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ドイツ語の学習手帳

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僕なりのドイツ語の勉強法や文法に関する記事をまとめています。良ければ読んでいただければ嬉しいです。
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2021年2月の記事一覧

【ドイツ語】枠構造の枠が外れるとき

【ドイツ語】枠構造の枠が外れるとき

Ich glaube, dass...

と言い始めたとたん、頭の中にガチガチっと固まった「枠」が浮かび上がり、すごく喋りにくくなります。

「枠構造」の中では、ドイツ語の語順が「主語-述語-目的語」から、日本語と同じ「主語-目的語-述語」に変わるからです。

日本語と語順が一緒というのは利点でもあるのですが、文が長くなってしまったとき、先に動詞を言ってしまって、「あ・・・」と後で思い返す、という

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【ドイツ語】接続法は「距離感法」

【ドイツ語】接続法は「距離感法」

今回はドイツ語の「接続法」について書こうと思います。

文法の最後の方に出てくる項目で、いきなり「法」と出てきて難しく感じる文法事項でもあります。

なぜ「接続法」と言うのかというと、接続詞の後に使われることが多いためです。

ドイツ語でも確かに、「wenn」や「als ob」などの接続詞の後に接続法が使われることもありますですが、それだけに限られません。

この文法用語はラテン語やラテン語の子孫

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【ドイツ語】これは「独製英語」?

【ドイツ語】これは「独製英語」?

日本で作られ、英語圏では通じない、または意味が異なる英語を「和製英語」と言いますが、

ドイツ語にも、ドイツ語圏だけで使われている「英語じゃない英語」が存在します。

今回はそんな「独製英語」のうち、いくつかをご紹介します。

1.das Homeofficeコロナ禍で登場した単語。字面から何となく意味が推測できますが、これは「在宅ワーク」のこと。

日本語でよく使う「テレワーク」に該当するドイツ

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日本語に似ているドイツ語2

日本語に似ているドイツ語2

こんにちは。

今回の日本語に似ているドイツ語は、1つの表現だけ取り上げます。

それは、「我を忘れる」という表現です。

ドイツ語では、「sich vergessen」と言います。

sichは再帰動詞で「自分自身を」という意味なので、まさに「自分を忘れる⇒我を忘れる」という意味になります。

但し、日本語の「我を忘れる」が「夢中になってぼんやりする」というような意味があるのに対して、ドイツ語の

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ドイツ語記事を読む②東京五輪とナショナリズム(2)

今回も、前回に引き続き、ツァイト紙の記事を読んでいきたいと思います。

Durch diese Vorstellung dürfte sich die vorderste Reihe der Tokioter Organisatoren in dieser Zeit voller Ungewissheiten besonders angetrieben fühlen. Während die Ka

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ドイツ語の口語表現・ぞんざいな表現

ドイツ語の口語表現・ぞんざいな表現

こんにちは。
今回は、ドイツ語の教科書に載っている表現と、それに対応する、よく使われる口語表現を紹介していきたいと思います。

1.bekommen (手に入れる、もらう)≒ kriegen

bekommenという単独の動詞だけでなく、bekommenを使った熟語や、hin/bekommen(何とかしてやる)、auf/bekommen(苦労して開く)などの分離動詞でも、kriegenと置き換える

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ある意味赤ん坊のように勉強している

僕はドイツに留学する前までは「文法マニア」でした。

しかし、その勉強法の根本的な欠陥というのは、「ドイツ語から日本語には訳せるけれど、その逆はとことん弱い」というものです。

日本語への「訳し方」は知っているけれども、使い方が分からない。

和独辞典には載っている単語の区別がはっきりと書いていない。たまたま日本語に訳すと同じになる、本当は全然意味も使い方も違う単語が隣り合わせになっている可能性も

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日本語に似ているドイツ語

日本語に似ているドイツ語

今回は、日本語と考え方が似ているドイツ語をいくつか紹介していきたいと思います。

1.die Sackgasse (袋小路) お気に入りの単語です。Sack=袋、Gasse=路地、なので、まさに「袋小路」という意味になります。
 また、

 in eine Sackgasse geraten 【直訳:袋小路に陥る】

で、「(物事が)行き詰まる」という意味になりますが、これも「袋小路に入る」

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ドイツ語記事を読む①東京五輪とナショナリズム(1)

ドイツの主要紙の1つであるツァイト紙電子版に掲載されていた次の記事が面白そうでしたので、少し解説を加えて読んでいこうと思います。

https://www.zeit.de/sport/2021-02/olympia-2021-japan-tokio-nationalisten-china-corona-pandemie

【日本のナショナリストと五輪計画】(ツァイト紙電子版、2月5日付)

コロナ

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ドイツ語文法:日常で使う接続法II式

今回はドイツ語の初級文法でも、最後の方に学ぶ「接続法II式(Konjunktiv II)」の、日常的によく使われる使い方を見ていきたいと思います。

1.「自分だったらどうするか」という表現 文法用語でいう「反実仮想」、つまり事実とは異なることを仮定すること、が、接続法II式の一番よく使われる表現です。

「もしも私が鳥だったなら、海の向こうへ飛んでいきたい」

といった表現のことです。私たちは鳥

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ドイツ語の単語は長いから覚えやすい

ドイツ語の単語は長いから覚えやすい

ドイツ語は、やたらに単語を長くくっつけて書くことで有名ですよね。

むしろ、悪名高いと言うべきかもしれません。

身近なところで言っても、「本屋さん」は

「Buchhandlung」(「本」「扱う」)

「賞味期限」は

「Mindesthaltbarkeitsdatum」(「最低」「保存できること」「日付」)

そして、独独辞典「DUDEN」によると、一番長いドイツ語は、

Rinderken

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「わきまえる」はどう訳されたか

いわゆる「森発言」が国内外で大きな波紋を呼んでいますが、日本のメディアで紹介されている記事が英語圏のものが多いので、ドイツではどのように報道されているのか、調べてみることにしました。

ドイツの主要紙にはフランクフルター・アルゲマイネ紙(以下FAZ)、南ドイツ新聞、ツァイト紙、そしてタブロイド紙のビルト紙がありますが、ざっとネットで調べた感じではFAZの一つだけでした。

もちろん、国際放送局のド

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