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私が建設会社を辞めた理由

こんにちは、じょぜです。
今回は私の新入社員時代から入社3年目で退職するまでの日々を書かせていただきました。
これは私にとって大切な出来事を文字として残したいという気持ちで投稿しました。

拙文ではありますが、気長に読んでいただけるとうれしいです。

1.新入社員として過ごした日々

私は大学で建築について学び卒業しました。

「地元のまちづくりに携わる仕事がしたい」

この想いから地元にある建設会社の設計部へ就職しました。

入社当時は同期にも先輩にも直属の教育担当をしてくださった上司にも恵まれ、毎日が新鮮でとても生き生きした日々を過ごしていました。

しかし入社して半年が経った頃、上司が突然私の教育担当から外されました。
私に残業をさせなかったという理由でした。

「これからは残業しろ」

「早く帰ることをみんな悪く思っているんだ」

「空気を読め」

これはその日部長からみんなが聞こえるくらい大きな声で言われました。

きっと私がこの会社にずっとはいられないと感じた最初の出来事だったと今では思います。

当時は設計物件がないタイミングだったこともあり、2級建築士の資格試験を控えていた私に自宅での勉強時間を確保できるよう、上司は私の業務量を計画してくれていました。

残業』という名の美学

この会社にはそんな社風が根付いており、同じフロアにいた役員が定時の1時間後まで帰らないことから、それより先に帰るのは悪い事であるという考えがありました。

これをきっかけに私は直属の上司が誰もいない中、残業代が月30時間分しか出ない部署にもかかわらず、毎月30時間以上残業する日々が始まりました。


2.大切な同期が辞めていく日々

入社2年目となり、現場で施工管理として働く同期や先輩たちが次々と辞めていくようになった頃、同じフロアに唯一勤務していた営業部にいた女性の同期が辞めました。私にとって一番苦楽を共にした大切な同期でした。

「設計部・営業部で初の女性社員採用」

働き方改革の波に乗り、私と彼女は入社当時から注目されていました。

しかし彼女は営業部にもかかわらず上層部の意向で外回りをさせてもらえず、社内書類の処理をさせられてばかりでした。
書類もすぐに完成してしまうため毎日やることがなくなってしまいました。
次第に彼女は体調を崩すことも多くなっていきました。

そんな中、彼女の上司は一緒に外回りができるよう上層部へ提案をして連れ出してくれていましたが、その後上司も外回りに行かせてもらえなくなり、最終的には彼女が退職願を出したと同時に、上司も退職したい旨を話し、二人は退職しました。

彼女が退職した後、細かい事情を知らないたくさんの営業部や他のフロアの人たちがこぞって私のところに来ました。

「何で彼女は辞めたの?」

「あいつ仕事全然していなかったよな?」

「お前はあいつと違って辞めないよな?」

そう私に言い放って満足して、自分の仕事に戻る人たちを見て、正直私に聞くのはお門違いにも程があると思いました。

彼女がなぜ仕事していないように見えるのか、なぜ辞めたのか、根本的な問題に誰も目を向けずに他人に聞く人たちの行為は、私にとってストレスとなっていました。

これをきっかけに私にとってこの会社に”がっかり”な気持ちが大きくなり、転職を視野に入れる日々が始まりました。


3.仕事に全力を尽くした日々

営業部の同期が退職した後、入社2年目で私は本格的に転職を検討し始めました。

ちょうどこの頃、2人の上司がそれぞれ担当する設計物件に、私も担当として業務できることとなり、本格的に設計のお仕事をするようになりました。
それに加え社内プロジェクトの遂行や新人研修の補助なども取り組むようになりました。

担当となった設計物件の竣工時期が全て入社3年目の冬の予定であったことをきっかけに、竣工のタイミングで退職できるようにしようと考え始めたのもこの時期でした。

”仕事はできる人に集まる”

上司に教えてもらったこの言葉をもとに、会社を辞めても後悔のないよう、私は仕事をたくさんこなしていきました。

実際に入社3年目になった時は、同期で一番昇給し、そして気がつけば残業時間が月60時間の時もありました。

それでも仕事をする上では、忙しい日々があったことは、とても充実していた証拠だったのだと今では思います。

しかしプライベートでの趣味への気持ちはどんどん離れていき、仕事しながらの転職活動で心の余裕もなくなり、泣いてしまうことが増えていきました。

そして入社3年目の秋頃、新入社員の時に教育担当だった上司が設計部から窓際部署へ飛ばされてしまったと同時に、私は転職活動で一番興味があった企業の内定が決まりました。

上司の異動は私の背中を押し、はじめての転職活動の日々を終えました。


4.退職するまでの日々

無事に設計物件が竣工し仕事がひと段落ついた年明けの1月初め、私は退職願を出しました。

ちょうど同じ物件を担当した施工管理の同期や同じフロアの営業部の後輩も、同じタイミングで退職願を出していました。
こうして同期は全体の半分以上が退職しました。

退職願を出してから3日間はとても引き止められました。

「一緒に働いて活躍して欲しい」

「これから会社は変わる」

「転職して成功する人は少ない」

たくさんの言葉を受けましたが、私にとってはこれ以上この会社にいると、自分が自分でなくなると様々な出来事で感じていました。
そして辞める決意もかたまっていました。

いろんな想いでここまできたからか、最後にそれでも退職しますと伝えた時にはが止まりませんでした。

こうして私はこの会社で過ごす日々に幕を下ろしました。


5.おわりに

私がこの会社を辞めた理由は大きく分けて3つです。

1.大切な同期や先輩や上司が次々と辞めたこと

2.人材の大切さに気づけない会社だったこと

3.自分らしさがわからなくなってしまったこと

人によっては大したことのない理由かもしれません、自己都合にも程があるかもしれません。
それでもこれは私にとって大きなことでした。

まちづくりに携わりたい気持ちもどこかへ行ってしまうほど、心が遠くなっていくのを感じていました。

働けば働くほど趣味が楽しく感じなくなり、
同期が辞めれば辞めるほど残された人たちに負担がいき、その状況を「なぜだ」と他人に聞くだけで自分達では考えようとしないこの会社に、私はこれ以上居れないと思いました。

それでも約3年間、多くの人と関わった縁や、たくさん悩み考えたことは、私にとって大切なものになりました。

“石の上にも三年"

丸三年までには少し足りないタイミングで辞めてしまいましたが、私は後悔していません。
今の私へ導いてくれたこの出来事に感謝しています。

以上が、私が建設会社を辞めた理由です。
お読みいただきありがとうございました。


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