楽して勝つには「天鏡のアルデラミン」の感想

Vol.11

宇野朴人さんの【天鏡のアルデラミン】を紹介したいと思います。

感想

だいぶ前にアニメがあったのですが、Kindleで半額セールをしていたので今更ながら読みました。
ぐうたら主人公 VS 眠らずの将の戦争での戦いが主で、主人公はお姫様から負け戦を行うが綺麗に相手国に統合されることを目指す、勝たない戦争をしていく話です。
もちろんぐうたら主人公なのであまりやる気を見せないのですが、途中で挫折を味わい本気で負けることを目指します。
主人公の側には半身とも言えるヒロインがおり、その二人の関係は恋人ではないけどお互いに不可欠な存在で、甘い言葉を使うことなく二人の想いは永遠を思わせます。
最初はボンクラだったキャラたちも話が進むうちに頭角を現していき、主人公に追いつこうと努力していく姿も最後にはウルッときました。
軍記ものではかなり面白いですので、是非とも読んでみてはいかがでしょうか。

この作品から学んだこと

軍記ものって大変なのが、主人公をどのようにみんなに認めさせるか、そして相手をどうやってチートや運ではなく戦略で追い詰めるかです。
将として認められるのには、単騎で最強か作戦がこれまで誰も思いつかなかった奇抜なものが必要です。
あまりに単純だと白けてしまうし、かと言って難しい作戦は作者の知識に左右される。
かなり下準備がいるので、もし作ろうとすれば苦労することは容易に想像ができる。
しかしこうやって小説からも学ぶこともある。
たとえば高山病について私は知らなかったのですが、この本を読んでこれほど怖い病気なんだと知った。
そのほかにも火を止めるために迎え火を焚くなどなるほどと思ってしまった。
私も私にしか書けない戦略を表現したいものだ。

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