マガジンのカバー画像

探索のきろく

48
フィールドワーク。地下、路地裏、洞窟、暗がり、サブカル、メット仕事。
運営しているクリエイター

#エッセイ

東中神集合住宅群をゆく(東京)

みなさんの大多数は地上で生活されていると思います。しかし、そんな陸地もかつては海の底だったというのはよく聞く話。 2023.11.04 暦の上ではとっくに秋だというのに、季節外れの陽気に誘われて外で出た。暑いあつい、Tシャツだけで十分なくらいの陽の強さ。だったら無理に外出しないで、家の中で涼んでいればいいじゃないかという、そんな冷静な思考もできないくらい暑い。 暑さをしのぐには、まず水だ。 水といえば海だろう。 よし、そうと決まったら、東中神へ行こう! どうやら、くじらが

豊洲四丁目アパートをゆく(東京)

湾岸エリアといえば、オリンピック景気で活気づき、再開発に沸いた豊洲、お台場、有明あたりです。かつては埋め立て地に広がる工業地帯として地価もかなり低めだったこの周辺も、現在では高級タワマンが立ち並び、中でも豊洲はエリア屈指の高級住宅地となりました。 そんな豊洲で半世紀以上前に建てられた都営住宅が、いよいよその役目を終えようとしている。となれば、行くしかない。 みなさんも、時代の生き証人となるのです! ドーン!🫵 音量注意! 花壇などはまだ手入れされていたころの名残があるけ

都営高橋アパートをゆく(東京)

かつて江東区森下は、山谷と並ぶ大規模な日雇い労働者の街でした。そこから地元ゆかりの漫画家、田河水泡の作品『のらくろ』を前面に押し出した商店街「のらくろード」をはじめとする地域おこしが進み、今ではだいぶイメージも変わってきているとか。 この土地をぶらついたことがなかったので、ちょっと様子を見に行ってこようと思います😄。 音量注意! 音量注意! それぞれの人が、それぞれの事情を抱えて、それぞれの人生を歩んでいる。それは楽しいかもしれないし、苦労が絶えないかもしれない。他人に

掛川ショッピングセンターをゆく(東京)

東京の東のはずれ、千葉県との県境がすぐそこという場所にひとつのショッピングセンターがあります。このあたりは公共交通機関の便が良くないため、買い物するにも一苦労。そういう意味では、地域にとっては日々の糧を入手する場所でもあり、情報交換や交流の場でもあったんだろうね。ただこのあたりも高齢化は進んでおり、建物の老朽化も相まって、まもなくその役目を終えようとしている。さあ、その最後の雄姿を心に刻もう……。 それにしても5日後には最後の魚屋さんも閉店、そしてショッピングセンターも完全

台東小島アパートをゆく(東京)

新御徒町の近くに佐竹商店街というアーケードがあります。日本で2番目に古い商店街。地元の人に訊いたら「日本一古い商店街を名乗っているところはたくさんあるけれど、ウチは2番目ってことでやってるから」と笑っていた。アハハ、たしかに個性でている。 その佐竹商店街の通りを挟んだ向かい側にある、ひとつの都営住宅、台東小島アパート。1年前から建て替えに向けた動きが進みつつある。動き出した時計の針はもう誰にも止められない。いまのうちに、この目に焼き付けておこう。 音量注意! これ、バイオ

柴又帝釈天をゆく(東京)

一般に帝釈天と呼ばれていますが、こちらのお寺は正式には経栄山題経寺といいます。祀られている帝釈天は、ヒンドゥー教におけるインドラ神と同一視されており、あの十二神将の一角でもあります。 普段からちょくちょく訪れている帝釈天ではありますが、今日は「寅さんの夕べ」というライトアップイベントがあると聞き、心を新たに参拝します。 ――というわけで18:30に再訪―― 音量注意! 結構ひと来ています。寅さんの夕べといいつつも、べつに男はつらいよ関係のショーが実施されるわけではない

巣鴨地蔵通商店街をゆく(東京)

聖地巡礼 ここが「おばあちゃんの原宿」と呼ばれるようになってから、もう40年近くたつらしい。本家の原宿駅舎が生まれ変わる一方、こちらの原宿はどうなのか。王道といえばあまりに王道。しかし、ここに足を踏み入れないわけにはいかない。 というもっともらしい理由を付けつつ、あふれんばかりの興味本位とひとかけらの良心を携えて、巣鴨突入です。クレープ屋さん、どこかなっと。 久しぶりに訪れた巣鴨だったけれど、びっくりするほど変わっていなかった。いやね、新しいお店はできているんだよ。最近のチ

鯛生金山をゆく2(大分)

大分県が誇る産業遺産、鯛生金山の後半です。 前半はコチラ

鯛生金山をゆく1(大分)

大分県は別府温泉ばかり押していて、もうひとつワールドクラスの観光地があることをお忘れじゃないですかね。なんせ、こっちは鯛生金山のために来たといっても過言ではないというのに、大分県のWebサイトではほとんど触れられていないというね。それこそ宝の山のもちぐされ、まったく何やってんの。よしわかった、観光大使としての任を受けたからには、オレが強引に責任をもってこの場所をご紹介させていただくッ。 ちなみに東京から大分まで新幹線で5時間かかってます。気持ちすでに呼吸が浅い。 と、ここま

マインランド尾去沢をゆく2(秋田)

前回はコチラ しかし、マインランドは広かった。ここに到着したのが11時30分ごろ。そとにでたときは12時10分くらい。時間がなかったのでまっすぐ前だけを見据えて、わき目もふらずに速足で駆け抜けた(何しに来たんだ)けど、そのあいだ誰ともすれ違うことなく。 坑内がふたたび無人になり静寂の戻った今でも、あのマネキンのおにいちゃんはじっとしてるのかな。

マインランド尾去沢をゆく1(秋田)

またまた、PCの最奥部からサルベージされたファイルです。 十数年まえの解像度低めな記憶へ、いざ、アプローチ! 3月のあたま、秋田へ出張に行くことになったとき、おれの頭に浮かんだひとつの計画。マインランド尾去沢にいくしかない。 大雪でも営業しているというたくましい商魂を事前調査によって得ていたので、あとはもうひたすら高速を飛ばして秋田市内から疾走すること3時間30分(ホームページには2時間半って書いてあったけど、どうなってんだよ)、ひたすら夢の世界を信じて白一色のなかをアクセ

知覧特攻平和会館をゆく(鹿児島)

知覧といえばお茶で有名ですが、もうひとつ、国内有数の特攻隊基地があったことでも知られています。仕事の関係で去年まで鹿児島に数年間いたんですけど、そのあいだに何度もいった。 太平洋戦争の是非については人それぞれに見解があると思うけれど、そんなアカデミックな議論とはまったく別の次元で、「あした自分がどうやって死ぬか」という、極めてリアルな、選択肢も何もない、ただ決意だけを求められる時代があったということ。しかもそれが高校生や大学生くらいの年齢という。 いまは平和な時代だから、こん

呑んべ横丁をゆく(東京)

再開発の声もかまびすしい立石に、昭和の香りを色濃く残す歓楽街、呑んべ横丁がある。ここもまた、東京真空地帯のひとつ。 音量注意! コロナ禍で都市開発はいったん足踏みしているかもしれないけれど、皮肉にも同時に客足も引けてしまい、厳しい経営がつづくのはこの地区も同じ。 そんななかでも、いくつかの店では老若男女みんな楽しそうに飲んでいたことに少し救われた気がしました。 はやく以前のような状況に戻れるといいね。

第二海堡をゆく(千葉)

横須賀……とおもっていたら、つぎの行先は千葉だっつーじゃないですか。なので千葉県のなかの40,000㎡を堪能しよう、ということにして、一行は猿島をあとにし、明治時代から残る人工島、この旅の最終目的地である第二海堡へと向かいます。 音量注意! まさに洋上の要塞と呼ぶにふさわしい威圧感。 音量注意! 海が荒れるなか無事上陸。3回に1回は荒天により中止になるらしい 音量注意! 荒涼とした世界が広がっていて非常に心細い。もともと戦闘を想定した場所だから、そりゃ多少はね。