不動産奮戦記 推奨性能は良いのか?

住宅ローンや控除で性能が適合すると優遇を受けることができますが、それはそれとして本当に有効なのでしょうか?

たとえば省エネ住宅
開口部や壁の断熱を高めるのは良いことだと思いますが、今や光熱費の値上がりに節約しても効果は薄れてきています。
毎日使用するお風呂では追い炊き機能を使っている家庭が多いと思いますが、1日どのくらい追い炊きをするのでしょうか?
昭和のバランス窯と違い建物の外に設置しているのでお湯の流れるパイプの距離は燃費に直結します。洗面化粧台でシャワーを使うならなおさらです。
多くの家では給湯器からキッチンまでの距離はそこそこあるのではないでしょうか?
なぜ、専用の給湯器を最短の距離に設置しないのでしょうか?
また、浴槽・シャワー・洗面台・キッチンの着火回数を考えると給湯器の負担は相当なものになるでしょうし。着火しながらキッチンまで届かないうちに止めていることはないでしょうか。
先日給湯器を交換しましたが、エコキュートかと聞かれました。
寿命が違うのでという説明を受けました。

耐震性能
数多くの解体工事をしてきましたが、家ってそう簡単に壊せるものではありません。
ただし、1階の耐力壁が目に見えて少ない家は傾かせることはできます。
構造計算の仕事もしましたが、矛盾を感じるのは『2階建ては耐震等級3』で『3階建ては1』で優遇が同等なことです。
3階建てで3を取得できない理由はあるのですが、2階よりも3階の方が危険性があるのに弱くて良い理由は何なのでしょうか。
2階でも耐震等級1で十分だと思いませんか?
建築基準法では壊れない家を造れではなく、倒壊せずに避難できる家を求めているので、コンテナのような倒壊仕様のないものを施工しても地盤が隆起したらたまりません。

地震に対応できる家
戸建て住宅ではべた基礎が主流になっていますがこれにも疑問を持っています。
軽量鉄骨メーカーでべた基礎って見たことがないのですがあるのでしょうか?あるないはさておき、湿気対策には大いに貢献していると思いますが、地震対策には有効なのでしょうか?
東北の震災では千葉県の住宅街で、能登では隆起など、地盤の高さが変わってしまう可能性が想定できます。厄介なのは水平でないことです。
家本体に損傷がなくても基礎の水平が失われるケースの想定が必要なのではないでしょうか?
建物周りが十分な敷地ならば問題はありませんが、都心ではジャッキアップする作業スペースがないかもしれません。
するとべた基礎を一部壊し作業しますが、べた基礎は2tくらいコンクリートを打設するのでその分重くなりますし、2階建てでは基礎設計に不安を感じます(取越し苦労かもしれませんが・・・)
要するに復元できる家が大事なのではないかという疑問です。

倒壊写真を見てみると
瓦屋根は重いので地震の影響を受けやすいと耳にしますが、本当なのでしょうか?
『一番上が思いから』と納得してしまいそうですが、一般の住宅では1階よりも2階の方が耐力壁が多いことに気が付きます。
2階は大きな開口部がないので外壁と内壁に耐力壁を設置しやすくなっています。それに比べて1階は大きな開口部や玄関、勝手口、換気扇など開口部が多いのです。
2階が固すぎると思いませんか?
1階がやわで2階もやわなら何とかなりそうですが、2階が固いのです。
その固さを1階が受けたらかなりきつそうです。

余談ですが・・・
地震に強い家を造るために金物を使用するのは結構ですが、問題は柱のサイズです。寺院のような柱は使えないにしても105mm角(3寸5分)では設置面積が少なすぎます。
ハウスメーカーで耐力壁のない木造住宅を施工していますが、彼らは気が付いているのですね。

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