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思考のきろく

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雑談、妄言、コラムニストのまね。
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#ぞくっとした想い出

【Zatsu】ぞくっとした想い出 9

以前に転勤で関西地方に住んでいた時のこと。 会社からの転勤指示があまりに急でマンションを探す時間もなく、時期も中途半端で空き物件がなかった。そこで、しばらくのあいだ現地のマンスリーマンションに滞在しながらゆっくり部屋探しをしていたんです。 自分の場合、部屋探しをするときは最低限の条件だけ指定して、ふるいにかけながら候補を絞っていくんだけれど、並行して例のサイトもチェックしておく。そう、「大島てる」です。 ご存じの方も多いと思いますが、一応書いておくと「大島てる」は事故物

【Zatsu】ぞくっとした想い出 8

数年前まで、鹿児島に赴任していました。 常に仕事に追われて心身とも疲弊していたから、休日はひたすら温泉で黙浴しながら疲れをいやすという、行者のような毎日でしたね。 でも社屋は比較的きれいで設備環境も悪くない。職場のセキュリティにも最新設備が導入されていた。深夜に室内で人の体温を感知すると赤外線モニタが起動して侵入者を自動録画するという、やや過剰な防犯設備もあった。明らかにオーバースペック😅。 伝導マグネットロックって知ってます? 職場の入口扉は強力な電気磁石でロックされて

【Zatsu】ぞくっとした想い出 7

前回登場したM君(小学校時代の友人)との想い出をもうひとつ。 うちの小学校ではクラスの親同士もそれなりに交流があり、週末には子どもたちがだれかの家へ泊まりに行くなんてこともたびたびあった。 大人数で食事したり、お菓子やジュースに囲まれて遅くまでテレビゲームしたり、各家庭の教育方針もまちまちだから泊まり先によって制約はあるんだけれど、それなりに緩く楽しい時間を過ごせたんだ。寝る場所も、床に雑魚寝で構わなかったし。下町だからなのか、親も子もけっこう適当だったな。 ただ、入浴

【Zatsu】ぞくっとした想い出 6

まだ小学生低学年のころ。 事後形成なのか、リアルな記憶なのか。それすらよくわからない。 男の子たちのあいだで流行っている遊びがあった。学校の近くでは団地やマンションが林立していたんだけれど、建物の屋上は常時解放されていて、だれでも登ることができたのね。今では考えられないけれど、当時はおおらかだったから屋上に鍵なんてかかっていなかったんだ。 だから、上まで登って、隣りの建物の屋上へ飛び移るという遊びがひそかに流行していた。で、プラスチック製の雨どいにつかまって壁面を滑り降りて

【Zatsu】ぞくっとした想い出 4

以前の職場でのこと。 前の会社はコールセンター事業を中心としており、おれは海外通販(カタログ通販)チームに所属していた。 いまでこそ個人輸入も珍しくないけれど、当時はまだ一般的ではなく、国内で代理店をやっている会社もたくさんあった。お客さんにとっては、日本語で対応してもらえるし、国内のデパート等では売っていないブランドが買えるし、返品する場合でも国内の返品窓口へ送ればいい(本国に返送する必要がない)から、それなりに重宝されていたんだね。 注文の流れは、こんなかんじ。 定期

【Zatsu】ぞくっとした想い出 3

大学生のときの話。 なんだか奇妙な体験をした。 ともだちと志賀高原へ2泊3日であそびにいったのね。こじんまりとした、でも外観は洋風でおしゃれチックな3階建てのプチホテル。 冬場ならスキーやスノボ客でにぎわう土地だけど、行ったのが夏休みだったからオフシーズンでさ、すいていたんだよ。 すいていた、というより、宿泊客は俺たちしかいなかったんだけど。 若い時分なので、俺たちしかいないとなれば好き勝手やるわけですよ。メシ食ったら、館内をドタドタ走り回りながら大騒ぎ。おもての駐車場で

【Zatsu】ぞくっとした想い出 2

ひきつづき、新宿近郊で勤務していたころの話。 その職場はとにかく長時間勤務が常態化していたのよ。「残業は100時間からはじまるんだ」なんて言葉がまことしやかに吹聴されていた。 渡邉○樹ですか? でも、おれも「なるほど」ポンと膝を打って受け入れてしまうほどズレていたので、どっちもどっちだが。いまだったら、SNS炎上から労基署カチコミで釈明文書のトリプルコンボだけどね、時代とは恐ろしいもんです。 勤務先ビルは1フロア1社だったので、同じ階には自分の会社しか入っていない。うちは

【Zatsu】ぞくっとした想い出

もう10年くらい前になるけど、新宿ちかくのとある町に職場があったんです。けっこう築年数のいった8階建てのビル。だから、周囲と比べても特に高いわけじゃない。 ワークライフバランスなんてここ数年の話だからね。残業上等、職場泊上等。高級家具のように黒光りした職場環境だったわけです。 時期はもう夏真っ盛り。その日も過重労働を終えて仕事を切り上げ、ようやく帰途に就く。会社のフロアを施錠してエレベータで1Fへ。 既に人の気配はなく、非常灯みたいな薄らぼんやりとした照明が寂しい。正面玄