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産休中に副業で助産所開設する方法  ①助産師が起業するには

こんにちは。助産師さゆりです。
こちらの記事では、何年も病院勤務をしてきた助産師の私が「産休中に副業で助産所を開設する方法」についてお話していきます。

こんなことありませんか?

・病院に勤める未来しか描いたことがない
・今の仕事を10年後も続けていけるか不安
・副業に興味あるけど手が出せてない
・在宅で自分の自由にできる仕事に憧れる
・退職してフリーランスになるのは不安
・病院の業務以外にやりたい夢がある
・子育て中の夜勤がしんどい
・助産師が在宅で仕事はできない

一つでも当てはまったら、ぜひこの記事を読んでいただきたいです。
これはすべて私が開業する前に思っていたことです。
私は助産師として病院に勤務している中で、第1子が誕生、産休育休を取得してから復職しました。
復職後は時短勤務で、基本的には日勤のみ。時間外の委員会やミーティングは参加しなくてもOK、オンコールも免除。
私の働く病院の時短が少し変わっていて、月の出勤日数が少なくなり、休みが多くなるような働き方でした。
とても子育てに理解のある職場!と思いませんか?
実際とても理解があり、子持ちで働き続ける助産師が多い職場です。

ですが、こんな優しい時短制度は子どもが3歳になるまで、なんです。
3歳を過ぎたらフルタイムとなり、月20日出勤、夜勤あり、オンコールありに戻ります。
正直、子どもを育てながら夜勤やオンコールに対応するためには家族の協力が不可欠です。休みの日数も減るので子どもが体調崩したら有給がどんどん減ります。
そんな時、「これから先ずっと病院でフルタイムで働いていくのって無理じゃない?」という考えがよぎったんです。
同時期にSNSで知り合ったママ起業家たちや、フリーランスとして働く助産師に出会ったりする機会があり、自分もいつか起業したい!と思うようになり、準備の時間がとれる産休中に助産所を開設するまでに至りました。

では、具体的にどんな準備が必要か順番に説明していきますね~。

助産師が起業する方法

助産師が起業するには主に2つの方法があります。
フリーランスの助産師になる
助産所を開設する
この2つのどちらで働くか、すごく悩んだのでそれぞれのメリットやデメリットについてまとめてみました。

①フリーランスの助産師になる

いち助産師として自分でお仕事を契約し、収入を得るという方法です。
例えば…
・新生児訪問を市区町村の保健所と契約し、1件いくらで請け負う
・オンラインで妊婦さんやママから両親学級、育児の相談などを受ける
・看護学校と契約し、実習のときのTAとしてアルバイト料を得る
・小学校や中学校から性教育の依頼を受け、講演費を得る
などがあるかと思います。

ある程度の自分のバイタリティーや人脈が必要なところもありますが、試しに副業として始めてみるのもひとつだと思います。
どのくらいの集客ができるか、月にどのくらいの収入になるのか、副業として続けることは難しくないか、などやってみないとわからないことも多いため、実践あるのみ!です。

フリーランスで働く場合、まず考えるのは開業届を出すかどうかです。

開業届とは、個人事業を開業したことを税務署に届け出る書類のことです。 事業を開始してから1ヶ月以内に提出することが推奨されていますが、提出しないことによる罰則はありません。

開業freee

【開業届を出すメリット】

・ビジネス用の銀行口座、クレジットカードが作れる
・子どもを保育園に入所させることができる
・確定申告の際、青色申告が可能になることで経費分を差し引ける
・オフィスの契約や融資などの審査に必要なことがある

開業届を出すとビジネス専用の銀行口座を開設、クレジットも作れるため家計の口座と分けて収支を管理することができるようになります。
また、開業届のコピーを提出すれば自営業として保育園の入園申し込みをすることができます。
フリーランスの助産師として活動し年間20万円以上の収入がある場合、確定申告をすることになっています。
開業届を出していないと、白色申告となり得た収入を報告→そこから税金が差し引かれます。
開業届を出していれば、青色申告となり得た収入からかかった経費を差し引いた額で税金が計算されます。
白色申告の場合は収入によって赤字になってしまうことも…その点青色であれば節税対策が可能になるんです。

【開業届を出すデメリット】

・失業手当をもらっている場合、手当がもらえなくなる
・配偶者の扶養に入っている場合、扶養から外れることがある
・収入が年間20万以内であれば確定申告の必要はない

開業届を出すと、個人事業主として仕事を始めたということになり、求職活動をしている状態ではなくなるため失業手当がもらえなくなります。
すぐに売り上げが得られないうちは、届を出さないほうがいいですね。
また、配偶者の扶養に入っている場合、開業届を出したらすぐに扶養から外れる場合と、一定の所得が得られるまでは外れない場合があるので会社の保険組合に確認しておきましょう。
そして、収入が年間20万円に満たないときは、確定申告をしなくていいため、開業届を出してしまうとその分の手間や税金を取られることになりますのでご注意ください。

②助産所を開設する

助産師は医療法に基づき開業権を持っているので、助産所を自由に開設することができます。
助産所を開設するというとハードル高く感じますが、助産所にもいろいろな形態があります。大きく分けて以下の2点で考えます。
(1)分娩を取り扱うかどうか
(2)施設を設けるかどうか

(1)分娩を取り扱うかどうか

助産院といえばそこでの出産がイメージされますが、今は分娩を取り扱わない助産院も増えてきています。
当然分娩を取り扱うのであれば、協力してもらう嘱託医を探したり、それなりの経験が必要であったり、用意しなければいけない医療器具や物品もたくさんあります。
分娩を取り扱わない場合、つまり乳房のケアや産後ケアなどを行うのであればハードルが下がるでしょう。

(2)施設を設けるかどうか

次に施設を設けるかどうかを考えます。自宅またはそういった場所を借りて、分娩や乳房のケア、産後ケアなどが行えるようにする場合には、当然ベッドや布団の用意、賃貸の場合は家賃、その場所管理し衛生的に保つための掃除などの負担があるでしょう。自宅であれば賃貸料などはかかりませんが、プライベートとの区別がつきにくくなったり、住所を公表することへの抵抗もあるかもしれません。
施設を設けない場合は、出張専門という形になります。分娩を取り扱うなら、妊婦さんの自宅に健診や出産の際に訪問するスタイルです。乳房ケアや産後ケアでも褥婦さんの家に訪問するので、自宅はあくまでも自宅です。
賃料もかからず、準備するものも訪問時に必要な物品だけになります。

おそらく一番開設するのに物理的にも金銭的にもハードルが低いのは「分娩を取り扱わない、出張専門の助産所」ですね。
私が開業したのもこのタイプなので、その場合のメリットデメリットをお話していきます。

出張専門の助産所を開設するには税務署へ提出する開業届とは別に、保健所に「助産所開設届」というものを提出する必要があります。
①でフリーランスの助産師との大きな違いはこの助産所開設届を出すかどうか、ということです。

【助産所開設届を出すメリット】

・助産師会の保険に入ることができる
・助産所として医療ナビや助産師会のHPに掲載してもらえる
・助産所を開設しているという信頼が得られる
・助産所業務ガイドラインに沿って、業務や価格が設定できる
・地域で活動するのに認知してもらいやすい

助産所を開設することで助産師会のやっている保険に加入することができ、出張先や電話相談でトラブルが起きた際に安心です。
また、保健所に申請すると各都道府県の医療ナビに掲載されることが義務付けられており、検索で見つけてもらえることがあります。(助産師会のHPは希望制で掲載してもらえます。)
また、助産所を開業しているという肩書はフリーで助産師をやっている、というよりも社会的な信頼が得られやすいです。
助産所業務ガイドラインには助産師が行える業務とその価格が規定されているため、それに従って価格設定を決められます。
また、助産所はその地域に住んでいる方を主に対象にするため、地域に密着した活動がしやすくなります。

【助産所開設届を出すデメリット】

・出張専門であっても、自宅の住所が途中まで公開される
・助産所としてのコンセプトやテーマを考える必要がある
・辞めるときに届け出が必要になる

都道府県の医療ナビの掲載が義務づけられていて、出張専門であっても自宅の住所が住んでいる町名まで表示され、代表者の氏名も公表されます。
(電話番号やメールアドレスの記載は任意なので非公開にすることも可能です。)個人情報を公表することのリスクは多少なりともあるでしょう。
助産所を開設するために屋号を考えたり、どんな助産所にするのかコンセプトなどを考える必要があります。コンセプトはあとで変えることもできますが、屋号は変えられないためどうするか一番悩むところです。
そして、一身上の都合で助産所をやめることにした場合は、「病院(診療所、助産所)休止(廃止、再開)届」を提出する必要があります。手続きをしない限り、医療ナビにも情報が載りつづけるため必ず届け出ましょう。

様々なメリットデメリットを考慮した上で、私は助産所開設届を出して、自分の助産所を持つことにしました。
そのために必要な手続きは2つ、税務署に開業届を出すこと、そして保健所に助産所開設届を出すこと、です。

次の記事で税務署に開業届を出す方法について解説していきます。


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