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#21 「ギフト」

聴きやすい音楽と、客の会話が心地よい感じで、週末夕方のスターバックスを演出していた。
若干のマダムたちの声はハリがあり、聴きたくない話と大笑いだけが気になったが、
気にせずiPhoneの中に入れ溜めているマイプレイリストの【Love#0】をイヤホンを着けてSurfaceを広げポケットWi-Fiをつけメールを確認しはじめた。

彼女に[入って1番奥だよ]という旨のメッセージを送る。
すぐに、
[オッケー!]と来て、立て続けに、
[本当遅くなってごめんね…]
と来たので、
[運転手に宜しく伝えといてー]とボケてみたら、
[ゆーたが友達なの?]と天然ボケを被してきて、慌てて…
「いやいや、恵の友達でしょ?]
PCを広げても手がつかない状態は言うまでもなく…

雑誌によく、MacBookを広げて仕事をしている体の写真をよく見かけて憧れる。

なみなみであろうホットコーヒーに口を付けようと飲もうとしたら、湯気が熱の逃げ場がなくもくもくと上昇していて、口髭と鼻に水滴が着く…ので、ひとまずもう少し様子を見ることに…

隣のカップルが、夏の休みを利用してどこか行こうかという相談を早々にしているが、そもそもGW飛び越してるのでは?とツッコミを入れたくなった。
はたまた、目の前の通路挟んだ男同士は、今日の飲み会のウキウキ加減で、どんな女の子が来るのかとか、幹事の人はどんなんなのか妄想リサーチをしている。
それは、自分もよくやるが心の中で、
『来た人を楽しませなさい』と指導をしてやりましたが、彼らに届くわけはなく。

などと、Surface越しに人間観察をしていて、Surfaceは呆れてスリープしてしまった。
『すまんすまん』と心で呟きながら、自分が諦めてメールをチェックし始める。

そして、鳴らないiPhoneを3分もしないうちに見てしまっている。
穏やかではない自分。
なぜなら、No planだから。
【赤羽駅周辺食事処】とGoogleに検索をかけても5秒後に、こんなゴールデンタイムに空いている訳なんてないじゃないかと、諦めたのは言うまでもない…

たった30分そこらが1時間にも2時間にも感じてしまう。

俺は、彼女に本当はまってんだな。
と、自覚する。
10歳ほど年下の恵は、俺のことをどう考えているんだろうか。
って、今までの恋愛で考えたことなんてなかった。
今までは、歳の近い女性ばかりだった。
と言っても、長く付き合うことが多く、こんな俺によく付き合ってくれたなと思ってしまう。
【こんな俺】
何が良かったのか…

などと、ぼーっと考えているとまた…
Surfaceは眠ってしまった。
ごめん、その気にならないからちょっと寝ててと思い、放置してあげた。

少し冷めたであろうホットなコーヒーに口を移して、猫舌ではないが、やはりホットなコーヒーだった。

来る途中に、彼女の1番好きだと言う【ティラミス】をビーンズの中にある洋菓子店で買ってみた。
彼女はそこまでこだわりがなく、
むしろ[この間セブンイレブンで出会っちゃったの!]
というくらい、自分が好むものであれば【好き】なのだ…と思う。と決め付けている。

大好きなET kingの【ギフト】になりウキウキな気持ちでありながら、目線を上げたら、
そこに恵が笑顔で立っていた。

紛れもなく、それは、俺にとっての【ギフト】だった。

to be next story…

(あとがき)

いつもお読みいただきありがとうございます!ついにゆーたと恵が会うことができました!

そして、名曲【ギフト】のタイミング。奇跡ですねー

聞いたことない人はぜひ聞いてみてください!

引き続き宜しくお願いします!


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