見出し画像

そうだ京都に行こう 女装(森村泰昌)を見に

近ごろすっかり女装することがない。十年前は女装すること自体が困難で困難で、女装したくてたまらなかった。しかし、今は女装すること自体は技術的にも環境的にも難しくはありません。単に女装したい欲求が無いのです。
陶芸家が一度竈の火を落とすと再開するのが難しいと言うように、一度消した情熱を燃やすには、燃料集めから始めないといけないようです。そう、女装欲を溜めるところから。
レインボーパレードのドラァグクイーンを見るのではなんの刺激にもなりそうにありません、私には。女装が必要だ。そうだ京都行こう!
ということで、前置きが長くなりましたが、わざわざ京都まで女装を見に行きました。「森村泰昌 ワタシの迷宮劇場」展が開かれている京都市京セラ美術館です。

京セラ美術館

最近アートや伝統芸能に目覚めた私が森村泰昌を知ったのは去年の冬のこと。アーティゾン美術館(東京駅の八重洲側)で「M式「海の幸」 森村泰昌 ワタシガタリの神話」展を見に行きました。


これで感銘を受けたからなのか、その後、年末に一度女装しました。

しかし、それも、続かず。むしろ、上の記事に書いたように、同時期に女装デビューした妹のさきちゃんの女装引退で、むしろ、私から女装欲が決定的に枯渇したのです。

京都に行くよりも、浅草の御用邸に行ったほうが女装できるのに。今の私はなにか温泉を掘りあてるような、欲望の源泉を探し求めて、迷走しているのです。

ワタシも迷宮

森村泰昌を知ってわずか半年ですが、大変に不思議なことに、ツィッター検索しても、森村泰昌と女装が不思議と関連付けられていないのです。
アーティゾンのときもですが、ポスターとかみると、むしろ男性のコスプレをする芸術家として押し出されています。
この辺はなんでしょうか?
しかし、私には分かってます森村泰昌が女装家であることは!

会場は入り口が5つか6つあってどこから入ってもいいし、どの順で見ても良いという迷宮仕様。

どこからでもどうぞという一番困るやつ

中には森村泰昌が撮りためた800枚のポラ写真が延々と並んでます。

こんな感じで時系列とかも無く

やはり女装メインである

一通り見て思ったのは、やっぱり森村泰昌は女装家である、ということ。女装の写真が圧倒的に多いのです。あー、女装するのが好きなんだなぁと。

例のフェルメール
女装サロン「エリザベス」で撮影していた私たちとの違いはほとんど無い
友達のツィッターで見る自撮りのような

前のnoteで、森村泰昌はノンセックス女装と書きましたが、そこはちょっと修正。きっと若い頃の作品でしょうか、エロい写真もそこそこにありましたね。
当初はエロスの要素も同居していたけど、年を取ったからか、芸術家としての地位が高くなったからか、エロさを前面に出さなくなってきたのかもしれません。解説の類がゼロの展示なので、なんとも想像するだけですが。

マリリンモンローのスカートが下からの風でめくり上がり性器がポロン

メイク動画 動く女装

インスタレーションが3つあります。衣装の現物が並ぶ覗き部屋と、大正ロマン風耽美小説の朗読(この部屋だけ撮影不可、あとは撮影自由にオッケー)、メイク動画と女装バージョンばかりのキャラたちが動く映像部屋の3コーナー。

覗き部屋的なインスタレーション

覗き部屋と朗読部屋については、レビューやツィッターの感想など複数あるのですが、メイク動画&動く女装子動画コーナーについては、寡聞にしてレビューや感想を見たことがありません。

同じ女装とすると、ウィッグネットをがちがちにテーピングしていたり、いろいろお役立ちなハウツー動画でありましたが、隣にいる女性たちはなんとも微妙な表情。朗読インスタレーションの終わったあとの納得感とはえらい差かあったのも印象的です。

※追記 noteで検索したらありました!


ノンケはなにを求めて森村泰昌を見るのか?

これなんか私の好みのベレー帽スタイル

子供と女装以外の老若男女が来ていたけど、若いアート好きカップルみたいなのは分かるけど、淑女が結構多くいて、どういうつもりでこれを見てるのか聞きたくなりました。ノンケ男性にも。

一気に女装欲が芽生えるまでは行きませんでしたが、女装の種蒔きにはなりました。






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?