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#16 「恵」

[あーーーー会いたい(笑)]
これは俺のコメントではない。
彼女がくれたものだった。

それに対して俺は
[会いたいね…ごめんね]
と返してしまった。間髪入れずに彼女は、
[ごめんねって言わないで!]
と。

彼女が
[今ね、帰ってるんだけど、電車に乗って1席空いてて、座ってたんだけどね、おばあちゃんが乗ってきたから譲ったのね。]
[素晴らしいことじゃん!]
[まー当たり前のことなんだけど、そのおばあちゃんが降りる時に、「べっぴんさんありがとうねーばーい!」って言ってくれたの!可愛ーでしょ!]
そういうことをさらっと出来てしまう彼女が素敵だと思うと同時に、ニコニコしてしているのが目に浮かぶ。
[素敵だね!お互いが!
やっぱべっぴんさんなんだよ!心も体もさー俺も嬉しくなる😄]
[ゆーたさんも嬉しいの??????]
[嬉しいよー]
不思議そうに[どーして?]と返ってきた。

[やっぱり恵は素敵な女性なんだなって再確認出来たからさ。
俺の評価じゃなくて、全く知らない、人生をだいぶ生きてこられた人にされるんだからさ]
と率直な気持ちを伝えた。

『異性にモテるより、同性にモテる異性を信じなさい』と親に言われてきたフレーズがここでマッチした。

そこで、
[わかった!
考え方がなんか素敵なんかもって思ってるかも(笑)]
[誰の?おばあちゃんの?]
[ゆーたさんの!なんか考え方が落ち着くってゆうか…言いたいことわかる?わかって!(笑)]
なんか、新たな自分(恵自身)と俺を見つけてくれたように興奮している感じがした。
俺は、人のダメなところより、良いところを見つけるのが好きだ。
彼女自身がコンプレックスに感じていることさえ、良いところだと思ってしまう。
[だから、素直にゆーたさんの話を聞けるのかも]
[ってか前にも言ったけど、こんな年上の人もいるでしょ?]
[「こんな年上」って、ゆーたさんのこと?いないよー視野狭いんかなー]
[出会わなければわからないしねーそもそもシャイガールだもんね!]
俺は彼女と出会って浅いが…わかることはわかる。
良いことも悪いこともそれは、『恵』であることは変わらないから。

[シャイだよね…多分…どー思う?私自身もそう思っているから…]
[シャイだよ😄]
[ですよね…]
[人をちゃんと見ているからだと思う。この人はこうだから、大丈夫とかさ。判断できる人なんだよ。
ちゃんとジャッジして、俺もわかってくれてるんだと思うんだ。
だから、自分の中で勝手に敵味方を作るタイプじゃないかなって。]
[恐れ入りまーす(笑)]
当たっているのかな。わからないけど…なんかそう感じた。
特に男性へは分厚いバリアーを必ず張っている。
それは彼女のトラウマだ。

2年前同僚の婚約者がいた。
だが、同僚の親友(女)に浮気されて…
これ以上は察してしまって、上野で初めて会った時に口を唇で紡いでそっと頭を撫でた。

いつもニコニコ笑顔が素敵で、たまに見せるシリアスな表情になる時、いたたまれなくギュってしたくなる。

[俺は人たらしだから(笑)仕事でも他人ともヘラヘラ八方美人だよ💦ために嫌んなる。]
[あたしもニコニコしてるの嫌になる時ある。出来なくなる瞬間あるもん💦]
[俺の前ではしなくていいからな。楽しい時に笑って、泣きたい時に泣いてさ。やりたいことがあればその時やれば良い]
[それじゃあただの気分屋じゃん!]
[らしくいてくれたら【それ】が良いよ😄]

[そんな【ゆーた】の前ではあたしらしくいられるようにする!]

こんなに嬉しい100点な回答は…ない

to be next story...

(あとがき)
今回は少し彼女のネガティブな過去について触れてみました。
そんな彼女が少しでもゆーたという人間に癒されてくれたらと思っております(笑)
引き続きよろしくお願い致します!

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