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浅草の『松風』が営業してた当時の話

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作品のモデルになっている場所は現在は居抜きで別の店舗が営業していますが、『松風』は10年ほど前に閉店しました。
今みたいに大衆チェーンが流行る前、1つの店で長居をするのが野暮だった時代があり、当時は「はしご」が前提です。

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カウンターには日本酒の一升瓶がズラリと並び、やたらと人数の多い店員が二軒目の食事に合わせて日本酒をチョイスします。
あくまで一軒目なので料理はなく、昆布の佃煮か味噌かなにかが少しついてくる程度。

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初期の寿司や屋や天ぷら屋が、ちょっとつまんでさっと出るスタイルだったように、『松風』もそうでした。

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ちなみに作品には男性しか描かれていませんが、松風に限らず当時の飲み屋は女子供は入りづらかったようです。
GHQ以降、食のイニシアティブは徐々に女性に移り、江戸の食文化は変わっていくそうです。

※内容は小林豊の記憶を再構成したものです。事実と異なる可能性ございます。

えほん 東京(2019年3月)

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