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「装いの力 異性装の日本史」渋谷区松濤美術館は女装必見

話題の展覧会「異性装の日本史」を見に渋谷区立松濤美術館行ってきました!
平均的(?)女装者としてつらつら感想を書いてきます。ほぼ撮影不可なので文字メインです。
とにかく激混み。週末と最終週は予約制なので、これから会期末&ハロウィンに向けてさらに混みそうです。上野の東京藝大美術館でやった伊藤若冲の動植綵絵くらい混雑してたけど、観客の年齢層は半世紀くらい若かった(笑)
女装の歴史はわりと調べたり本読んだりして知ってる方だと思ってたけど、知らないことばかりでした。
神話〜江戸時代の第1会場と、近現代の第2会場にわかれてます。歌舞伎の印象から江戸以前って異性装って言うても、だいたい女装(男装は少ない)でしょと思い込んでたけど、男装が結構多かったことに、へぇでした。
平安時代はむしろ異性装というと男装だったそうです。東ワラワ(東豎子)と言って、ふだんは十二単着てるバリキャリおばさん(5位なので偉い)が天皇の行列のときだけは男装する役目があったんだとか。東博で見たばかりの元時代の宮女図(の複写)を思い出しました。

東博に展示の宮女図複製

室町後半〜江戸前半の役者を描いた絵では、女装とされてるのが実は女で、男装とされてるのが若い男ってのが結構あるんじゃないかなぁと思いました。ビジュアルでわからないから、江戸幕府のお偉い(エロい)さんが「ベッドで騙されちゃかなわん」と規制して男性のみの歌舞伎になったんでは?とか

現代の女装(男装はよく知らん)については、かなりのレイヤーの深さまでこの世界の多様性を理解(たとえば趣味女装とゲイ由来のドラァグクイーンの違いも分かる人が見れば分かる)して、かつ多方面にめちゃくちゃ気を使ってるなぁ(笑)と思いました。学芸員さんお疲れさまです。

唯一の撮影可能ポイント


ただ一つキュレーションの難点を言えば、女装をアートの手段にしてる芸術家って森村泰昌さんしかいないんかい?!ってことくらいです。ともかく全ての女装者にオススメの展覧会です。
https://shoto-museum.jp/exhibitions/197iseisou/

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