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弔いの卵スープ(掌と小吐#2)
ぱしゃっ
ぱしゃっ
ぱしゃっ
滑り落ちた卵が3つ。
溜まったままだった洗い物の食器や鍋に
まばらに落ちてわれている。
1つは排水溝に流れたが
1つは割れた殻の中で潰れた黄身が残っていた
1つはシンクにたまたま置いていた空き瓶の蓋に綺麗に黄味だけが着地
卵1つの価値とはいくらくらいだろう?
捨てる?
捨てない?
その選択の判断基準は人によって様々なのだろう。
あなたならどうする?
俺なら。。
「たまご-加湿修正ver.-」(掌と小吐#2)
-「傘がない」と言う素晴らしい名曲に愛とリスペクトを込めて。D.jouka-
今、僕はとても悲しい
悲しいと言う現象にも様々な種類がある
ニュースで流れた若者の自殺
我が国全土における出生率と死亡率の比率
だけども今日は曇りの空
だけれども
この間いつぶりかに降った雨は土砂降り
なのにそれなのに傘がない だとか
だけども
だけども
いくらだけども
あの女は全然振り向いちゃくれない
だ
-月夜の口笛-(掌と小吐#1)
月がやたらと大きな夜。
人気の無い路地でふいに聞こえた口笛のメロディーが耳にこびり着いて離れない。
不協和音と形容するには未だ聞いては居られるがそれでも歪な音階。
この曲を私は知っている。
あの大きな月と同じように。