【Zatsu】胃カメラ昇天拳
バリウム検査にかんするnoterさんの記事を読んで、とある記憶が鮮明によみがえってきた。
かつて、1回だけ胃カメラを飲んだことがある。それこそ10年以上も前のハナシ。当時まだ喫煙者だったおれは、のどに違和感をかかえていた。苦しくはないけど、何かひっかかっているような妙な違和感があるのよ。
タバコのことも気がかりだったので、胃カメラで食道を見てもらうことにした。さっそくクリニックを予約。
いってみると、でてきたのはかなり年配のおじいちゃん先生。女性看護師に誘導されて緑色のベッドへ横になると、ふたりともどっかいっちゃった。
壁の向こうで、ふたりでヒソヒソ話しているのよ。
たまに先生のかすれた声で「それはダメッ、ダァメッ」
おいおい、なにやってんだよ。
やめてくれよ。
看護師がでてきた。とびきりの笑顔で近づいてくると、おれの腕に針を刺す。全身麻酔らしい。
部分麻酔と全身麻酔と2パターンあるのは知っていた。部分麻酔が苦しいという噂もきいていたので、これはラッキー。
そうしたら、また行っちゃった。
壁の向こうでヒソヒソ。
たまに「ああ、まただ。またダメダァ」
え? なに? なにがダメなの? ちょっと!
看護師がでてきて、おれにデジタル表示の腕時計をはめる。
「すぐに終わりますからねー(はあと)」
まあいいや。へんなとこ来ちゃったけど、さっさと検査を終わらせて帰ろ。
麻酔が入り始める。
ウトウト、ウトウト。
そういえば、さっき腕時計はめられたな。なんだろう。
ちらっとデジタル盤に目をやると――
「!!!」
先生ーッ へんなんなってる、へんなんなってる!
だめだ、声がでない、頭がぼんやりしてきた
う~ん、むにゃむにゃ
「一瞬ですからねー(クスクス)」
――暗転――
気づくと、おれはベッドの上でぼーっとしていた。
先生いわく、とくにのどに異常はなかったそうで、写真もいくつか見せてもらったけど、んなこたぁ、どうでもいい。あのまま昇天しなかったことだけだよ。感謝しかない。
それ以来、おれは一度も胃カメラを飲んでいません。
88:88:88
(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル