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西行法師が百人一首に残した作品は?

西行法師さいぎょうほうしが百人一首に残した作品は、、、

─── 目 次 ───
☆作品
☆意味
☆擬人法
☆文法解説
☆鑑賞
☆出典
★関連動画
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☆作品

♪ なげけとて
  月やはものを
  思はする
  かこち顔なる
  わが涙かな

です。

読みは、

♪ なげけとて
  つきやはものを
  おもする
  かこちがおなる
  わがなみだかな

となります。

太字一カ所が変わります。

3句切れ。


☆意味

なげけとて
     (嘆け、と言って)
月やはものを
      (月が私に物を)
思はする
  (思わせるのだろうか?
   いや、そうではない)
かこち顔なる
   (月にかこつける      
   月のせいにして嘆く)
わが涙かな
    (私の涙なのだなぁ)

☆擬人法

「月」が「嘆け」と言う
「涙」が「かこち顔」になる


☆文法解説

1句:「なげけとて」
   「嘆けと言って」と訳す
   「と」引用の格助詞
   「て」接続助詞


2句:「やは」反語の係助詞
3句:「する」使役の助動詞



「やは」と「する」が係り結び
「~するのだろうか? いや、そうではない」と訳す


4句:「かこち顔」
   「嘆いている顔」のこと

「かこつ」とは、漢字では「託つ」と書きます。
現代でも「かこつける」と言う表現がありますが、それと語源が同じようです。
ここでは「月のせいにする」と言う意味になります。

5句:「かな」詠嘆の終助詞


☆鑑賞

この歌は「月前げつぜんの恋」という題を与えられて詠んだ歌です。
恋の悩みで涙が溢れてくるのを、

《月が「嘆け」と言っているかのようだ》

という歌です。

☆出典

『千載集』恋・926


★関連動画


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