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河原左大臣が百人一首に残した作品は?

河原左大臣が百人一首に残した作品は?

─── 目 次 ───
☆作品
☆意味
☆《しのぶもぢずり》とは?
☆序詞
☆倒置
☆文法解説
☆鑑賞
☆出典
★関連動画
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☆作品

♪ 陸奥の
  しのぶもぢずり
   誰ゆゑに
  乱れそめにし
  我ならなくに

です。

読みは、、、

♪ みちのくの
  しのぶもぢずり
  たれゆ
  みだれそめにし
  われならなくに

となります。

太字一カ所が変わります。

4句切れです。



河原左大臣がある恋人に心を激しく乱されたために詠んだ歌です。

☆意味

陸奥の    (みちのくの)
しのぶもぢずり
   (しのぶもぢずりの
      染物のようだ)
誰ゆゑに
    (誰のせいだろう?)
乱れそめにし
 (私の心は恋に乱れている)
我ならなくに
    (私のせいではない)

となります。


☆《しのぶもぢずり》とは?

「しのぶもぢずり」とは、福島県信夫(しのぶ)地方の染物の名前です。

探してみたら、こんな写真がありました。

しのぶ草

写真ではわかりにくいですが、「しのぶもぢずり」という染物は、乱れ模様が特徴なのだそうです。

※「しのぶ」は、
 「しのぶ草」
 「信夫(しのぶ)」など、
 諸説あり


☆序詞


「陸奥の しのぶもぢずり」
の部分が、下の句(しものく)の
「乱れそめにし」
を引き出す序詞(じょことば)になっています。



☆倒置

3句と5句


☆文法解説

3句:末尾の「か」が欠落
   4句「し」と合わせて
   係結び
4句:「乱れそめにし」
   「そめ」は、「初め」
   (染め、の意味もある)
   「に」完了の助動詞
   「ぬ」の連体形
   「し」過去の助動詞
   「き」の連体形
5句:「我ならなくに」
   形容詞「なし」連用形
   +接続助詞「に」



☆鑑賞

河原左大臣は、恋に心を乱していて、その様子が
「しのぶもぢずり」の染物のようだと表現するために、
「陸奥の しのぶもぢずり」と歌いだしているのです。

そして、心が乱れた原因は、
「誰ゆゑに(誰のせいなのか?)」
「我ならなくに(私のせいではない)」
と続けて、暗に「あなたのせいですよ」と訴えているのです。

恋に乱れた心、苦しかったのでしょうね。


☆出典

★関連動画


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