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戦術をバカにすると野球は上手くならない。

技術は積み重ねだなぁとつくづく思う。

フリーランスになって20年目。これまで数々の高校野球児を取材してきましたが、いわゆる「技術論」は様変わりしてきたなぁと思います。

僕は「骨盤命」で、そこばかり見ているのですが、指導者じゃないので、変わりゆく技術論の変化を達観していますね。

ある一方ではウェイトが大事といい、ある一方に取材に行けば「ウェイトは人を力ませるだけだ」と豪語する人もいる。どちらもいい選手を輩出していて、結局、どちらも正解なんですよね。

ダウンスイングがいいか、アッパーがいいのか、また、縦振りというのも最近では取り組んでいる。

指導者にとって大事なことは「形」という結果を真似るのではなくて、その真理だろうと思う。そして、いろんなタイプの人間がいるので、一つにこだわっていてはいけないということでしょう。

いろんな体の選手がいるので、それに合わせた指導ができるような引き出しを持っていないといけないいうわけです。

フライボール革命が主流になっても、日本の野球界はトーナメント制が主流なので、エンドランのサインが出て、転がせ、右に打てと言われる。正しい技術があったとしても、トーナメントで勝つために指揮官がどうするかと言ったら、やっぱり、今まで通りの野球になるんですよね。

一方、「野球」という括りにおいて、やはり「戦術」は存在すると思う。「これは知っておけよ」というものですね。それを知らないことには「トーナメント戦で勝てない」からやるべきなのではなく野球の技術をうまくしていく上でも必要な要素でもある。

しかし、意外とこれを知らない人は多い。

だって、試合で勝利に貢献するために選手は練習をしているわけで、仮に「これが正しい」とされる「技術」が存在したとしても、それが試合で勝つことに貢献できないのであれば、それは意味がない。

メジャーなど海外では戦術の練習はほとんどしないといいます。だから、日本でもやらないでいいのではないか。

チームにいる全員がメジャーリーガーになるならね。メジャーリがーになれなくて野球ができなくていいとなってもいいなら、それでいいかもしれない。

残念ながら日本の野球には戦術が存在し、それは「野球を知る」上では最も重要なことであったりするのです。

なぜ、全力疾走するのか。
エラーを期待しているのではないのです。野球はアウトになるまで先の塁を狙って得点を目指すスポーツであるのです

先日、関東地区の県大会を見ていたら、2死・1、2塁でショートゴロが飛びました。セカンドランナーの動きを見ていたのですが、ショートゴロがアウトになった時、その走者は三塁ベース付近でボーッとしてました。

野球知らないんですよ。

一方、その対戦相手が2点を先制した場面はまるで逆でした。
2死・2、3塁で、1、2塁間のゴロ。守備のセカンドがジャックルして、一塁はセーフ。2者が生還していました。

戦術の話題はこれだけではありません。
なぜ、カウント3ボールからヒッティングに行くのか。無死1、2塁のピンチを優位に変えることもできる。

野球を知らないとこのシチュエーションでのプレーレベルは下がります。
何をすべきかを知らないので、そこで必要な技術を身につけようとしないからです。

甲子園の常連でプロを多く輩出してきたPL学園や横浜が、なぜ、すごいのか。

野球を知っているからです。

PL や横浜の卒業生と野球の話をする、あるいは取材に行くと面白いです。楽しいです。彼らは野球をよく知っているから。

ただのエリートじゃないんです。
野球に必要なことを知っている最高峰にいる選手たちなのです。

前田健太(ツインズ)が言ってました。

プロに入って、いろんな練習をしてきましたけど、『これ知らなかった』と苦労したことはない。でも、甲子園強豪校の出身の選手で、これ知らんねやーってなって、混乱している選手を何人も見ました。

個々の能力、技術は様々なレベルがあります。
しかし、野球の戦術、野球を知るということに「ポテンシャル」は関係ないと思います。

戦術をバカにすると野球は上手くならない。
以前の僕はそう思っていなかったです。

しかし、サロンを運営しているうちに考え方が変わってきました。

ちなみに、先ほどの試合で2点をとったチームは、僕がサポートしているチームです。しっかり野球を教えてもらっている証拠だと思います。

当然、課題はあるけれど。

本日は以上です。

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