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弔いの卵スープ(掌と小吐#2)

ぱしゃっ
ぱしゃっ
ぱしゃっ

滑り落ちた卵が3つ。
溜まったままだった洗い物の食器や鍋に
まばらに落ちてわれている。
1つは排水溝に流れたが
1つは割れた殻の中で潰れた黄身が残っていた
1つはシンクにたまたま置いていた空き瓶の蓋に綺麗に黄味だけが着地

卵1つの価値とはいくらくらいだろう?

捨てる?
捨てない?
その選択の判断基準は人によって様々なのだろう。

あなたならどうする?
俺なら。。。。



救出した黄身2つとほんの少しの白身をといた
卵味噌汁を有り難く頂く。
卵味噌汁?
汁という文字がイマイチ気に入らない。
卵スープ。
あぁそうだ。
卵スープだ。
一人暮らしも長くなった今でこそ、味噌汁も好きではあるが
昔からポタージュスープや
コンソメスープの方が好きだった。

そもそも汁という名前がいけない。
そう、全ては汁という文字のせいだった。

しかしながら、「味噌汁」は
味噌汁でないといけない。
それはやはり伝統を重んじた結果、
「味噌汁」という名前が現在まで残っているからである。
しかしやはり「汁」という文字はどうも貧乏臭く、そして時に横暴に思えてしまうのだった。
いや、それでもいまでは味噌汁が好きと言うことにすら抵抗はない。
味噌汁でいて何が悪い?
味噌汁でいい。
味噌汁以外にしっくりとくる名前などこの世にあるのだろうか?

例えば、、そうだな、邪道かもしれないが
失礼極まりないのを百も承知で
汁をスープに言い換えてみる。

「味噌スープ」

しっくり、、、






きた。。。


何かを得るためには何かを捨てなければならない。
しかし時にその代償は余りにも小さく感じる事も世の中にあると知った。
そんな「食」とはとても尊いものである

味噌スープに卵を溶いた卵スープを頂く。
上手い。
生きていると実感する。
合掌。

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