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足尾銅山をゆく(栃木)

2023年6月16日(金)
朝起きて思い出したんです。
あ、そういえば今日は有休をとっているんだった。

予定:あいている
天気:すこぶる快晴
資金:あんまりない、ケド
興味:無尽蔵

さいわいなことに(?)まだ朝の6時半。となれば、この可能性を活かさない手はない。PCのデスクトップにメモしてある「時間ができたら訪問したいリスト」にあがっている足尾銅山へロックオン。東京都内からなんとか日帰りでも行ける距離にあるということは、すでに調査済みだ。

早々に身支度を済ませると、おれは感性のおもむくままに(無計画なまま)表に飛び出したのだった。


JR新宿駅に到着~。おや、スーツ姿の方がたくさん見えますね。お仕事ですか、おつかれさまです、おれは有休ですけど。あ、そんなに駆け込まないでください。あぶないですよ。おれはゆっくりいかせていただきます、有休なんで。
新宿===>🚃移動中🚃===>日光


到着~。ええと、一言いいですか? 遠いよ😵‍💫


とりあえず、駅名看板。親子連れが大撮影大会を繰り広げていたので、遠慮がちにアングルを調節しながらパチリ。


観光地名物、顔出し看板です。左右のおサルさんと運転手はわかるけど、中央の列車窓に写る人はどういう役回りなのだろうか。「言わザル」の口元が隠れていないのも見逃せません。


駅の正面玄関は豪奢なつくりになっていて――


天井絵も歴史を感じさせる画風で……って、あれちょっと違うな😅


駅前は静かで緑も多い。


足尾銅山まではバスもあるんですが本数が非常に少ないため、次はあと数時間後。車で40分くらいかかるので、駅前でタクシーを拾う。街を出て坂を上り、山の中のトンネルを突っ切ります。


山間部を抜けてひたすら疾走する。


ようやく到着! タクシーのおっちゃんと別れ、さっそく坑道へ向かいます。


メインゲート。これこれ、Webで見たやつだ。


さあ! 出発じゃ。口の中が真っ黒な工夫に促され、ゲートをくぐります。


道なりに進んでいくと、入坑券売場の看板が見えてきました。


右手の窓口でチケットを購入し、いざステーションへ。


ここでトロッコ列車の到着を待ちます。中はガラーンとしており人の気配がないな。


もっとも、平日の午前中だしね。


ステーション内をぶらぶら見学していると、お、なんだなんだ、おもむろにトロッコが入構してきました。でも、まだ構内アナウンスはなく、しばらく待たされるようです。


列車の前に鎮座する工夫のフィギュア2体。


当時の生活が偲ばれます。つまり酒やバクチを提供するやつもいた、ってことだな😚


ステーション内は展示物もいろいろ。人形もあれば絵画、採掘した岩石のサンプル、イベントポスター。テイストもばらばらなんだけれど、なかでもこの絵は異彩を放っていて惹かれた。


けっこう小刻みに運行しているのね。つぎは11:30。まもなく。


イメージキャラクターでしょうか。よくわかりません。家族そろってこじらせているんだな。近所に住んでいたら、ちょっと困ったことになりそうです。


近くの「わたらせ渓谷鐵道」がこの夏に実施するイベント。ちょっと面白そう。そうこうするうちに係員の人がきて、「どうぞお乗りくださ~い」とトロッコへ案内してくれました。よし行こう、地底探検へ。お客さんは……おれひとりか。


音量注意!


いよいよ、暗闇の世界へ突入します


ものっすごくヒンヤリする。伝わりますかね、この空気。きょうは初夏の陽気で表もけっこう暑いんだけれど、ここは別世界。ピチョンピチョンという水滴と、スピーカーの反響にわくわくが止まらない。


これが乗ってきたトロッコです。あらためて見ると、なかなか華奢だな😝


大昔の工夫がさっそく出迎えてくれます。


よし、先を急ごう。坑道内禁煙? そりゃそうだろ。


正面にエントランスが。


なになに、この先1,200km以上ある? ちょっと待ってよと思ってよく見たら、この鉄格子の先がってことか。見学ルートがそんなに長いのかと思って、少しあせったわ。


丁寧に案内標識が出ています。ハイハイ、右に行けばいいのね。


薄暗い坑道にただ一人。ほかに人の気配がありません。ん? 左前方に何か発見。


いきなりでてくんな。ZOMBIE TRAINよりこっちのほうがドキッとするわ。


音量注意!

この時代にも出川哲郎みたいな人がいたんだな。


こんな場所もある。思わず体が左に傾いてしまう。わかります?😛


飲んだらダメよ、の注意書きがあるので、あしもとを見てみると――


四角い木枠のなかに水たまり。どうみても飲料には適さないけれど、まあハッキリ書かないとやらかしちゃう「困ったさん」がいるんだろうね。


道すがら、あちこちで電動人形が寸劇を演じています。おじちゃん、手元に何か持っていたの?


これか。薔薇の図柄のアルマイト。しぶい弁当箱だな。


わき道に入るとお社……。他所の坑道でもあったな。やっぱり危険と隣りあわせの仕事だからね、安全祈願の意味もあったんだろうか。


音量注意!

一瞬遅れて風が吹いてくるという凝った演出。これ、けっこう気に入って3回くらいやってしまいました😁。



にぎにぎしく自分を盛り立てながら探索を続けているんだけれど、ふとギミックが途切れた瞬間、静寂が訪れてここにおれ独りなんだということをいやでも実感させられる😑


遠目にはリアルの人間に見えるんだ。で、動いていないのを確認して「ああ、人形か」となる。


でも、ぱっと見は区別できないんだよ。すみません、どうしました? さっきからじっとしていますけど、具合でも悪いんですか?


すみま……ワーッ、怖いよー!😱


ゼーハー、ゼーハー。よ、ようやく、出口かな?


湿っぽい坑道から一転、資料の展示室が現れました。


銅山の歴史やら、産出された鉱物の解説やらが展示されている。


つかの間の小休止を終え、探検もいよいよ佳境へ。


近代の坑道。ケーブルが渡り天井は補強された。


採掘された鉱石の見本が並ぶ。


奥にはうっすらと光が――✨


⚠️音量注意!(本当に)⚠️

ビクゥッΣ(゚ω゚ノ)ノ


坑道を抜けてもおとこたちの熱演は続く


音量注意!

良い子はマネしないように


実際に使われていたトロッコ列車が展示されている。カゴは工夫を、後ろの荷台は採掘した岩石を載せたんだな。


しばらくいくと、別の建物がありました。


鋳銭座。いまでいう造幣局だね。コインを作っているところです。


入館すると、まずは正面入り口でお侍さんがごあいさつ。それにしても左側の顔を上げている人、腕の位置おかしくない? 肩幅せますぎだろ。どうなってんのよ。


盗難防止のため、作業者は全員裸でチェックされる。刑務所並みの厳しさです。


持ちやすい形状だからか、そこまで重たく感じなかった。


鋳銭座を出て、巨大な寛永通宝のオブジェを眺めつつ出口を目指す。


きょうは汗ばむほどの暑さ。ひたすら階段を上ります🥵


脱力するようなダジャレでフィナーレ! 銅いたしまして。


と思ったら、最後におみやげコーナーが待っていた。たったひとり迷い込んできた男を、売り場のおじちゃん、おばちゃん3人がフォーメーションを組んでアタックしてきます。来るッ!


おいしそうだったので、レモン牛乳タルトを購入。そして、オリジナル缶バッヂも。おっちゃんの手が写りこんでおります🥴


おみやげ売り場を後にして先へ進む。起きてから何も食っていないので食事をと思って覗いてみたんだが――


ここはCLOSEしてしまったようです


しゃーない、表に出よう。


表に出ると小さな神社がありました


素朴なたたずまい。


表情が特徴的な狛犬です


なんだか憎めないね


日光仮面? あれ、キミ、トロッコ乗り場のステーションにいた、やらかし家族じゃん。日光のマスコットキャラクターだったのね。


文化交流館という施設もあったんだけれど


きょうはお休みです


足尾銅山は世界遺産登録へ向けて活動中。過去の遺構としてというよりも、公害対策が今でも続いている遺産として、ということらしい。足尾銅山鉱毒事件の余波は今にも続いており、現在でも浄水処理が行われているんだって。来るときにタクシーのおっちゃんが教えてくれました。


少し歩くと、ZOMBIE TRAINが開催される「わたらせ渓谷鐵道」の駅、通洞駅があります。


駅舎の中は販促物やらポスターやら、とにかく情報量が多い。で、さっきからタクシーを探しているんだけれど、さすがに平日このあたりに停まって客待ちしているタクシーはいないな。日光駅前とは状況が違う。タクシーアプリで呼んでもいいんだけれど、送迎料金かかるみたいだし。


日光駅方面は13:15だから、あと30分以上ある。けれど仕方ない、待つとするか😩。


そうこうしていると、大型バスが乗り付けて、なかから修学旅行生が出てきました。大量の子どもたちが、坑道へ吸い込まれていきます。人形にイタズラすんなよ🥳。


バスに乗り、無事に日光駅へ戻ってきました。ただいま午後2:15。ここからさらに3時間以上かけてまた東京へ戻ります。いやぁ、ひさしぶりの日光。訪れた場所は足尾銅山だけです!


今回の戦利品たち。タルトクッキーが意外に楽しみ。ちょっと紅茶いれてくる😋

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