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「前はできたのに…」私の存在価値はマイナス。

あなたは今、仕事をしていますか?


次から次へとくる業務。
上司や同僚との人付き合い。
経験をするごとに、質の向上を求められる。



無限にストレスがやってきますよね。

健康で、元気であれば、それらをものともせずこなせたり、ストレス発散をして、また仕事に臨むことができます。


でも、不健康で、元気がない状態だったとしたら…?
ストレスに容易に負けてしまうし、立ち向かう気力体力がありませんよね。
さらには、ストレスに過敏になってしまって、本来であればストレスじゃなかった小さなことがストレスになる。



私は、25歳の時にうつ病を発症しました。

うつ病を発症した明らかなきっかけは、異動による環境の変化と上司との折り合いの悪さ。(異動してからは半年くらい経過していました)

うつの診断を機に休職することとなりました。
医療知識があるため、
急性期は休むことが必須・重要な決断はしないことはできました。
気力・体力の回復にあわせてほんの少しずつ、外出したり、人に合ったりしながら活動範囲や活動時間を拡大させていきました。
(私自身の力のみではないですけどね)


なんとか、人間らしい生活ができるようになり、3か月の休職を経て、復帰しました。
(3か月間だったのは、会社の規定とかそういうのが切れるからでした)



休職前と所属先は同じでしたが、折り合いの悪かった上司は別部署に異動していたので顔を合わせる可能性は激減していました。
なので、ある程度は安心して働けるのではないかと薄っすら思っていました。


マネージャーと話した結果、まずは午前中のみの勤務からスタート、担当業務は行わずにフォローの業務中心をすることとなりました。


いざ勤務が始まってからは、
・行くのが怖い、不安
・人の目が怖い、きっと陰口を言われてる
・前はできたことが全然できない

っていう気持ちに憑りつかれ、あっという間に疲弊していきました。


特に『前はできたことが全然できない』っていうのは、
長期に渡って私を苦しめました。


前は、これくらい思い出せたのに…
前は、こんなこと気にならなかったのに…
前は、考えられたはずなのに…
前は、体力があったのに…
前は、楽しかったのに…


前は、前は、前は…


とにかく以前の自分と比較し、落ち込んでいました。
もう戻れない。
どんどん後輩にも抜かれていく。
実習に来ている学生の方が、できるんじゃないか。


私は、使い物にならない。
それどころか、足を引っ張る存在。


私は存在価値がないどころか、マイナスなんだ。


ずっとこの心持ちで仕事をしていました。


そして、その結果、またうつが悪化し、
成すすべなく、数年間鬱々としながら過ごしていました。


その間に、結婚・妊娠・出産を経験。
産休から復帰したときは、仕事から離れていたブランクも乗っかったため、余計に仕事に必要な知識が吹き飛んでいて自信喪失でした。


でも、徐々に…
本当に徐々にですが…
そんな自分に嫌気がさすようになっていました。


いつまでこんなに自分を嫌って、他人の目を気にしながら生きればいいんだろう。

こんな親の姿を見た子供は何を感じるだろう?

子供には
『やりたいことをやって、活き活きと過ごしていて欲しい』と欲しいと願っているのに、

それをやれていない自分の言葉にチカラはあるのか?


そう考えるようになりました。

何度も考え、何度も夫に胸の内を話しました。
何度泣いたか分かりません。


そして、いつしか、私は『カッコいい背中を見せられるママになる』という結論に至りました。



それからは、自分の知識を実生活に組み込み、トライ&エラーを繰り返し増した。

・認知行動療法
・作業療法
・ジャーナリング
・整体やリラクゼーション
・人に話を聞いてもらう
・日々のデータを取る
・生活スケジュールの再構築
・セルフカウンセリング


色々な方法を思い出し・調べ、実践し、その結果をデータとして記録・蓄積しました。
そうするなかで、
自分がどんな生活スタイルをしている時にどんな症状が現れやすいのか
出てきた種々の症状に対して、どの対処方法が有効なのか
どのタイミングで対処や先手を打つと症状に進行していくのを食い止められるのか
が分かるようになりました。


私は、基本的には、認知行動療法の考えに乗っ取った考え方をしました。
うつ症状が重い場合は、行動療法から開始し、軽減していくにつれて少しずつ認知療法を併用・移行していく。


行動できないのがうつなんだよって思いました?


そうです。行動できないのはうつの症状によるものの場合も十分にあります。
しかし、それは急性期~回復期前期。
この時の私は、職場復帰を果たして、一応寝食が満たされていた状態が数年続いていたので、回復期後期~寛解を行ったり来たりしていた時期だったと思われます。


ですので、行動できないのはうつの症状!と言ってしまうには、少々ズレがありました。

つまり、
「行動できないのはうつの症状!」は正解であり、不正解。



他には
「行動できないのはうつの症状だ!っていうのが不正解っていうなら、それは甘えだっていいたいの!?」
と思われる方もいると思います。

これに関してはNOという返答です。



先ほど私を例に挙げたように、回復期後期~寛解にあたる状態なのであれば、行動的技法・認知的技法に取り組むことが、回復へのステップとなります。

でも、それが難しい場合は、おそらく防衛機制と呼ばれる心を守る仕組みの一つである”逃避”によって、うつ症状解決に向けての行動から離れることが必要だと判断されたからでしょう。


別に、あなた個人が甘えてるとか、そういうことではありません。
逃避というシステムが自動的に働いてるだけ。


話を、私が実践したことへ戻しますね。

最初はまず行動から変えていくことが必要。
私がやって効果があったと実感できた行動的技法は、
・睡眠を多く取れるようルーティンを組んで実行する。
・段階的に仕事の目標の高さを調整する。
・ジャーリングやセルフカウンセリングで思考のデトックスをする。
・音楽を聴いて、その歌詞から潜在意識に触れて感情のデトックスをする。
・整体に通う、ヨガを5分だけする等の体を癒すことをする。
・イメージリハーサルをする
・アサーショントレーニングをする
・日々の簡単な記録をつける(睡眠、水分量、排便状況、心の温度)


認知的技法で効果があったと実感できたのは、
・セルフモニタリング(ココロの体温計の記録と行動記録)
・負のスパイラルを可視化する
・7つのコラム法を用いて、考え方のバランスをとる



特に効果を実感したのは、考えや気持ちを書き出す・記録することでした。
書き出してみると、自分のことが、半分他人事のように見えるんです。


仕事中にパニック気味になった時も、この方法に助けられました。
手のひらより小さめの付箋に、
何があったのかエピソードを書き、
どんな気持ちになったかを%で複数列挙し、
どういう考えが浮かんだのかを言語化し、
サポートしてくれる人や物を見つけ出し、
心の働きの基盤となる生活や体に、普段と違う部分がないかを洗い出して原因を一部そちらのせいとすることで、自責が深刻化しないよう割り切る。

慣れると、これを全部やっても、5分くらい。
これが更に慣れてくると、途中までで気持ちが整理され、普通運行に戻れる。
習慣化してきたら、もう頭の中でポンポンポンと考え、行動に移したり割り切ったりできるんです。



そのおかげで、今では短時間で、自分の気持ちを受け止められたり、解決策を閃いたり、踏ん切りがついたり、サポートしてくれる何かが見えたり。
そもそも、うつ病による強制的な不安の連想ゲームをスタートしなくなりました。


私は、行動的技法と認知的技法をその都度使い分け、併用していくことで、
がちがちに凝り固まった思考・感情・行動・体がほぐれ、
良い結果や、自由な時間、穏やかな安心できる人間関係を築くことができました。



現在は病前と比較することはめっきりなくなりました。
というか、病前よりも自分のことを知っているし、受け入れている。


一言で言うとすれば、メンタルがタフになりました。


まとめですが、
回復するポイントとして、
根拠があること・一般的に言われていることを鵜呑みにしたり、知識として置いておくのではなく、

実践してみて、
・自分に効果があることは何なのか
・どうすれば取り入れて続けられるのか
・どういう状態でどういうことが適切なのか

これを事細かにやって整理・分析することが回復への糸口。


もちろん、今もタフさのレベル上げ中で、とどまることはないんじゃないかと思います。


今では胸を張って言える。
「やりたいことをやって、やりたいように生きればいい」と。
あなたが心から望むことを本気で取り組めたら、あなた自身が幸せになれるだけじゃなく、あなたの大切な人達も幸せにすることができる。



きっと、言葉だけでなく、
背中をみて、肌感としても納得できるんじゃないかな。

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