『子どもに聞かせる日本の民話』大川悦生 レビュー
ホンワカとした語り口調と臨場感のある表現が気に入った。Amazonのレビューによれば、発売から25年経過した今でも読み聞かせによく使われている本らしい。方言が多用されているので抵抗のある人も居るようだが、標準語に極めて近く分かりやすいので、イントネーションだけ何となくそれっぽくして読めば良いと思う。
P90~P94「びんぼう神と福の神」の部分だけ要約してみました。ちょっと外伝ぎみ (;^_^A
昔、あるところにとても貧乏な夫婦が居た。
ある年の暮れ、彼らの目の前に突然貧乏神が現れた。
曰く「100年この家に住んでおるが、オマエさん達が毎日働きすぎるので非常に居心地が悪い。そこで今日ワシがココを出て、代わりに福の神がやって来る手筈になっておる。」
夫婦は貧乏神の労をねぎらい、年越しの料理や酒を振舞う。
貧乏神は良い気分になり、時がたつのを忘れて長居をしてしまった。
ちょうどそこへ福の神が時間通り現れ、貧乏神とケンカをし始めた。
夫婦はうっかり貧乏神を応援してしまう。
結局福の神が負け、彼は「こんな酷い家に二度と来るもんか!」とプンプン怒りながら出て行った。
夫婦は我に返り少し後悔する。
一方、貧乏神はそばに福の神が落としていった小槌があることに気付く。
彼が欲しいものを思い浮かべながら小槌を振ると、すぐにいろんなものが出てきた。
それ以来貧乏神は福の神となり、そこに住み続けたそうな。
神のチカラも道具の機能次第というお話でした。
めでたしめでたし。
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