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人のことをもっと知りたくなって,生まれて初めてエッセイを買ってみた.

2年くらい前から写真を初めて,それから写真を撮ることが好きになった.
写真を始めるきっかけの一つを作ってくれたのは,恋人だった.写真にしっかり熱中して,これまで続けてきたのは,恋人を撮ることが楽しかったからだと思う.今は風景を撮るのも,動物を撮るのも好きだけど.

ただ,ここ最近自分はカメラを通じて何を撮りたいのだろうかと,悩むことが多くなった.「風景撮ることもポートレートを撮ることも好き!」「オールジャンルなんでも撮ります!」っていうスタンスではあるけど,自分が写真を撮る上でのこだわりってなんなんだろう.よくわからない.自分は自分の思いを表現できる人間になれていないんじゃないか.そんなことを考え始めた.

話は変わるけど,漫画の「ブルーピリオド」を大人買いして2日間かけて読み切った.(なぜ「ブルーピリオド」を読もうと思ったかはあまり覚えていない).ブルーピリオドは、主人公である八虎が高校2年生から絵画に目覚め、芸術の道を志すその道のりを描いた作品である。自分自身が表現したいものは何かを八虎が探求する過程が,自分自身と重なる部分があって妙に親近感を覚えた.

ブルーピリオドの影響も受けて,自分は何を撮りたいのか,何に興味があるのかちゃんと考えてみようと思った.

今まで一番撮っててワクワクしたのは,恋人のポートレートを撮るときや,友人のポートレートを撮るとき.でも不特定多数の誰かを撮りたいという気持ちはあまりない.例えばモデルさんを綺麗に撮るとか,それはそれとしてものすごく魅力的ではあるのだけれど,自分から進んでやりたいわけではない.
「なるほど,深く気心の知れた人の魅力を最大限に引き出せるような写真が撮りたいのか」…?
そう思った.
答えは分からないけれど,「人」のことをもっと知りたいと思った.
「人」のことを知るって,手段は色々ある.例えば,友人と会って話すとか,恋人と話すとか.ただ今回はなんとなく,エッセイを読んでみようと思った.それもできるかぎり「メッセージ性がなく」「変に飾っていない」.ほとんど自叙伝のようなもので,あとは全く有名ではない人とかだったらなおいいなと思った.

ぶらりと本屋に入ってエッセイを探して,読もうと決めたのがこちら.

広末涼子さんは,ものすごい有名人ではあるけれど,僕自身これまでファンというわけではなかった.ただ,他のエッセイと違って「思ったことをそのまま書きました感」があって僕が探していたものはこういうものだ!と思った.

この本を読んで感じたこととしては,広末涼子さんものすごく思考する人だったんだ!ということを第一に思った.
(そもそも俳優のエッセイの表紙に哲学者の名前が並んでいるのも稀有ではある.)
辛い出来事が起こった時に,自分を支えてくれる言葉があること.嬉しい出来事を表現して伝える言葉があることの素晴らしさを感じた.
広末涼子さんが取り上げた60の言葉の一つに,ヴィトゲンシュタインの言葉があった.
「私の言葉の限界は,私の世界の限界を意味する.」
この言葉に対して彼女は,「言葉のみならず,行動を大事にしたい.言葉の領域を超えて伝わる感情があると信じたい」と言っていた.

言葉の重要さは言わずともがなではあるけれど,言葉では表現できないものを表現できる力ってすごい.
僕も言葉では表現できない「人」の内面が滲み出るような写真を撮りたい…そう思った.
一方で思いを言語化することも重要.広末さんもそれを理解しているからこそ,言葉以外の表現方法を大事にしたいと思えたんだと思う.

結論: 『ヒロスエの思考地図 しあわせのかたち』は広末涼子さんの思考の過程,大切にしてきた言葉たち,彼女の力強さや人間性を垣間見える素晴らしいエッセイでした!!

………ん,

誰でもいいから人のことを知ろうと思って読み始めたエッセイだけど,ものすごく感化されてしまいました.

まあ,まだ自分が本当にやりたいこととか表現したいことが見えてきているわけではないのですが,人を知ることって面白いなと思ったので,いろんな人のエッセイを読んだり話を聞いたりしていこうと思いました.

以上です!!



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