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人生とは一つの織物のようである

もう一つの私のブログにこんな記事を載せてました。

人生、目の前の出来事ばかりを見ていると、つながりがわかりづらいです。年老いてから振り返ると出来事がつながっていて、こうなるるためにあれが起こったんだなと思えます。

「過去にあれが起こったから今がある」というのはよく言います。その見方を逆にして「未来にこうなることになっていたから、過去にあれが起こったんだ」と考えることもできます。すると「未来に何を見ているか?」が大事になってきます。それによって今の受け取り方が決まりますから。
・・・そんな話を書いたのですが、その後こちらに記事に出会いました。

私は物語制作をしたことないのですが、とても勉強になりました。物語の作り方が先ほど書いた未来を設定する話と似ていたので面白いなと思いました。

「フラッシュフォワード」という技術があるそうです。それは、「未来の緊迫したシーン」の一部を、物語の冒頭に持ってくるテクニックなんだそうです。
『鬼滅の刃』の最初の1ページが、このフラッシュフォワードになっていると解説されています。読者は未来に起こった出来事を先に知ります。と言っても読者は現在進行形で読んでますが。その後、それ以前に何が起こってそのシーンになったかを読むことになります。

過去も未来も、現在にある

私たちの人生において、過去のトラウマになった出来事は、その先の人生に大きな影響を与えます。そうであるならば、未来のインパクトの強い出来事が現在に向かって影響を与えていると考えることもできます。

時間を「過去→未来」の1方向に流れていると思うとそれはありませんが、時間が「未来→現在」に流れていると思えるのであれば、その仮説は成り立ちます。
また、時間は幻想であり、過去も現在も未来も今この瞬間にしかない、あるいは、いつもすべてが存在していると考えることもできます。
過去も未来も、今この瞬間、意識を向けることで私たちの中に存在します。そういう意味では、過去も未来も、今現在にしかありません。

私たちは今におらず、未来と過去を行ったり来たりしている

映画でもマンガでも、物語では時間が行ったり来たりします。「物語では」というより、普段私たちがしていることですね。

「今ここ」という言葉が以前はやりましたが、私たちが「今ここ」にいることはあまりありません。「夕食は何を作ろうか?」「あの人はなんであんなことで怒ったんだろうな?」「この先、日本はどうなっていくのだろう?」というように、過去のことか、未来のことを考えていることが多いです。

「今、私は歩いている。右足が前に出て、まずかかとが地面につき、今、目の前を赤ジャケットの人が通った、、」と今この瞬間に起こっていることだけに集中している人は少ないです。何か考えことをしているか、ぼーっとしているかです。
考え事をしている時には、今目の前で起こっていることではなく、仕事のことや人間関係、未来のこと、過去のことなどについて考えていることが多いです。

前述の鬼滅の刃の記事を読むと、最初に読者を惹きつけるための工夫が念入りにされていることがわかります。読者は、緊迫した何かが起きたことを知り、それはなんなのか?を過去に遡って知ることになります。

登場人物が切羽詰まった場面に直面すると、その人物の過去の出来事が回想される設定はよくあります。その人物にはこういう事情があった、だから今こうしている、というエピソードを流します。そこで読者は「ああ、そういうことがあったのか」と知ったり思い出して感情移入します。そしてその人物は、そのエピソードをバネに全力を出し始めます。

物語の外に出てみると、未来も過去もつながっていく

物語内の登場人物は、その物語の「今」にいるわけですが、読者である私たちはストーリーを読みながら、登場人物や物語の過去や未来を行き来します。物語を作る側になるともっと行き来しながら、過去と未来の出来事をつなげていきます。そうやって物語を組み立てていける人はすごいなーと思います。

登場人物はその物語上の現在にいて、読者はその時系列の外にいて、作者はそれを操り、生み出す側です。
自分の人生において、たいてい私たちは登場人物として人生を過ごしていますから、現在地の自分視点のままです。ということは、時間も自分に流れる時間軸上にいます。
自分を達観できる人は、読者視点に立ち、自分と人生を眺めることができます。そして作者的な立場にに立ち、どうすれば、もっと主人公(自分)や登場人物を生かせるか?と考えます。

未来ビジョンから自分の人生物語を作っていこう

現実的な話、今のままの自分でいると、自分の未来はきっとこうなっていくんだろうな〜という予測は立ちます。「自分はこういう未来にしたい」「こういうことをやっていきたい」という願望があれば、そのために今できることをやっていきます。未来ビジョンを持つのなら、そこに向けてストーリーを作っていけます。

しかし、ストーリーを作ったとしても、現実はそのストーリー通りになるとは限りません。自分の予測通りになるということは、今の自分の範囲内(今の自分が想像できること)になります。ということは、実は「今のままの自分でいると、未来はきっとこうなっていくんだろうな〜」という現状維持が続いていることになります。
先が予測できるのであれば、マンガとしても読み応えがありません。予測がつかなかったり、予測を裏切られるから、続きを読みたいと思います。

無意識にしていることに意識を向けてみよう

物語を読むのであればいいけれど、自分の人生が波乱万丈になるのはちょっと、、、と思う人も多いでしょう。にしても、未来に何を設定しているか?、とくに意図せず設定していることには注意を向けたがいいです。

意図せずに設定していることは、あえて知ろうとしない限りは気づけません。盲点になっています。人生で同じパターンをくりかえしている場合、何かに気づいていないから同じことを繰り返します。「それに気づきなさいよ」というサインが出されているとも言えます。

その答えは、自分が日頃何を考えているのか? 思い描いているのか? どんな言葉を自分に語りかけているのか? を観察することにより見えてきます。そしてそれを知ることで、自分の人生に変化をもたらすことができます。

物語の作者が、その物語のゴールに向かってストーリーを編み込んでいくように、あなたもあなたの人生のゴールに向けて、どういう風にストーリーを展開し、仕上げていくのか? 一つだけでなく、いくつかの可能性を物語風に書いてみると楽しいと思います。

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