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【Zatsu】軽作業バイトの想い出

7月も終わりが近づき、人によってはもう夏休みでしょうか。今年の夏はこんな感染状況もあって外出予定はないんですけど、コロナが流行はやる前は長期休暇を取って泊りがけで旅行とか、珍しくもなかったですよね。

夏に浮かれるのは社会人も学生も同じで、自分も学生時代には夏休みの資金作りでこの時期に日雇いバイトを結構突っ込んだ記憶があります。普段からバイトはしていたんだけど、まとまった旅行費用を工面するにはそれだけじゃ足りないのよ。

ところが、男性で日雇いバイトっていうと、もう体力系しかない(最近はどうか知らんが)。しかたなく友だちと3人で軽作業バイトに応募した。勤務先につくと3階建ての作業場へ案内された。建物はふたつあるらしいんだけど、おれらはB棟に配属。
そして社員さんから作業の説明を受ける。要するに箱詰めだね。部屋の中にはベルトコンベヤーが配置されていて、作業者は流れてくる雑誌やらなんやらを決まった大きさの段ボールへ詰めていくという作業。

作業自体は単調なので体感時間が長く、すぐに飽きてくるんだけれど、よくできたもんで機械がオンボロのため頻繁に故障する。ブザーが鳴ってパトランプがまわるとベルトコンベヤーがとまる。社員さんが飛んできて機械修理。終わるまで10分休憩なんだ。みんな持ち場を離れて、部屋のすみにあるイスに座りながら各々おしゃべりしたり、お茶やお菓子に手を伸ばす。
じつにまったりした時間。(*´ω`)

「再開しまぁ~す」の声でまた単調な時間がはじまるんだけど、それも長くは続かない。頃合いを見て機械が止まるので、休憩が再開(?)される。だれかがやっているとしか思えないくらい見事なタイミングで故障するんだよ。
そんな職場でひとり、初心者のおれたち3人に優しくしてくれたおばちゃんがいた。仕事のコツを教えてくれるのはもちろん、お茶やお菓子をすすめてくれたり、この職場の経験を面白おかしく話してくれたり。
みんなうちとけて、休憩のあいだワイワイやりながら、おしゃべりに花を咲かせていた。そんなとき、仲間のひとりが笑顔でおばちゃんに訊いたんだ。
「そういえば、ここってB棟ですよね。もうひとつのところはどんな作業やっているんですか?」ホント軽い気持ちで。
そうしたら、それまで明るかったおばちゃんの顔からサーッと表情が消え、鬼神の形相に変わったかと思うと間髪入れずこう叫んだんだ。

「A棟の3階は地獄!!(クワッ)」👹👹👹



この言葉のインパクトよ。
さっきまであんなに柔和だったのに激変。
それとうらはらに男3人の貼り付く笑顔。「は?」

以降、なんか話しかけにくくなっちゃってさ、最後までそのまま。日雇いバイトだったんで、おばちゃんともそれっきりなんだけど、帰りしな友だちとの会話でだれも一切この件に触れなかったことだけ覚えている。
いまだに謎なんだよ。A棟の3階で何が行われていたのか。

そんな体験を、えぇ、しましたですねぇ~(稲川淳二風に)


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