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長瀞と鮎の串焼きとPOTATO CHIP

四季の中で秋が嫌いだ。というよりも秋に興味はない。なんともつまらない季節。紅葉なんてどうでもよい。紅葉を見てなにが楽しいのだろう。

11月。秩父の長瀞(ながとろ)にいる。長瀞は渓谷で観光客を乗せて船がゆらゆらと往く。木々が色づいている。秋を楽しめる人は幸せな人だと思う。春の予感や、夏の冒険や、冬の沈黙を経験して、あとは紅葉を眺めるだけの人たち。人生の終わりの季節があるとすれば、それは秋だと思う。自分は秋を楽しめるほど達観する気がない。

長瀞は埼玉県にある。都心からだと、池袋から小川町まで東武東上線の特急でちょうど60分。小川町から寄居まで16分。寄居で秩父鉄道に乗り換えて4駅目が長瀞。

野上駅にて

長瀞の一つ手前の駅、野上で降りて、長瀞駅の近くまで歩くことにした。野上駅は人もほとんどいない。長瀞駅までの道はなにもない。ただ天気がよく静か。

セメント原料の石灰石を運んでいるもよう

途中、セメント列車が通り過ぎる。秩父といえば、セメント。原料の石灰石がどこで採れるのかは知らない。セメント列車以外、見るべきものもなく、長瀞駅の近くまで来た。

地図のくねくねした水色の細い帯が川
長瀞駅に貼ってあったポスター。個人的には土屋太鳳が出てた「ちちんぶいぶい秩父」の広告の方が好き。

駅のそばに土産物屋と食堂が並び、かなりの賑わい。駅そばに駐車場もあるから車で来る人が多いのか。漬物、味噌、豆を売っている店とか、かき氷、あと、かつとか蕎麦が食べられる店とか、他にもいろいろある。

お漬物がいろいろ

わらじかつ丼は食べたことあるけど、そば、炙り豚みそ重はない。っていうか、炙り豚みそ重は本当に名物なのか?

かつ丼を食べたかったけど、この1カ月半で68.5kgから61.8kgまで減量したので、かつごときで体重が増えるのはくやしいのでスルー。NAGATORO POTATO CHIPSというのがあったので買ってみた。

正式名称は「NAGATORO POTATO CHIPS SMOKED AYU FISH FLAVOR 長瀞ポテトチップス 鮎の燻製風味」。芳醇な燻製の香りと塩焼きされた鮎の風味にポテトの甘味が調和した長瀞オリジナルのポテトチップスだそうだ。

一枚食べてみた。ただの塩味ポテトチップスと何が違うのかわからなかったけど、空きっ腹には美味しい、袋がかわいい。そして別の店では鮎が串に刺されて炭火で炙られている。

この鮎を焼いている感じが好き。鮎は愛知県産かつ養殖物のようだけど、そんなことはどうでもよくて風情があって素敵。って、食べなかったけど。

鮎のキャンプファイヤー。マイムマイムの音楽が聞こえてきそう。並びが美しい

鮎焼きはいろいろな観光地で見かけるけど、なぜ鮎なのか。たいがい地元産じゃないだろう、とか思ったけど、そんなことはどうでもいいか。肉をこんなふうにして焼いてるのは見たことないけど……。

川の方に行ってみた。このあたりは岩畳という、畳を一面に敷き詰めたような岩が並んでいる。

駅まで戻る。長瀞駅はこじんまりして趣がある。

長瀞駅からは徒歩で宝登山神社まで行ける。秩父では大きい神社のよう。神社への途中、ゆずが100円で売られていた。

長瀞ではかき氷の旗や看板をところどころで見かける。阿左美冷蔵という秩父の天然氷を使った店が人気らしい。神社の途中にある店は人が並んでいた。

神社に参拝して、おみくじを引く。

第四十七番 中吉
ながむれば ながむる花のあるものを 空しき枝にうぐいすのなく

なんとなく、秋にふさわしい和歌だと思い、帰途に着いた。

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