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僕たちの生きる社会は残酷だ。

超入門資本論を読んで資本主義の仕組みをちゃん理解してみた。

なんで読んだ?

資本主義社会で生きてきた僕は、結局資本主義を感じる事があまりない。
というか意識せず生きてきた。この社会の枠組を改めて理解したい。
・コロナ禍の資本主義のあり方は?
・僕はどのような心構えが必要?

そもそも資本主義とは

資本主義とは
生産手段を資本家・企業者の階級が所有し、自分たちの利益追求(自由競争)のために労働者を働かせて生産を行う経済体制。

ポイントは
・雇われて働く側と雇う側がいるということ。
・あらゆる商品は価格競争を行い、競争に負けた商品は排除されるということ
ここでいう弱肉強食は隣人との争いではない。
強者=資本家 弱者=労働者という構造こそが資本主義の本当の意味であることを知った。

価値と給料の仕組み

商品の価値や対価として払われる給料(価値)は一体どうやって生み出されるのか?

まずは価値について

資本論でいう"価値"とは2つある
①価値=あらゆる労力によって生み出される価値
その商品を作るのにどれだけ苦労したかによって変わる
1時間で作ったパンと10時間かけて作ったパンでは10時間のパンの方が価値が高いということになる。
②使用価値=使用者のメリットによって変わる価値
いわゆる日常でみんなが使っている価値使うメリットが大きければ大きいほど価値は高くなる。
富士山の山頂で売られている水は地上の水と同じ"価値"だが、山頂の方が使用価値が高いということ。
この価値と使用価値が揃って初めて"商品"となる。

商品の値段と"価値"の関係は?

商品の値段は価値の相場で決まる。
・30分で作ったカレー
・3日間煮込んだカレー
どちらが高いと聞かれたら後者と答えるだろう。
これは美味しそうとか関係無く、消費者は生産コストに合わせて値段が決まり、商品の相場が決まるということ。そこに上乗せもしくは減少させる要因が使用価値となる。

商品価格=価値(=生産コストの相場)+使用価値(使用メリット)

僕たちも商品

僕たちも労働力という商品だ。
労働力を作る為にはカレーと同じで具材や調理、時間煮込む時間が同様に必要で、僕たちの労働力を生み出す生産コストは「知識&知識を生み出すまでにかかった労力・経験&経験を要するまでにかかった労力・日々人間らしい生活」の社会的平均(相場)となる。これがイコール価値であり、給料になるというわけである。
社会にとって同等に必要な仕事にも給料の差が生まれるのはその為だ。
医者の給料と看護師の給料が異なるのは医者になる生産コストがより多くかかかるからである。

では僕たちの使用価値は?

企業により多くの利益をもたらす人材がより使用価値が高くなるということになる。一般的な商品でいうと使用価値が高くなれば、より長く継続的に購入してくれる。労働力でも同じでより長く、継続的に雇用してもらえる。一般的な商品でいうと使用価値が高くなれば、より長く継続的に購入してくれる。労働力でも同じでより長く、継続的に雇用してもらえる。
企業にとって使用価値を高めることは、よりその企業で継続的に雇ってもらえることに直結していて、給料をあげることには繋がっていないのだ。

なかなか給料が上がらないのはそのせいだ。2倍の利益を生み出しても2倍の給料にはならないだろう。その為、日々の必要な経費だけしか給料が支払われない為、いつまでたっても生活はカツカツになる訳だ…!
*逆に必要経費が高くなれば給料は上がる。結婚手当て、昇給手当てなどはその例だ。

給料
価値(日々の労働力を生み出す必要経費)

使用価値(雇用し続けたいメリット)
*使用価値は満たされているから変動しない

企業の利益はどこから生まれるのか?

企業の利益が生まれる簡単な仕組み
企業は労働者が給料以上の働きをすることで生み出される"剰余利益"を獲得している。

いかに商品を安く仕入れ、高く売るかでは大きな利益を産むことはできない。利益は生んでいるのはまさに僕たち価値以上に働くことで作っているのだ!!

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剰余価値を増やす方法は3つ
1,絶対剰余価値:価値以上にめちゃ働かせて増やす
2,相対的剰余価値:デフレなど生活水準のて以下による給料縮小で生まれる
3,特別剰余価値:技術革新によって生産効率があがり、生産コストを削減することによって生まれるものがある。

利益追求は資本主義全体の首を絞めて死ぬ。そして生き残った企業がまた競争を続けるループ。

ほとんどの企業は特別剰余価値を追求している。
利益(特別剰余価値)を追求することで、技術革新が加速すると、スパイラルが起きる。

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このようにますます二極化が進むことになる。

本来、労働者は給料ダウンにより、購買力は下がり、物が売れなくなるデフレが訪れる。不況になれば効率が悪く、使用価値の低い企業は淘汰される。
そうして必要な企業が残り、また競争を続ける社会である。景気と不景気はセットで起るべくして起るのだ。
しかし現社会は使用価値の低い企業にも補填を出すことでバランスが崩れ不景気を意図的に遅らせるような働きをしている。

この世界を生き抜く3つの手段

①変化耐性を備える(フリーランス精神)
本来であれば商品は使われる度に使用価値を計られ、必要なければ捨てられる運命にある。多くのサラリーマンはそのジャッチを数回しか受けていない。フリーランス精神で自分の使用価値を向上させる挑戦を副業的に実践する必要がある。計られる痛みを知り、耐性をつけるべし(厳しいなあ)

②汎用性スキルを身に着ける
自分の持っているスキルを分解し、本質的に理解することで別ジャンルでも応用できるようになる。

③商品化する
自分の売り物を用意し、高く買ってもらえるように鍛える。
最初はよくある商品でも構わない。続けることで価値が高まり、オンリーワンになっていく。
例えばカウンセラーは誰でもできるが、資格を持って、数万人のセッションを行えれば、価値はグングン高まる。

今日からのTODO

フリーランス精神を身につけることから始める。

BEST名言

命がけの跳躍が資本主義の本質

感想まとめ

僕たちが生きているこの日本社会は思っていたより、残酷だった。
自分を商品として売りに出せる場所を複数作り、自分でも資本家としての動き(自分にしか売れないもの)を身に着ける事がこの社会を生き抜く術だと知った。まさにコロナで淘汰される企業や労働者は資本主義社会では当然の事なんだ。資本論は150年も前に導き出された答えだ。時代はまさに繰り返している。

読書時間:4時間
NOTEまとめ時間:4時間
全体としてはわかりやすかったのに、まとめるとかなり時間がかかりました。。。。

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