格別に美味い。
グリニッジ天文台
午後は、ロンドンブリッジからメイズヒルまで電車に乗って移動した。グリニッジ天文台に行くためである。私は、普段、緯度経度を使う仕事をしているので、ここに行くことを楽しみにしていた。グリニッジ天文台は経度0の場所で、経度の基準になっている場所なのだ。天文台はグリニッジパークの高台にあり、広大な芝生のある気持ちの良い場所にある。ロンドンの街を高台から眺める事ができる。
天文台には、グリニッジ子午線ができた背景が展示されており、経度0を示すプレートがある。このプレートは、有料の展示の中にあるのだが、実はこのプレートが示す場所をスマートフォンのコンパスアプリでいくら計測しても、経度0にはならない。というのもこの経度0は、イギリスが利用していた古い測地系を使ったもので、現在GPSに使われている国際基準子午線とは異なる測地系なのだ。そのためGPSで計測すると、130mほどズレた場所が経度0度になっており、ここで測っても0にはならない。実際に、東に移動して、芝生の何もないところで計り直したら、きちんと経度は0になった。
多くの人にとっては普段から意識する必要もなく、どうでもいいことだが、基準を観に行くことは、緯度経度に関わる者にとってはここは神聖な場所なのだ。なぜなら自分がいまどこにいるのか?を正しく把握することがすべての始まりだからだ。
わたしはここに来た記念と敬意を表して経度0のプレートを描いたマグネットを買った。
帰りも同じルートを使って電車で戻った。
ホテルに戻って夕食の時間まで仮眠を取った。
ステーキを食べる
この日の夕食は、豪勢に行くことを決めており、ステーキのお店を予約していた。海外の方がステーキは美味しいというが、どんなものなのな経験してみたかったのだ。予約したのは、ホテルから歩いて行ける「Hawksmoor Spitalfields」というGoogleマップで高評価のお店だ。内装も落ち着いており高級感がある。
まず注文したのは、バケットにカニを乗せたもの。これは本当に美味しかった!海外に行くと野菜不足になるので、葉っぱがついているのも嬉しい。
次にオイスター。もう美味しいに決まっている。レモンをかけてチュルッと食べる。海がある国はどこも牡蠣が大好きだ。
メインステーキは、フィレとランプをそれぞれ300g、それから赤ワインを頼んだ。ステーキは焼き加減が絶妙で、表面がカリカリしていて、何とも濃厚な味だった。これは確かに日本では食べたことない。ワインにもすごく合う。けっこう量が多かったのでお腹いっぱいになった。
食後はデザートとコーヒーを頼んだ。デザートは、キャラメルを固めたものに、チョコレートのアイスが乗っており、めちゃくちゃ甘かった。
大満足で会計をしたが、想定を超えた金額に、私は頭が真っ白になった。
なんと会計は2人で5万円を超えていた。
Lily Seabird@The Waiting Room
この日の夜は、バスで移動して、Stoke NewingtonにあるライヴハウスThe Waiting Roomで、Lily Seabirdsを観に行った。バスは、Liverpool StreetからA10という通りをまっすぐ北上した。通りには飲食店が並んでいたが、ベトナム料理のお店が多かった気がする。ラーメン屋やうどん屋さんもあったが、表記がうどんじゃなくて、"へどん"になっていた。
The Waiting Roomは、下北沢にもありそうな地下のライブハウスで、キャパは120人の小さなライブハウスだ。入口がどこにあるのかわからず、ぱっと見どこにあるのかわかりづらい。
サポートは、イギリスのシューゲイザーバンドのSunken。まだシングルを数枚だしたばかりのバンドだが、暗く重い音を鳴らすイギリスらしいバンドなので、これからどういう音楽を聴かせてくれるのか楽しみである。
Sunkenをじっくり観たかったのだが、慣れない高級ステーキを食べたせいかお腹が痛くなり、しばらくトイレから聴いていた。
Lily Seabirdは、アメリカのバーモント出身のアーティストで、今年リリースしたアルバム「Alas,」は、Big Thiefや初期のCat Powerを思い起こすような、エモーショナルなインディ・ロックアルバムの傑作だ。偶然、他のバンドのサポートもあってイギリスに来ていたようだったので、ソロライヴを観ることが出来た。
Lily Seabirdは、ついさっきまでSunkenを観ていた女の子の一人だった。そのままステージに上がり、準備を始めて演奏を始めた。エレキギター一本でステージに上がり、アルバムの曲を一通り歌ってくれた。アルバムにある尖った感じや、エモーショナルな部分を、そのまま剥き出しのまま聴くことができてとても良かった。特に"Waste"がエモーショナルが爆発しており素晴らしかった。ハーモニカを使って歌うカントリーも良かった。カントリーやフォークというのは、アレンジの幅があり、泥臭くもなり得るし、感傷的でもあるので、過剰にエモーショナルにもなり得るところが、音楽としての奥深さだと思う。
次はぜひバンドで観てみたいが、日本ではまったくの無名なのでいつになるかわからない。アメリカのバンドだとキャリア10年で初来日ということもざらなので気長に待っていよう。本当に素晴らしいアーティストなので、日本にバンドで来日できるくらい活躍して欲しい。
↑の動画はアルバムリリース後にアメリカのBurlingtonで行ったライヴ。このライヴもとても素晴らしい。
帰りは、Stoke Newingtonから電車で帰った。オレンジラインの座席を確認するためだ。ちゃんと購入したクッションの柄だった。