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組織のあり方

今月のテーマは「組織のあり方」です。
勝ちにこだわるけど、負けを恐れるなって、僕はよくいうんですけど、どうあがいても結果は出るんです。いいことも悪いことも。

だから、その結果というのは、やってきたことの成果の一部だから、恐れる必要はなく、ただただ受け入れるしかない。それを個人、チームとして財産にして生きていきましょう。

みなさんは組織の一員であると思います。会社や学校という組織もそうですが、「チーム」「野球部」という組織を束ねていらっしゃいます。

その組織運営の中で、こうあるべきではないか、こうした方がいいといったような意見を僕なりにまとめてみました。これが正解だというより、このコラムを参考にさまざまな意見交換できればと思います。

第1回 理想的な部員数

みなさん、いかがでしょうか。
このテーマを聞いて、どう感じましたでしょうか。

近頃の野球チームは二極化が進んでいると言われています。
以前の二極化というと、「私学と公立」、「強豪校とそれ以外」、「勝つための組織を作っているチーム」と「そうでないチーム」という括りだったと思いますが、

最近は変わってきているのではないでしょうか。
部員が「多いチームと少ないチーム」というふうに。

公立高校の先生の中には部員が9人くらいでされているところともありますし、その経験もおありな方もいると思います。

学校事情は先生方ではどうすることもできない部分ではあると思いますが、一方、クラブチームなどで、人気のあるチームとそうでないチームはくっきり分かれてきているのかなとそういうふうに思います。

前回の学童部のミーティングで、あるメンバーさんのチームに入るのは、よそのチームの厳しい指導に嫌気をさしている子どもが多いとのこと。

それをしっかり集められたメンバーさんはすごいと思いますが、一方で、まだまだ、そんなチームがあるので、メンバーさんのようなチームが評価されるという部分も紛れもない事実と言えるのです。

しかし、一方、そうやって部員が増えたからといって、喜ばしいことなのかとも思うわけです。
最近、多くのメディアで、部員の多い学童野球や中学の野球チームが記事なっていますが、二極化の果てのこととはいえ、僕は「大丈夫か?」という見方もしています。

部員が増えたら増えたなりに練習が難しくなる。その点を考えているようには思えないからです。

過去の記事にも書きましたが、高校野球で、突如、部員が増えたチームがするのは練習強度の激化です。

要するに、部員を辞めさせにかかるんですね。それって全然正しくないじゃないですか。また、部員を減らしにかからなかったとしても、部員が増えれば指導が行き届かなくなるし、試合に出られない人数を増やしてしまうだけなんですね。

といっても、部員は少なくてもいいというわけでもない。
それは部員不足を経験した方々は大いにわかると思うのですが、では、実際、どのくらいの部員数がベストなのでしょうか。

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 大阪桐蔭と智弁和歌山の比較から見えるもの
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例えば、大阪桐蔭は「25人前後」と決めています。
指導者スタッフの人数で、手をかけられる人数がこのくらいだというのが西谷浩一監督の考えです。

昔は3人の指導者しかいませんでしたが、今は監督、部長、副部長、コーチが2人いますので、十分な人数構成でしょう。

特に、大阪桐蔭は個々にあった指導をするチームなので、これくらいがベストだといっています。

一方、智弁和歌山は少し増加傾向にあるとはいえ、10人〜12人程度です。

一時期は10人に限定していました。
こうなるとどういうメリット・デメリットが起きるでしょうか。

指導者側のメリットは進学の面倒を見やすいというのが挙げられるでしょう。
選手側からすると「試合に出られる」というのがあります。

高校野球は3学年といいますけど、実際、3年が揃うのは4〜7月までの3、4ヶ月間しかなく、多くは2学年で構成されている。
つまり、普通にしていれば試合に出られるはずなんです。

デメリットとしては、選手側からすると選りすぐりの10人になるので、入学前から順列が決まっているケースがある。どうあがいても、ひっくり返すことができないということが挙げられます。

指導者側のデメリットは競争心を仰ぐことが難しくなるということです。
3学年で30人。2学年で20人だとしたら、最後の夏まで、ベンチ入りはほぼ約束されるということです。

もちろん、スタメンで試合に出たいという意欲は湧くでしょうが、ベンチを外れることはないので、それほど頑張らなくてもできてしまうところはあるでしょう。

智弁和歌山や兄弟校の智弁学園は新入生を入学したての春季大会からからベンチ入りさせる、あるいは、試合に出ることが多いです。

これは1年生をベンチに入れていないと、ベンチを外れる可能性の匂わせることができないから、カンフル剤の意味合いを持っている。

でも、3年生の投手が不甲斐ないと1年生が出ることにあるわけですから、育成という部分ではマイナスになることも少なからずあると思います。

強豪私学の2校を紹介しましたけど、
人数構成はみなさんも悩みどころではあると思います。
公立校は選手を選べませんから、「数うてば当たる」の精神でいくと人数は多く入ってくれた方が嬉しいでしょう。

でも、公立の施設で、どこまでできるのかというと限りがある。
ややもすると、補欠を多く作るだけのチームになってしまいかねないんです。

さて、みなさんどうでしょうか。
部員数はどれくらいだとベストでしょうか。
組織としては難しい問題なので、ご意見をいただけると幸いです。
また、部員が多いところで工夫できることも議論できればいいなと思います。


第2回 練習パートナー

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